ダンダダン
第5話「タマはどこじゃんよ」
10月31日(木)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、藤田和日郎(ふじた・かずひろ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「からくりサーカス」です。ツインエンジンの和田翔太プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。
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原作は、1997~2006年に「週刊少年サンデー」(小学館)で連載されていました藤田和日郎先生の少年マンガです。父親の事故死によって、莫大(ばくだい)な財産を相続した少年・才賀勝が、遺産を目当てにした殺し屋たちに命を狙われます。そこで、中国拳法の使い手である青年・加藤鳴海と人形を操る謎の銀髪少女・しろがねの2人と出会い、世界を巻き込み、時代を超える壮大な運命の歯車を動かしていきます。
個性豊かなキャストたちが、次々と舞台に登場してきます。ぜひ、ポップコーンを片手に、サーカス舞台を見るような気分になって作品をご視聴いただけますと幸いです。
アニメ化を発表させていただいた後、さまざまな方から「からくりサーカス楽しみ!」というお言葉をいただきました。頑張らなければと思うと同時に、よくよく聞いてみると「面白い!」と思う要素が人によって少しずつ異なっていると感じました。泣き虫勝の成長物語として楽しむ人もいれば、真夜中のサーカスから始まるミステリー要素を楽しんでいる方もいるという具合です。たくさんの楽しみ方が詰まったエンターテインメントである本作を、どのようにアニメーションとして作り上げていくのかという点は、全員の共通の悩み、心がけたことだったと思います。
そんな中で、本作のシリーズ構成を進める際、最初に藤田先生から36話の構成案をいただきました。その構成案を、西村(聡)監督や脚本家の井上(敏樹)さんと共に、アニメで描くにはどうするべきか、すごくすごく悩みながら最終的な構成を固めていきました。例えば、第5話で勝としろがねが学校に通うお話がありますが、ここは最初の構成にはなかった部分でした。ですが、井上さんのご助言もあり、成長した勝と保護者のようなしろがねを見られるメリハリあるシーンを表現することができたかと思っています。
アニメ「からくりサーカス」をたくさんの方に楽しんでいただくためにはどうするべきか、チームの全員で粘り強く探しました。原作者として、またチームの一員として作品に参加いただいた藤田先生、作品のリーダーである西村監督、全力投球で制作に臨むスタジオヴォルン、すべての方のお名前を挙げると文字数が足りなくなってしまうのですが、とにかく全員でアニメ「からくりサーカス」を形作っていきました。この記事を書かせていただいている時もアニメは絶賛制作中ですが、日々チーム全体が作品に溶け込んでいくような、なじんでいくような、そんな感覚を感じています。
プロデューサーとしての業務では、まずは作品をたくさんの人に楽しんでいただけるようにお届けするのが大切だと思っています。それは映像としてのアニメーションはもちろんですが、例えば、電車でふと作品グッズを持った人を見かけたり、あるいは雑誌を見ながら作品のことで談笑する方々に出会ったり、そんな日常のワンシーンを見ることができた日は、とてもうれしく思います。
プロデューサーの職務という点では、制作費を回収し、携わる全ての方々に利益をお返しすることも、私の使命だと思っています。そういう意味では、本作は多くの方とお話しすることができ、お声がけもいただきますので、ここからより一層の努力をしていかなければと気が引き締まる思いです。
物語は、さまざまな謎を追いながら、ゾナハ病(発作で激しい呼吸困難に陥り、近くの人を笑わせると症状が緩和する病)の病原体「銀の煙」をまき散らす集団・真夜中のサーカスを追いかけていきます。第4話で別れた勝、鳴海、しろがねの3人が、これからどのようになっていくのか。一つの壁を乗り越えると、次はさらに大きな壁が立ちふさがる。それでも、あきらめずに歯を食いしばって前に進む3人を、応援しながら楽しんでいただければと思います。
鳴海、勝、しろがね。そして物語を動かすたくさんのキャストたちは、アニメ「からくりサーカス」という舞台の上から、本作ならではのエンターテインメントを皆様にお届けいたします。原作を最大限尊重しつつ、どうやってアニメーションにしていこうかという悩みを、チーム全員がしっかりと抱えながら作品に向き合っています。アニメーションとしての「からくりサーカス」、監督をはじめとしたチーム一丸となって、全力で描いてまいりますので、最後まで鷹揚(おうよう)のご見物をよろしくお願い申し上げます!
ツインエンジン 企画プロデュース部 プロデューサー 和田翔太
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