吉田羊:大泉洋とのW主演“リモートドラマ”配信期間延長決定 俳優にとって「怖く、挑戦し甲斐のある作品」

WOWOWのショート連続ドラマ「2020年 五月の恋」でダブル主演を務める吉田羊さん(左)と大泉洋さん=WOWOW提供
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WOWOWのショート連続ドラマ「2020年 五月の恋」でダブル主演を務める吉田羊さん(左)と大泉洋さん=WOWOW提供

 女優の吉田羊さんと俳優の大泉洋さんがダブル主演を務めるWOWOWのショート連続ドラマ2020年 五月の恋」の配信期間が延長されることが6月27日、分かった。当初は6月末までの配信予定だったが、全4話のYouTube合計視聴回数が68万回を突破したことなどを受け、WOWOWのYouTube公式チャンネルでは2020年7月31日まで、WOWOWメンバーズオンデマンドでは2021年5月31日まで無料配信される。

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 「2020年 五月の恋」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で撮影の自粛が続く中、吉田さんが「お芝居で日本を元気にしたい」「心の栄養を届けたい」という思いからスタートし、リモートで制作された。2020年5月の東京を舞台に、大手スーパーマーケットに勤め、都心の店舗の売り場を任されているユキコ(吉田さん)と、在宅勤務で慣れないリモートワークに奮闘する中堅の設計会社に勤める営業マンのモトオ(大泉さん)の元夫婦が、ひょんなことから再び連絡を取り合う……というストーリー。

 NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ひよっこ」などを手がけた脚本家の岡田惠和(おかだ・よしかず)さんと、吉田さんが主演した映画「ハナレイ・ベイ」(2018年)の松永大司監督も企画に賛同し、岡田さんが脚本を担当、松永監督がメガホンをとった。

 全4話を1本化し、未公開映像を加えた特別版の放送も決定しており、特別版では限定のエンディングも用意。7月5日午後1時からWOWOWプライムで無料放送される。WOWOWメンバーズオンデマンドでは、特別版も来年5月31日までアーカイブ配信される。

 ◇吉田羊さんのコメント(以下原文のまま)

 --改めて、最初に岡田さんの脚本を読んだときの感想をお願いします

 「面白い!うまい!」と思わず声が出たほど、岡田さんの想像力と筆力にただただひれ伏したくなるパーフェクトな脚本でした。視聴者が今どんな物語を求めているのか、どんな設定なら共感してもらえるのか、どんな展開なら無理がないのか。それらは通常のドラマでも時間をかけて議論される部分ですが、わずか一週間で取捨選択し傑作を書き上げるなんて、もはやこの作品をやる運命だったのだ! と運命論者のモトオのようなことを言ってみたくなります。中でも秀逸と感じたのは、二人の人物設定。リモートワークのモトオもスーパー勤めのユキコも、まさに「2020年の5月」を生きた私たちと地続きの二人。彼らが感じ口にする言葉はみな、リアルな私たちのものでもありましたし、“自粛する者”と“するわけにはいかない者”双方の立場で語られるところに、全ての人にこの作品を楽しんでもらいたいという岡田さんの愛情も感じました。

 --リモート撮影をどのように行ったか

 二人が住むマンションは、離れた二つのスタジオ。各現場には、iPhoneとiPadの2台がアングル違いで設置され、それらの映像はリアルタイムでWOWOW本社内の基地に送信されていました。監督はその基地からリモート演出し、各スタジオに設置された指示用パソコンからそれが聞こえるという具合。お芝居は毎話ワンカット撮影でしたので、リハーサルを見て直しを入れたら、あとの本番は最後までノンストップ。リモートあるあるですが、町内放送が流れてきてNGなんてこともありました。また画面のスイッチングは収録と同時に行われ、それをベースに編集が加えられたと聞きました。

 --大泉さんとの会話劇で、タイミングの合わせ方などは?

 それぞれ都内にあるハウススタジオでしたが、その距離は16キロ離れておりました。会話は、実際に電話をかけ、受話器から相手の声が聴こえる状態。しかも、部屋には本人以外入らなかったので、完全なる一人暮らしの長電話でした。ワンカットという集中力が必要とされる状況でリラックスしてお芝居ができたのは、それによるところも大きかったです。さらに監督は、何度もリハーサルをする中で役者の芝居を新鮮に保つため、どっちかの音声をオフにし、「内緒の演出」をして、相手の新鮮なリアクションを引き出すこともありました。タイミング合わせについて、例えば3話冒頭の「同時マスト」のくだりは、演出パソコンからキューをもらいタイミングを合わせたものです。ところが、二人が偶然にも同じタイミングで同じ動きをするという奇跡の瞬間が幾つかあったことは、オンエアを見て知りました。「偶然に意味はない」とはユキコの言葉ですが、こればかりは、エンタメの神さまが味方してくれたとしか思えない偶然でした。

 --大好評の本作について

 いい意味でとてもシンプル。だからこそ、作品の良質が際立つと思いました。過度な編集や音楽を使わず、純粋に芝居だけで見せる。俳優にとっては怖くもあり、挑戦し甲斐のある作品だろうと思います。その証拠に、多くの俳優仲間から、続々と感想メールが届き、その多くは「どうやって撮ってるの?」という質問でした。その真意は、二人が自然すぎて芝居に見えない、タイミングも驚くほど合っているし、一体どんな演出でどんな撮影方法なのか、ということでした。また、その後の二人が見たいという意見も多く、それには私も賛成です。もう一度ユキコとモトオに、今度はちゃんと顔を見て会いたいなあと思います。

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