人気グループ「TOKIO」の山口達也さんが強制わいせつ容疑で書類送検され、起訴猶予処分となったことを受けて、山口さんを除いたリーダーの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さん、長瀬智也さんが2日、東京都内で会見を開いた。会見の詳細は以下の通り。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
――松岡さんから解散という言葉も出ましたが……。
松岡さん:そういう甘えのあるグループならやめたほうがいい。解散という言葉を出せばよかった。彼が辞表を出したとき、彼が僕の立場だったら会社に(辞表を)出せるのか、「それはずるい」と言いました。(涙声)
――山口さんは25日に「戻れる場所があれば……」とおっしゃって30日に辞表を出したということで、数日の間に心境の変化があったということですね。
城島さん:彼はああいう泣き言いわないタイプ。男気があって、「山口くん、山口くん」と長瀬が小学生のころから頼られていた。会見で見せたああいう甘えは、さすがに信じられなかった。
今回露呈したのが山口の人間としての弱さ。そういう部分が正直見たことがなかったので、びっくりしました。彼はTOKIOメンバーの励みでもあった。5人は家族友人以上のもの、助けを求める心の声に気づかなかった。人としての甘さとか。
「こんなことあったらやめるしかない」と思ったのだろう。責任感あるやつなので。この会見を多分本人も見ていると思うが、そうだと信じている。
――ジャニー喜多川社長と直接、話はされましたか。
城島さん:仕事があって、電話を入れました。ちゃんと言ってなかった部分もあったので、事の経緯を伝えたいと。留守電になっていて、折り返しかかってきた。とにかく心配していた。「どうした、大丈夫なの?と。君たち50歳近い人間の集まりだから、明日会見なんだろ、頑張れよ」と励まされました。
――グループの存続についても何か話されましたか。
城島さん:山口が辞表を出したことは伝えました。4人のメンバーは答えが出なかった、と。辞表は預かっている。答えを待ってくれませんかと伝えて、「分かった」と。
――城島さんは1人欠けることがあれば芸能界から去るとおっしゃっていたこともありましたが。
城島さん:結成してからリーダーの責任においてTOKIOを継続していくことが務めと思って言ってきました。自戒の念、自覚も込めてそういう言葉を言ってきた。リーダーとしての責任においてどうすべきか。グループとしての仕事もありがたく継続していただけると言っていただいた。山口はどうなるか分からないが、TOKIO頑張れという声がある限り、周りにこれ以上迷惑はかけられない。リーダーとしてこれ以上迷惑はかけられないというのが実情です。
――福島の野菜、復興について今後どうお考えか教えてください。
城島さん:TOKIOにとって、心のふるさとである福島の皆さんに対してなんておわびしていいのか(感慨深げ)。裏切る結果になって本当に申し訳ないです。これまで以上にメンバーで頑張っていくしかないかという気持ち。はってでも、何してでも頑張っていくしかないという思いです。
松岡さん:あれだけ大変な思いをされた福島の皆様。僕らが応援、番組でもお世話に、感謝してもし切れない。その方たちの顔に泥を塗ってしまう結果になってしまった。まず、この4人でしっかり行動できることがあれば、僕らにできることがあればやらせてください。
長瀬さん:こういうような形で裏切るような形になってしまったことが申し訳ない気持ちでいっぱい。復興に対してもいままでと気持ちは変わらないが、考えていく任務があると思っています。
国分さん:個人的にも、タレントとしてでなく福島の皆さんに成長させていただいたと思っている。グループで応援できなくなっても、個人個人で応援することをやっていきたい。福島の野菜は何も悪いことしていない。野菜の信頼回復のためにも福島を応援していきたい。
――退職願はTOKIOをやめるのでなく事務所を?
