女優の杉咲花さん主演で今秋から放送のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「おちょやん」の収録が、6月24日に大阪府内のロケで再開されたことが7月2日、明らかになった。同日、NHK大阪放送局(大阪市中央区)で開かれた有吉伸人局長の定例会見で発表された。
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同作は、4月2日に撮影をスタートし、同月6日まで大阪府内で“3密”を避けながら収録していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で同月7日から収録を休止していた。
6月24日のロケ再開日には杉咲さんが演じるヒロイン、竹井千代のモデルとなった浪花千栄子さんの出生地である大阪府富田林市に千代の生家のオープンセットを組み、千代の幼少時代のシーンを撮影したという。現在も引き続き関西近郊で撮影しているが、杉咲さんはまだクランクインしておらず、今月中をめどに撮影に入る見込みだという。
再開に当たっては、NHKが掲げる新型コロナウイルス感染拡大防止のための制作マニュアルに従って、出演者やスタッフの健康と安全を最優先に実施している。放送開始日は収録の状況を見て判断するという。
103作目の連続テレビ小説となる「おちょやん」は、上方女優の代名詞といえる存在で、「大阪のお母さん」として親しまれてきた女優の浪花千栄子さんの人生がモデル。浪花さんは戦前、「松竹新喜劇」の前身である「松竹家庭劇」に参加し、二代目の渋谷天外さんと結婚。喜劇女優としての道を歩んだ人物。戦後、「松竹新喜劇」に参加し、離婚後、一時女優をやめるが、NHK大阪のラジオドラマで復活。その後、「大阪のお母さん」として映画やテレビで活躍した。今回のドラマでは実在の人物をモデルにするが、物語を大胆に再構築し、フィクションとして描く。脚本は「半沢直樹」「家政夫のミタゾノ」などを手がけた八津弘幸さん。
杉咲さん扮(ふん)する主人公の千代は、明治の末に大阪・南河内の貧しい家に生まれ、9歳で道頓堀の芝居茶屋に女中奉公に出される。多くの芝居小屋が立ち並ぶ街で、華やかな芝居の世界に魅せられた千代は、自らも女優を目指すようになる。そして喜劇界のプリンス、天海一平(あまみ・いっぺい、成田凌さん)と出会い、妻になるとともに喜劇女優としても花開いていくが、戦争などの不幸が重なって女優を一時引退。しかしあるラジオドラマをきっかけに奇跡の復活を遂げる……というストーリー。
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