吉田鋼太郎:「おっさんずラブ」で“ヒロイン感” 乙女な演技は「気持ちいい」 

ドラマ「おっさんずラブ」に出演する吉田鋼太郎さん
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ドラマ「おっさんずラブ」に出演する吉田鋼太郎さん

 男同士の恋愛を描く異色のラブストーリーが展開する連続ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系、土曜午後11時15分)。女好きだがモテない33歳の主人公・春田創一(田中圭さん)に思いを寄せるおっさん部長・黒澤武蔵を演じる吉田鋼太郎さんの“乙女”ぶりが話題だ。思い続けた部下の春田に愛を告白し、“キャラ弁”を手作りするなど、ぐいぐいと迫る。時に可愛くさえ見えてくる“ヒロイン感”はどこからくるのか。振り切った“乙女な演技”は「気持ちいい」と語る吉田さんに話を聞いた。

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 ◇「ヒロインにならなきゃ」と自らを鼓舞

 「おっさんずラブ」は、主人公の春田が、乙女なおっさん部長と、イケメンな後輩の牧凌太(林遣都さん)から迫られる異色作で、2016年12月に深夜の単発ドラマとして放送され、好評を受けて連続ドラマ化された。吉田さんが演じるのは単発ドラマに続き、男を好きになってしまったピュアすぎる乙女心を隠し持つおっさん部長という役どころだ。

 これまでさまざまな役を演じてきた吉田さんだが、「自分の中にボーイズラブの要素は全く無いので、それを表現できるかどうか」という不安もあり、出演オファーには「二の足を踏んだ」という。それでも「自分の中に全く要素が無い人を演じることは面白いことかもしれない。なかなかない機会じゃないか」と考えて出演を決めた。

 劇中では、「はるたんが、好きでええっす!!」と“音が割れる”ほどに愛を叫び、病院に搬送された春田が無事だと知った時には抱きついて大泣きし、つぶらな瞳で見つめる……。吉田さんは「はるたんとのシーンは一生懸命自分を鼓舞して、ヒロインにならなきゃヒロインにならなきゃと頑張っている」と明かし、演じるのは「気持ちいいですね」と笑う。

 “恋する乙女”のようなキャラクターについては「参考というのは特にないですけど、『ローマの休日』のオードリー・ヘップバーンからはじまり、いろいろな映画やテレビでのこれはと思った女優さんの表情っていうのはなんとなく覚えているので、それを思い出してやっているようなところがあるのかもしれないですね」と思いを巡らせる。

 ◇田中圭&林遣都の仲に嫉妬 「なんか変な気持ちに…」

 共演の田中さんについては「単発でも共演して、なんて受け芝居がうまいやつだと思った。今回も体全身使って受け芝居してますからね。あれはスゴイ」と絶賛。3度目の共演という林さんについても「あいつはいつも本気。内なる狂気みたいなものがあって、静かに煮えたぎっている。それが今回ぴったりなんですよね。何しでかすか分からない感じが。1話の最後で(田中さんに)シャワールームでキスして、”あのセリフ”を言える役者はなかなかいないですよね」と笑う。

 また、劇中では田中さん、林さんと“三角関係”になっているが、吉田さんは「田中圭君と林遣都が、このドラマで初めて知り合ったくせに、すごく仲良くなって、しょっちゅう飲みに行っているらしいんですよ。その話を聞いたときに、不思議なんだけど、ちょっと嫉妬してしまった」と告白。「『えっ! 圭君なんで?』『おい、遣都ふざけんなよ』って。普通は思うはずないんですけど、なんか変な気持ちになって。このドラマを撮っている影響なのかな(笑い)」と明かす。

 ◇自身も弁当手作り 10年後は…

 プライベートでは2016年に22歳年下の女性と結婚。出会いからプロポーズまでは「2カ月」というスピード婚だったが、自身は武蔵のようにぐいぐい迫るタイプではないという。
「ぐいぐいいくように見られがちなんですけど、いけない。格好つけちゃうので。ガンガンこられたんですね。結婚までの線路は家内が敷いてましたね」と明かす。

 劇中では春田に手作りの"キャラ弁”を差し入れるシーンもあったが、吉田さん自身も料理好きで、「弁当は時間があると作りますよ。奥さんに作ってもらうより、作りたい。例えば(夫婦)2人でどこかハイキングに行くとか、ドライブに行くときだったら自分で作ってます」。自身の“乙女な部分”を聞くと「どっちかというと男らしくない方。アウトドアよりインドアだし、料理も好きだし、あんまり男っぽくはないですね」と語る。

 現在59歳。自身の10年後について聞くと「自分が本当に思っていること、やりたかったこと、やりたかったお芝居だけをやるようにしていかないと、最終的に俳優人生が全うできないと思う。最後までうそついて終わっちゃったなあでは。もちろん、ある意味で芝居ってのはうそつくことだし、それでいいのかもしれないけど、誠実に演技をしている俳優になっていたいですね。年相応に」と冗舌に語る。さらに「時代劇の戦国武将で主役をやってみたいですね。時代劇自体が少ないです。子供のころから好きな武田信玄がやりたい」と目を輝かせていた。

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