水木しげるさんのマンガが原作のテレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」(フジテレビ)第6期が、放送文化の向上に貢献した番組や個人・団体を表彰する「第57回ギャラクシー賞」(放送批評懇談会)のテレビ部門特別賞に選ばれたことが話題になっている。放送批評懇談会が発表した受賞理由は「新たなサブキャラクターの登場や、主人公たちの設定の見直し」「社会や時代は変わっても、人間社会が抱えている闇や怖さは、水木しげる原作時代と同じ、普遍的なのだということを教えてくれました」というもの。「主人公たちの設定の見直し」の中で放送当時、特に話題になったのが、モデル体型の美女のねこ娘だ。ねこ娘の誕生秘話を探った。
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「ゲゲゲの鬼太郎」は、主人公の鬼太郎が、ねずみ男、砂かけばばあら個性的な仲間の妖怪たちとさまざまな事件に立ち向かうマンガ。1968~69年にテレビアニメ第1期が放送され、以後半世紀以上にわたって愛され続けてきた人気作だ。第6期は2007~09年に放送された第5期以来、約9年ぶりの新作で、2018年4月~2020年3月に放送された。
ねこ娘の造形が大きく変化したのは、第6期が初めてではない。第5期でも萌えキャラの要素が取り入れられるなど時代に合わせて変化してきた。第6期の放送スタート直後、東映アニメーションの永富大地プロデューサーに取材した際、ねこ娘の誕生の裏側を「会議の中で『菜々緒さんみたいにしてみたら?』という意見があった」と明かしたことがあった。
その意見を出したのがフジテレビの狩野雄太プロデューサーだ。第6期には新キャラクターとして中学生の犬山まなというヒロインが登場した。狩野プロデューサーによると、まなとの対比の中で、モデル体型のねこ娘が生まれたという。
「最初の犬山まなのデザインは、今のまなより少しぽっちゃりしていました。そんなまなと見た目上の差をはっきりさせるため、ねこ娘はスレンダーにしたかったんです。ただ、幅広い視聴者層へ届けるアニメとして、性的な匂いがしたり、こびたアニメのキャラクターがイヤだったところもあります。私が意見を言ったのは最初のデザインだけですが」
第6期のねこ娘は、モデル体型で格好よく、まなに対しては姉御肌、鬼太郎にほのかな恋心を抱くなど可愛らしくいちずなところもあり、魅力的なキャラクターになった。子供、特に女児に人気を集めた。永富プロデューサーは「こうなりたい!という憧れを持っていただけたのかもしれません」と分析する。
第6期は、バトルシーンの迫力、格好よさも話題になった。ねこ娘はバトルシーンでも躍動した。永富プロデューサーは、戦うねこ娘について「今時の女の子をイメージしていた」と話す。
「鬼太郎は髪の毛針、指鉄砲、霊毛ちゃんちゃんこなど遠距離、中距離の攻撃が多い。近接戦闘を担うのがねこ娘で、前に出て戦います。今時の女の子をイメージしていました。シリーズディレクターの小川孝治はアクションが得意。そこを見せたかったところもあります」
小川監督は「プリキュア」シリーズや「ドラゴンボール超」などに参加し、「ワールドトリガー」のシリーズディレクターも務めてきた経験があり、アクションに定評がある。モデル体型のねこ娘が長い手脚を駆使して戦う姿は爽快だった。モデル体型だからこそ、アクションがダイナミックになったところもあるのだろう。
「女の子だって暴れたい!」は、同じく東映アニメーションの「プリキュア」シリーズのコンセプトだが、バトルシーンで躍動するねこ娘は、東映アニメーションらしいキャラクターにも見える。第6期のねこ娘は、アニメ史に残る名キャラクターとして語り継がれるはずだ。
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