城島さん:事務所をやめる、と。書いたことがないので書き方の正解が分からないと言っていた。
――被害者に対して4人はどういう思いですか。
国分さん:実際に会って謝罪したい。被害者の方が会ってくれるかは分からないけれど。
――ジャニーさんが昨日、コメントを出されましたが、そのことについて。
松岡さん:(ジャニーさんは)親ですから親にそんなコメントを出させるのは情けない気持ちです。
城島さん:怒られるものと思っていたらどうなっているのと。久しぶりに社長の声を聴いた。デビューから時が流れて、まだ心配させているんだこのグループは。申し訳ない気持ちです。
長瀬さん:こういう形でコメントいただいて申し訳ない気持ち。いろいろ思うこと、考えることもあるが苦しくもありがたく。
――この1週間さまざまな思いがあったと思いますが、どんな1週間でしたか。
城島さん:何がどうなっているのか。(山口さんの)会見では警察の(捜査の)結果が出ていない部分あって話せないこともあった。会見くらいの情報しか自分も分からず、スポーツ紙、(自分が出ている番組の)ゲストコメンテーターからもいろんな意見、叱咤(しった)激励、批判をいただいた。自分の番組で自分のグループのことを伝えなければいけない。皆さんの横顔を見ているのがつらかった1週間でした。
松岡さん:被害に遭われた方と親御さんはどういう気持ちなのか。自分だったら絶対に許せないと思います。テレビを見てこういう状態になっているということを自分の中で整理しながら。僕らを知っている人たちのコメントを聞いて、申し訳なくありがたい気持ちだった。後輩もこんな情けない先輩を持って申し訳ない。
長瀬さん:事態を知ってそのまま次の現場に向かって、次の日に海外で仕事。(山口さんの)会見を見てから空港に向かい、同行するスタッフに謝罪した。現地で撮影しながらいろんな報道を見させていただきながら、さまざまな気持ちになりました。帰ってきてこういう事態になって初めて5人で会って、整理ができないままものごとが進んで、太一君とか見ていて、隣にいられないことが苦しくなった。4人バラバラだったと思うんですけど、同じことを考えていたような気がします。
国分さん:複雑な気持ちがたくさん出てきた1週間だった。アドバイスもらったり、逃げ出したくなることも。今やっている仕事は逃げてはいけない仕事だと思っている。ひっくるめてこれが今のTOKIOなんだと思っています。複雑ではありますけれど。いろんなことを考えさせられた1週間。被害に遭われた方、ご家族についても考えていきたい。
――音楽活動は?
長瀬さん:僕らは23年間バンドでやってきましたが、一つの音がなくなってしまうということはそういうこと(音楽活動できない)なんだと思います。TOKIOの楽曲は彼の音がないとまったく形にはならないので、今そういう状況でこれからゆっくりと考えながらやっていきたいと思っています。
国分さん:去年から25周年に向けて考えてきた。アルバム製作、いろんなこと考えたが、すべての音楽活動は白紙に戻して、向き合えることをやっていきたい。
城島さん:もともとTOKIOは88年か89年に山口と私が出会って音楽をやってきました。音楽がベースにあるのは間違いない。バラエティーとかに出していただいてきましたが、音楽活動は白紙ですね。断腸の思いですが。被害に遭っている方がいますので向き合っていきたい。
松岡さん:ファンの方々がそのことを一番気にしていたし、その声は届いていました。アルバム制作、25周年のライブ、喜んでもらおうと思っていろいろ考えていたんですが、本当に申し訳ございません。
――被害者には仕事を通じて向き合って謝罪していきたいとおっしゃっていますが、具体的には?
城島さん:まず、メンバーで謝罪会見をと。これがふさわしい会見なのかと葛藤もありましたが、連帯責任だと。実際に(被害者の方に)謝りにいくのかどうかも含めて、話し合っていきたいと思っています。まずはとにかく会見を開かせていただいた。自分たちにできることをやりたいと思っています。
――記者会見を終わります。
(全員立ち上がってマイクなしで)本当に申し訳ございませんでした。(10秒ほど頭下げる)