伊藤淳史:WOWOW新人シナリオ大賞ドラマで主演 妻役は木南晴夏

「ドラマW 今日、帰ります。」のキーカット
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「ドラマW 今日、帰ります。」のキーカット

 俳優の伊藤淳史さん主演で、「第1回WOWOW新人シナリオ大賞」の受賞作をスペシャルドラマ「ドラマW 今日、帰ります。」として3月10日午後10時にWOWOWプライムで放送されることが15日、明らかになった。伊藤さんはごく普通の銀行員を演じ、その妻役で木南晴夏さん、物語のキーパーソンとして夏木マリさんが出演する。

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 「WOWOW新人シナリオ大賞」は、優れたシナリオ作品の発掘と映像化、新人脚本家の育成を目的に創設された賞。第1回で大賞に輝いた圓岡(まるおか)由紀恵さんの「赤いトマト」を、「今日、帰ります。」として実写化する。俳優の山田孝之さんがプロデュースした映画「デイアンドナイト」(26日公開)などを手がけた藤井道人監督がメガホンをとる。

 ドラマは、妻の千佳(木南さん)と別居して1年たつ森田克博(伊藤さん)が主人公。克博は月1回、山梨にある千佳の実家に通っており、千佳からは「山梨で一緒に暮らしてほしい」と言われて困惑していた。そんなとき、銀行で“厄介なおばあさん”として有名な近藤波子(夏木さん)の担当になる。波子は克博にキツい言葉を浴びせるも、週末に山梨で義父の田端恒三(西岡徳馬さん)が営む農業を手伝うように提案。さらに克博が“家族と一緒に暮らすためにやるべきこと”が書かれたノートを手渡す……という内容。

 伊藤さん、木南さん、藤井監督のコメントは以下の通り。

 ◇伊藤淳史さんのコメント

 初めて脚本を読んだときに、登場人物の気持ちの揺れや家族の愛が丁寧に描かれていて、とてもいいお話だなと思いました。主人公が、周囲の人との出会いによって刺激を受けて、自分の間違いや「家族の大切さ」に気づいていく……という展開が面白いです。「こういう人って世の中にいるんだろうな」と思える身近な主人公だからこそ、いろいろな世代の方々に面白いと思ってもらえると思います。

 撮影では「虫」を触るシーンが大変でした。役柄と同じで、僕は虫が苦手なんですね(笑い)。でも、自然は子供にとって大切ですし、自分自身も子供ができてから虫が苦手な自分を嫌いだったりもするので、苦手な虫に挑戦するシーンは良かったなと思いました。「子供のために苦手なものを克服する、頑張る克博」に共感しました。

 藤井監督は、今まで一緒にお仕事をした中で一番若い監督です。年齢が近くて、勢いがある方で、現場でも本音でディスカッションできたのでやっていて楽しかったです。

 木南さんとの共演は約8年ぶりですが、明るい方なので雑談していても、お芝居していても楽しかったです! 夏木さんは本当にカッコよくてすてきでした。休憩中は、夏木さんが役柄の波子さんのように気さくにいろいろ教えてくださったりもしました(笑い)。西岡さんは義父と娘婿という間柄でドラマ上は壁がありますが、現場スタッフさんとも気軽にお話しなさる方なので、現場の雰囲気も和やかでした!

 失っていたものに気づく……というストーリーにグッときますし、藤井監督が生んだ世界観や映像がとてもきれいなので、多くの方々にご覧いただきたいです!

 ◇木南晴夏さんのコメント

 最初に脚本を読んだとき、やっぱり人生っていろいろと難しいなと思いました。この作品では誰一人悪人はいないのに、それでもうまくいかないことだらけで、家族と離れて暮らすことになったり、ある悩みを息子と一緒に抱えていたり。人間って繊細な生き物だなと思いました。演じた千佳と私は、何かあったときに1人で悩みを抱えがちなところは似ているかもしれません。家族や周りの人に頼ることに慣れていないのかもしれません。でも心のどこかでは助けを求めていて、気づいてほしいと願っているタイプですね。

 夫婦を演じる伊藤さんとは2度目の共演だったので、とても話しやすく、いい距離感で演じることができたかなと思います。ぶつかり合うシーンも良いものができたと思うので、演じていてとても気持ちよかったです。夏木マリさんのシーンはまるでジブリのような雰囲気や世界観で、その場面と私たちの生活部分のリアルな世界がどう交わるのか、私自身も楽しみにしています。そのような部分も楽しんで見ていただけたらと思います。

 ◇藤井道人監督のコメント

 たくさんの先輩方が手掛けてきたWOWOWの作品に参加できることに、興奮とプレッシャーを感じました。映像化までの道のりは決して平たんではありませんでしたが、伊藤淳史さん、夏木マリさんをはじめすてきなキャストと信頼できるスタッフのお陰で「現代における家族像」を一つ一つ丁寧に紡ぐことができました。

 映像化に際しては、劇的に描かないことに徹しました。本作は3.11によって家族になった夫婦と、家族を失った夫婦の物語です。

 「いつ何が起こるか分からない」時代だからこそ、今を一歩一歩生きることの大切さを再確認できる作品を目指しました。劇中で大きな事件や事故は起きません。でも、この作品の中でひたむきに生きる人々に何か感じてもらえたら幸いです。

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