錦織圭選手:全米オープンに意気込み 気持ちは「前向き」 ワクワクも

錦織圭選手 (C)Getty Images
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錦織圭選手 (C)Getty Images

 2019シーズン最後のグランドスラム、全米オープンテニスが、米ニューヨークで8月26日に開幕する。WOWOWでは連日独占生中継する。大会第1日に男子シングルス1回戦で、アルゼンチンのマルコ・トゥルンヘリッティ選手と対戦する錦織圭選手や、西岡良仁選手、土居美咲選手が開幕を前に現地で意気込みを語った。

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 ◇錦織圭選手 20代最後のグランドスラムも「いつも通り」 フェデラー戦では「泣きそうに…」

 ――年齢を重ねるごとに、自身の役目や役割などについてどう考えていますか?

 やらなければいけないことが増えているというか、自分の中の責任感だったり、正義感だったりは確実に昔よりは増えています。後の世代に自分ができることを探していかなければいけないな、というのは常に考えています。昔は自分自身のことで精いっぱいだったので、そういうことは全くありませんでした。そういうのはちょっと増えてきているのかなとは思います。

 ――38歳になったロジャー・フェデラー選手や、錦織選手と年齢が近いノバク・ジョコビッチ選手、ラファエル・ナダル選手などの存在についてどう感じますか? 励みになりますか?

 それは確実にあると思います。20歳の頃は30歳くらいでもう引退するのかなというのは考えていました。それが今では、現役でやっている選手たちのおかげであったり、トレーニングの進歩だったり、いろいろなことが励みになっていますし、モチベーションにも確実につながっています。“まだまだやりたいな”という気持ちを、より年を重ねるごとに持つようになっています。ですから、特にフェデラーにはずっと現役でいてほしいなというのはあります。

 なぜなら、ずっと昔から自分のアイドルでしたし、今も目指している選手なので、いつでも試合をしたい。この前のウィンブルドンも、試合の前にロッカーからセンターコートに入る道の途中で泣きそうになるくらいエモーショナルな感じになっていました。“彼とあそこでできる”という試合前の高揚感は初めての経験で、涙が出そうなくらい、なんか変な感じでした。

 ――フェデラーの試合のときにエモーショナルな気分になったのは、ウィンブルドンだからですか?

 ウィンブルドンで彼と試合するのは、夢というか、芝で歴史上一番強いと言われている選手ですし、憧れている彼とウィンブルドンの場所でやれるというのは感極まる部分はあったので、ウィンブルドンだったからというのは大きいかもしれません。

 ――ヤンコ・ティプサレビッチ選手が今季限りの引退を表明しました。かつて(2013年あたり)はなかなか勝てない相手でしたが、どう思いますか?

 最後にもう1回やりたいですね、負け越しているので。多分、勝てていない選手、相性が良くない選手、という何名かいるうちの1人は彼なので、辞める前にもう一回対戦したいですね。彼のバックハンドなど見習う部分もありましたし、ケガをしてすごく苦労してきた選手なので、そういう選手が辞めていくのは切ないと同時に、自分も年を重ねているんだな、と感じます。

 ――20代で迎える最後のグランドスラムになりますが、その思いや意気込みを教えてください。

 (この質問に対する回答が自身の中で)課題になっているのですが、20代最後の、という回答の正解が分からない。特に何も思っていないので、答えがないというか例年通りのという感じですね。今年が特別というのは特にはなくて、いつも通りに試合にも入っていきたいですし、入るべきだと思いますので、あまり考えず試合をできたらなと思います。

 ――1回戦の相手マルコ・トゥルンヘリッティ選手(アルゼンチン)の印象は?

 情報が少ないのでチェックしないといけませんが、ストローカーでしっかりしていて、フォアはスピンで重いボールを打っている印象はあります。試合勘を戻すことであったり、1、2試合目をしっかり勝って自信をつけるということはこの大会では特に重要なので、ストロークがしっかりしている彼といいストローク戦ができればバネになるかなと思っています。強い相手かもしれませんが、良い相手かなと思います。

 ――全米オープンに対する特別な思いはありますか?

 ここに来るとワクワクはあります。他のグランドスラムと比べると、一番結果を残しているので、なんとなく気持ち的にも前向きです。落ち着いた中で、高揚感であったり、楽しみの気持ちというのはちょっと(他より)多いのかなと思います。直前の2大会ではどちらも初戦で負けているので、その不安はありますが、なるべくフレッシュな気持ちで1回戦から入れるようにしたいなと思います。

 ――シンシナティで西岡選手と対戦して、西岡選手の成長はどう感じましたか?

