平成仮面ライダー“最後の劇場版”となる映画「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(オーヴァー クォーツァー)」(田崎竜太監督)が7月26日に公開される。「仮面ライダージオウ」は、2000年にスタートした「仮面ライダークウガ」から続く「平成仮面ライダー」シリーズの20作目の記念作。劇場版は、王誕生に隠された大いなる陰謀やジオウ最大の謎が明かされる……という衝撃の内容だ。ジオウがタイムトラベルした戦国時代で出会う、「魔王」と呼ばれた英雄・織田信長役でゲスト出演する前野朋哉さんに、「仮面ライダー」シリーズへの思い入れや「仮面ライダージオウ」での推しキャラ、映画の見どころを聞いた。
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インタビュー当日、「仮面ライダーBLACK RX」の主人公・南光太郎のコスプレで登場した前野さん。今作への出演決定時、「『仮面ライダージオウ』を家族みんなでドハマりしながら見ています」とコメントを寄せていた前野さんは、第1話から「仮面ライダージオウ」を視聴しているといい、「男女年も関係なく見ていける作品ってあまりないと思う。しかも1年間見ていると、『日曜日の朝はジオウを見なくちゃ』と日常になってくる。そういう作品ってなかなかないなって」と絶賛。「大人も楽しめるというのはすごく大きい。大人が子供の気持ちにもなれるし、ずっと今後も見ていけると思える作品」と魅力を語る。
そんな前野さんだがオファーを聞いた際の心境について、「念願というかめっそうもない。(『仮面ライダー』は)お茶の間で、家で見るものだったので(仕事に)直結していなかった」と好きすぎるがゆえに恐縮したことを明かし、「すごくテンションが上がり、出たいと思ったのですが、ちょっとスケジュールが……という状況だった。どうしても出たいとマネージャーさんに頑張ってもらい、無事出られて良かった」と喜ぶ。
周囲からの反応を聞くと、「息子が幼稚園に通っていて、(幼稚園の)子供が来て、『ジオウ出るの?』って聞かれて『出るよ』と返したら、『へえー』って(笑い)。そうやって子供から声をかけてもらうことはあります」と照れ笑い。自身の息子からも「録画していたテレビで流れた予告を見せられて、『これお父さんだよね』と言われたので、『似ている人じゃないかな』って(笑い)。映画館に一緒に見に行こうと思っていますが、変に(子供がライダーに)会えると思ったら……というのもあり、言わないようにしています」と父親の顔をのぞかせる。
初めて見たのは「仮面ライダーBLACK RX」だったという前野さん。「ビジュアルとか、あとシャドームーン(主人公の宿敵)が好きで、敵キャラクターが好きになったのは初めて。その後ゲームとかでも何かしらシャドームーンを使っていました」と楽しそうに思い出を語る。
その他思い入れがあるシリーズ作について聞いてみると、「平成仮面ライダーが始まった頃は中学生になっていてあまり見ていなかったのですが、『仮面ライダー響鬼』は見た目がライダーっぽくなくて、しかも鬼という設定で気になって。ライダー好きな友達が見始めたので僕も見ました」と明かし、「平成仮面ライダーの中ではリアルタイムで唯一全部見たライダーが響鬼。(当時は)大学生でしたけど、響鬼のおもちゃも買っていました」と笑う。
「仮面ライダージオウ」では“響鬼回”もあったが、「“響鬼回”は“アガり”ました。今(響鬼を)見返していて、文字が途中にバーンと入ったりとかやっぱり異色で面白い」と前野さん。さらに、「(仮面ライダー)カブトも(当時)ちょっとだけ見ていて、カブト回と響鬼回は特に良かったなという思いが。カブトも今DVDで見始めています」と明かす。
放送中の「仮面ライダージオウ」に登場するキャラクターの中で、「すごい好きなのはゲイツ」とだという。その理由を前野さんは「(変身後の)ビジュアルもそうだし、ちょっと硬派な感じや、ゲイツリバイブになったときの超絶的な強さや、鼻血たらしながら戦っている姿に目がいっちゃいますし、応援したくなる」と説明する。
歴代ライダーの力を借りる「アーマータイム」時の変身フォームの中では、「ゲイツのアーマータイムの中では『555(ファイズ)』が一番似合っている。(登場すると)『やった555だ』っていつも思っています(笑い)。アーマータイムしているときもゲイツはカッコいい」と“ゲイツ愛”をあふれさせながら力説。さらに「(家族)みんなジオウが好きなのはもちろんですが、妻はウォズが大好き。ウォズとゲイツがやたらイチャイチャしているなって(笑い)。それを見るとニマニマしちゃいます。家族で誰推しかと言うのも楽しい」と笑顔を見せる。
仮面ライダー以外に子供の頃にあこがれていた“ヒーロー”は……という質問に、「『(仮面ライダー)ゴースト』にも出られていましたが、竹中直人さん。子供の頃から好きで最初に買ったCDも竹中さん。僕にとってはヒーローみたいな存在」と回答。「実際に(一緒に)お芝居させてもらったとき、『本物だ!』ってこみ上げてきた」と初共演時の心境を明かした。
今作で前野さんは織田信長を演じたが、「織田信長は非道で出世のためにはなりふり構わず行く、かつリーダーシップをとれるイメージがあると思う。テーマにも関わってきますが、実際の織田信長はどうなんだろうって」と前置きし、「僕にオファーが来たというので、ただ事じゃないだろうな、何かあるんだろうなとは思った。台本を読んだら、そういうことかと納得。信長のイメージに寄せる必要がまったくなかったので、自由にやらせてもらいました」と撮影を振り返る。
撮影現場では、「想像はしていたけど、どうしても気持ちを抑えきれなくて……。現場で写真撮りましょうとあまり自発的に言わないのですが、今回はどうしても撮りたかった」と前野さんは言い、「(撮影時に)子供の頃ライダーやヒーローショーを見て(気持ちが)上がっていたときの感覚が戻ってきたというか。もう終始、舞い上がっていました(笑い)」と“ファン”のような表情で語る。
劇場版の見どころについて、「織田信長という人物が、伝え聞いている話が真実とは限らないところが物語のテーマの一つにもなっている。過去、未来のことがしっかり描かれていて奥が深く、大人が見ても感じるものがある」と切り出し、「純粋にカッコいい! とにかくすごいとしか言えませんが、見たことないアクションもあったりしてカッコいい。信長よりも仮面ライダーを見てほしい(笑い)」とちゃめっ気たっぷりにアピール。
さらに、「RXモチーフの仮面ライダーバールクスなど、(歴代シリーズの)ネタも多いし、内容も衝撃的。いろいろ確認しながらもう1回見たいと思っていますが、とにかくいろんなことが起きます。ライダー(シリーズ)を見てきた人にはご褒美なんじゃないかなと。ものすごく熱い気持ちになります」と力を込める。
最後に「今後変身は……」と水を向けると前野さんは、「恐れ多いですよ。変身は見ておきたい。やっぱりカッコいい人が変身した方がいい。絶対そっちの方がいいです!」と冷静に話した。「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer」は「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」と2本立てで26日公開。
※注:田崎竜太監督の「崎」は「立つ崎」。
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