松本まりか:「原作に忠実」と絶賛の声 「死役所」ニシ川ができるまで

ドラマ「死役所」でニシ川役を演じる女優の松本まりかさん(C)「死役所」製作委員会
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ドラマ「死役所」でニシ川役を演じる女優の松本まりかさん(C)「死役所」製作委員会

 あずみきしさんの人気マンガを実写化したドラマ「死役所」(テレビ東京系、水曜深夜0時12分)に出演する女優の松本まりかさん(35)。口元のほくろが特徴的な、クールなニシ川役で出演しており、SNSでは「ニシ川さん原作そっくりすぎでやばい」などの絶賛の声が上がっている。ホクロの位置も“ミリ単位”で調整するなど、ストイックに役作りに臨んだ松本さんは、「ハードルが高いキャラクターだったし、正直、自信はなかった」と振り返る。今回のような役作りは「初めて」という松本さんに話を聞いた。

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 ◇「自分とは遠い存在」のニシ川

 ドラマは、あの世の「シ役所」を舞台に、シ役所「総合案内」で働く職員・シ村(松岡昌宏さん)が、次から次へと現れる死者に「お客様は仏様です」と慇懃(いんぎん)無礼な態度で対応する姿を描くエンターテインメント作。20歳の誕生日に急性アルコール中毒で亡くなった、天真らんまんな女子大生の三樹ミチルを黒島結菜さん、「生活事故死課」の職員・ハヤシを清原翔さん、「他殺課」職員・イシ間をでんでんさんが演じている。

 松本さん演じるニシ川は、「自殺課」の職員。美人だが笑顔はなく、口が悪い。口元のほくろが特徴的で、「仕事はできる」と評されている。シ村とは仲良く見えるが、他人には一切興味がない……という役どころだ。

 今作の出演が決まったときの思いについて、「(ニシ川は)すごく魅力的だったし、(原作を)読んでいて、一番惹(ひ)かれるキャラクターだったので、それを自分がやれるといううれしさの半面、すごくプレッシャーがありました」と明かした松本さん。

 ビジュアル的にも、キャラクターとしても「自分とは遠い存在」だというニシ川。しかし、自身が視聴者としてドラマを見たときに、“ニシ川が違う”と感じられてしまうことは「『死役所』の世界観を壊すことに繋がる」と考え、原作の世界観を「忠実に再現」することにこだわって、役作りに挑んだ。

 ◇外見から徹底的にアプローチ

 ドラマを手がける倉地雄大プロデューサーによると、通常1時間ほどの最初のメーク打ち合わせに、松本さんは3時間かけ、担当メークと「原作にどう寄せたらいいのか」を検証。その後も、髪形やメークを何回も調整してニシ川を作り上げていった。

 ホクロの位置は“キメ”があるといい、「ちょっとずれてもダメ」というが、松本さんは、原作のホクロの位置と「ちょっと違う」と明かす。「原作の雰囲気と私の顔で一番合致するところっていうのがある。原作とまったく同じところにすると、似ていなくなるので、私の顔で一番ニシ川っぽいっていうところをすべて探りました」とこだわりを明かす。

 ホクロと同様、アイラインのはね上げや太さなども「ミリ単位」で調整。さらに、劇中で披露している黒髪のボブスタイルは、実は「カツラ」で、4回計10時間以上かけて、切って調整したと話す。クランクイン後も、微調整のために、再びカットしたという。

 外見以外のアプローチでは、ニシ川を理解するため、原作マンガに登場するニシ川のセリフを書き出した。ニシ川がよく言う言葉や言わない言葉、語尾までくまなく分析したほか、原作マンガで、あずみさんが手書きで書いているような部分も見逃さなかった。

 実は、第1話に登場したニシ川のセリフ「ここにお名前を書いて下さい。お・な・ま・え!」は、原作マンガにはあるが、当初は台本にないセリフだったという。松本さん自らが提案し、採用されたといい、「とにかく原作オマージュというのが一番意識したポイント」と話す。

 ◇SNSの反響に「すごくほっとした」

 今回のニシ川のように、外見から徹底的に役作りする経験は「初めて」といい、「どちらかというと、内面から入るので、外見から入るっていうのはすごく挑戦ではありました」と話した松本さん。第1話のオンエアが「すごく怖かった」というが、SNSでは「ニシ川さん似ている!!!」「ニシ川さんの役とっても原作に忠実に再現されている」などの声が上がった。

 松本さんのもとにも、視聴者からの反響が届いているといい、「本当によかった」と胸をなで下ろす。マンガ作品を実写化する場合、少なからず批判的な声が上がることもあるが、「ニシ川も、作品自体も、『原作に忠実』という声がすごく多くて、ちょっとびっくりしました。原作ファンの方が『よし』としてくれる。それがすごくうれしかったですし、すごくほっとしました」と笑顔を見せる。

 一方で、「自分の中には、もう少しまだ改善の余地があるというか、もっとやりたい気持ちはある」ときっぱり。世間からの評価に甘んじず、さらに上を目指す姿勢。さまざまな役どころで、多くの作品に呼ばれる理由が分かった気がした。

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