 強かったですね。彼の粘り強さ、ディフェンスの高さというのはツアーの中でも結構トップクラスだと思うので、それが一番やりづらかった。昔と比べると、今は攻めることもできてきているのでアグレッシブなプレーを混ぜられたときは難しかったです。ラリー戦でなかなか得点が獲れなかったので、すごく成長を感じました。

 ――錦織選手はネットプレーをすごくうまく混ぜているという印象がありますが、それはやる前から決めて入っているのですか?

 ある程度決めているかなと思います。もちろん相手によってはもっと前に入るというのはしていますし、課題にしているところでもあります。前に入って相手にどんどんプレッシャーを与えていく、ポイントを早く終わらせるというのは自分のプレーに必要なことだと思うので、意識して頑張って前に入るようにはしています。

 ◇西岡良仁選手 「一戦一戦を戦って自己ベストの更新を目指したい」

 ――ウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)で錦織圭選手を破ってベスト8に進出した時の試合を振り返って、自信になったことは何ですか?

 試合内容はすごくよかったと思っていますし、錦織選手の鋭い攻めを何とかしのぎつつ、攻めるところはしっかり攻めていけました。特に、サービスゲームがすごく良かったというのが勝因の一つだと思っています。錦織選手に勝った後の試合でもサービスゲームはとてもよかったので、今一番成長している部分はそこかなと思います。

 ――どれくらい自信になっていますか?

 自分にとって初のトップ10内の選手からの勝利でしたし、錦織選手という存在もあって、勝ったことでデミノー選手に対しても自信を持ってプレーできました。今ここに入って練習は数日ですが、すごく自信があふれているような感じでできているので、大きな一戦だったと思います。

 ――準々決勝は棄権でしたが、その原因は何だったのですか?

 一概に何が原因かと言われるとわからないので何とも言えませんが、確実に言えるのは、疲れてはいました。疲労が原因で何かがあったのは間違いないと思います。連戦していましたし、難しい状況だったのですが、これもいい経験の一つなので、こういうことがあった時にしっかりいろんな対策を取りたいなと思います。

 ――1回戦のギロン選手は過去に1度対戦していますが、どんな印象ですか?

 彼は今年すごくいいプレーをしていましたし、インディアンウェルズでベスト16まで入っていい結果を残しています。ランキングは下ですがテニス的にはすごく安定したプレーをしていますし、ストロークもすごくいいし、積極的なプレーもしている。気を抜けば間違いなくやられると思います。パワーもあるはずなので、普段よりも強いプレーをしてくると思いますが、そこは彼よりは経験はあると思っているので、5セットという戦いの中でしっかりと勝ちに繋げたいです。

 ――今大会の目標と抱負をお願いします。

 まずは、一戦一戦を戦って自己ベストの更新を目指したい。初の3回戦を目指したいです。

 ◇土居美咲選手 「自分の形を作ってければ、チャンスは広がってくる」

 ――現在のコンディションとテニスの調子はいかがですか?

 テニスも大分良くなってきていて、ハードコートシーズンも何試合かやってきていい状態になってきていると思います。

 ――今年のハードコートシーズンで何か取り組んでいることはありますか?

 サーブに関しては徹底的に練習しています。自分のサービスゲームをいかに取るか、ということであったり、サーブを打ってからの自分のフォアハンドの展開につなげていく、という練習を少し多めにしています。

 ――フィジカル的にはいかがですか?

 特に新しくとかはないのですが、ずっといい状態ではいるので、問題なくいい状態で試合に入れるのではないかなと思います。

 ――1回戦の相手はキーズ選手になりましたが、どんな印象ですか?

 先週も優勝していますし、すごく調子のいい選手だと思います。サービスもいいですし、しっかり一発で決められるようなストロークも持っている選手なので、もちろんタフな試合になると思います。以前、彼女に勝ったときは、攻撃させる時間をなるべく作らせないで、自分のテニス、自分が攻撃している時間をどんどん作ったことで、すごくいい流れに乗れたので、それがしっかりできればいいなと思います。彼女のいい時間をなるべく少なくするというのが、まず目標です。

 ――全米オープンへの意気込みをお願いします。

 まずは1回戦が勝負だと思うので、自分のベストなプレーができるようにしっかりと調整して、良いプレーが当日できれば良いなと思っています。

 「全米オープンテニス」は8月26日~9月9日、WOWOWプライムとWOWOWライブで連日独占生放送。第1日はWOWOWプライムで無料放送。

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