内田理央:WOWOWドラマで初の本格刑事役 柔道を取り入れたアクションに苦労

「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」に刑事役で出演している内田理央さん
1 / 14
「連続ドラマW 盗まれた顔 ~ミアタリ捜査班~」に刑事役で出演している内田理央さん

 俳優の玉木宏さんが主演を務めるWOWOWの「連続ドラマW 盗まれた顔~ミアタリ捜査班~」に出演している女優の内田理央さん。ドラマは、芥川賞作家の羽田圭介さんの小説「盗まれた顔」が原作で、玉木さん演じる“見当たり捜査員”の白戸崇正が、群衆の中に4年前に謎の死を遂げた先輩刑事・須波を見つけたことから事件へと巻き込まれていく姿を描く。新米ながら抜群の記憶力で早々に実績を上げる天才捜査員・安藤香苗を演じている内田さんに、役作りやドラマの見どころ、理想の女優像、演じてみたい役などについて聞いた。

あなたにオススメ

 ◇初の本格刑事役に挑戦

 刑事役のオファーが来たとき、「サスペンスというかシリアスなドラマの出演が実はなくて。今回が初めてだったので、最初マネジャーさんから言われた時、『ついに!』って(思った)」と内田さんは喜び、「刑事役なので、台本を読む前はすごく緊張というかドキドキしていました」と振り返る。

 見当たり捜査班に異動したての新米刑事を演じるが、自身の役について「(他の登場人物と比べて)一番自由な役なので、最初に聞いたイメージとはガラッと変わり、めちゃめちゃ楽しみになりました」と話す。

 役作りについては、「いろんなことを考えたのですが、監督と相談して『あまり考えすぎずに楽しく思ったことをそのまま素直にやっていい』と言ってもらいました」と明かし、「ちょっと怖いもの知らずのように言うせりふがあり、どういう感じで言おうかなって。(同僚から)嫌われる役でもないので、(監督から言われたように)役を作り込みすぎず、新人として見るもの経験するものが新しくて好奇心にあふれ素直ということだけを意識し、自由にやらせていただきました」と説明する。

 ◇実は人の顔を覚えるのが苦手

 ドラマでは主演の玉木さんのほか、同僚の中堅捜査員・谷遼平を演じる町田啓太さんらと共演している。2人の印象を「イメージのままのお二人で、すごく真摯(しんし)でお芝居に真剣に取り組む先輩」と内田さんは表現。「役柄もですけど、私としても後輩みたいな気持ちで自然に(現場に)いられました」と感謝する。

 そんな2人と共に演じているのが、指名手配犯の顔を覚えて街中で捜し出す「見当たり捜査員」だが、内田さん自身は人の顔を覚えるのが苦手という。「定期的に会っている方なら大丈夫なのですが、まったくできないです。難しい」と苦笑い。「本当に得意じゃなくて。顔と漢字が苦手です。(漢字は)読むのも書くのも苦手なので、“ふりがなLINE”と呼んでいるのですが、友達から『これはこう読むんだよ』というのを送ってもらっています」と言って笑う。

 人の顔を覚えるのが苦手と話す内田さんは、「SNSで顔(の写真)がアカウントになっていて、名前が(本名)そのままだったらいいんですけど、みんなニックネームにしていたり、顔以外の画像を使っていたりで、もはや誰?みたいな感じ」と困っていることを明かし、「(顔写真と本名に)統一してほしい気持ちがあります。分かりづらいっていつも思っています」と持論を語る。

 ◇今後演じてみたい役は

 今作で内田さんは柔道を取り入れたアクションにチャレンジしているが、「まったく経験がなくて、今まですごく見てきたわけでもなかったので難しかった」と振り返り、中でも柔道の「形」に苦戦したといい、「本当に『道』って付く(のが分かるほど形は難しい)感じだったので、素人がちゃちゃっとやってできることじゃない」と実感を込める。さらに、「恐怖心もありましたが、今までまったく柔道をやってみようと考えたことがなかったので、貴重な体験ができてうれしかったけれど、苦戦というか今でも悔しい部分でもあります」と複雑な心境を明かす。

 2018年は話題を呼んだドラマ「おっさんずラブ」や映画「あのコの、トリコ。」や「ここは退屈迎えに来て」など多くの作品に出演した内田さん。「理想の女優像は?」と尋ねると、「いろんな役ができて男女ともに好かれる、いい意味で媚びないような感じ」と語った。今、演じてみたい役は? 「職業だったら刺客。めっちゃカッコいいと思います」と意外な答えが返ってきた。

 理由について、「日本だったらくノ一のように、屋根裏に潜んでいるみたいなイメージで、憧れがあります」と笑顔を見せ、「黒幕じゃなくて、依頼が来たら……というフリーの刺客」と世界観を話し出した内田さんに、「『ゴルゴ13』のようなイメージ?」と聞くと、「まさにそうです! そういう役をやってみたいです」と目を輝かせた。

 ◇一番自由な役

 今作の見どころは、「私自身、現場にいて一歩下がってしまうような気持ちになったシーンがいくつかあり、今回ならでは」と演じながら重厚感を感じたと明かし、「その場にいてそう感じられ、うそなく芝居ができたというのがうれしかった」と笑顔を見せる。

 自身の役の注目ポイントについては、「いつも好奇心で何を起こすか分からないという一番自由な役。香苗によっていい方向に行くのか悪い方向に行くのか楽しみに見てほしい」とメッセージを送った。

 ドラマは、WOWOWプライムで毎週土曜午後10時に放送中。全5話。12日午前8時から第1話を無料再放送。

 (取材・文・撮影:遠藤政樹)

写真を見る全 14 枚

テレビ 最新記事