人気グループ「TOKIO」の山口達也さんが強制わいせつ容疑で書類送検され、起訴猶予処分となったことを受けて、山口さんを除いたリーダーの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さん、長瀬智也さんが2日、東京都内で会見を開いた。会見の詳細は以下の通り。
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――山口さんが辞表を出されたときのことをもう少し詳細に教えてください。
城島さん:(4月)30日の夜7時ちょっとだったかなと思いますが、やっとそれぞれのスケジュールが合い、やっと調整がとれて5人集まれるとなりました。その時間が7時過ぎだった。5人で話そうと。何があったのか、事件発覚以降、5人が集まっていなかったので。山口がいろいろあって会えないのはもちろん、(ほかの)4人も会えていなかった状況でした。
誰も入ってこない場所で、5人だけの時間をとらせていただきました。2時間くらい、事の経緯と謝罪。私たち4人も聞いていないことも多かったので、ことの経緯はおおむね謝罪会見と同じことでしたが、メンバー同士の口調で話しました。「どうしようか」「腹を割って話そう」となったとき、本人は会見のときも泣いていましたが。その涙も枯れ果て、憔悴しきった状態で(現場に)来たんですね。自分の中で思っていることもあるんでしょう。土下座して僕たちに謝罪してきたんです。山口が、かばんから1通の封筒を出してきました。テーブルの上にティッシュの箱があったので、「まあ、(涙を)拭け」という形でぱっとさし出したんですけど、ぱっとかばんから封筒を出してきて、そこに「退職願」と書いてありました。責任をとってTOKIOをやめますと。
どう責任をとるのか。解散なのか、即刻解雇だとか、無期限活動停止とか、いろんな意見がございましたが、男として筋を通さないのかという部分があった。謝罪の中で封筒が出てきて、正直、メンバー全員、言葉が出なかったのは確かです。今後どうしていこうかという話し合いの中で、その日はそういう答えが出るのか分からなかったです。
辞表が出た時点で、答えが出なくて、今できることは何だろう、まず謝罪じゃないか、謝罪をさせていただけるなら、お時間をとっていただいて、そこからこれからのことを考えていくしかないと、それしかないだろうということになったわけです。
――辞表は預かっている状態ということですか。
城島さん:はい、それは私がリーダーとして。メンバーの前で出したんですけれど、事務所宛てだったんですが、私が預かっております。
――先ほど松岡さんが、私見だが甘えがあるならTOKIO解散も、とおっしゃいました。そのことはその場でお話しになりましたか。
松岡さん:もちろん言いました。本人は「自分がいるからTOKIOに迷惑かけるのが嫌なので、やめさせてくれ」と言いました。本来「そうだね」って言わなきゃいけないところなんでしょうけど、生まれて初めて辞表を見ましたし、30年、一緒にいた男のそんな姿を初めて見たものですから、何も返す言葉もなく……。自分が思ったことは彼に伝わっていたんだと思いましたし、彼だけじゃなく、他のメンバーにもそう言いました。それがけじめだと思ったものですから。ことがことなので。TOKIOはよくも悪くも皆さんに信頼していただいていた部分が多々あって、特にあの男のキャラもあったと思う。そのショックはとんでもないものだった。申し訳ないですけど「リーダー、持っていてくれ」という形にしています。
――皆さんで話をしたときに山口さんが土下座してわびたということですが、皆さんはどんな言葉をかけられましたか。
城島さん:直接言葉というか、会見を通じてメンバーに対してどう思うかという思いを聞いていた。月曜日の夜、どういうことを言ってくるか、自分からというより向こうから何を言ってくるかを待っていた。
まず謝罪があって、事の経緯の説明、何か言葉をかけるというより、他のメンバーも事件発覚から5日間、何を言っていいか分からない形で聞いていた。口火を切った私自身が覚えていないくらいですが、実際これからどうする、これから何ができるかということしか考えていなかったのが事実です。
松岡さん:謝罪は僕らにじゃない。被害者の方にと。TOKIOは二の次三の次でいい。「正直あなたは病気です。酒は悪くない、悪いのは彼なんです。改めてもらわない限り俺たちは何もできない。まず自分と向き合ってくれ。彼の謹慎はそれが終わってから。じゃないと僕らは受け入れられない」と言いました。
長瀬さん:彼が出した辞表を見たとき、23年以上一緒にやっていましたから、いろんなことが頭をよぎりました。それから、彼が僕らに「会社に出してくれ」と言ってきたので、今もリーダーが預かっているという状況ですね。
――長瀬さんから言葉は?
長瀬さん:そうですね。信じてますし、信じてましたし。もちろん、裏切られてしまったような気持ちもあるんですけれど、とにかく今は被害者の方、ご迷惑をおかけした皆さんにできることはまず反省であったり、そういうことなんだろうと思うという言葉は伝えました。
国分さん:山口が現れたとき、かなり憔悴している感じだった。そんな中、今、山口はTOKIOの心配をするのではなく、どうやって自分と向き合っていくのか、そういうことをしっかり考えてくれ。被害に遭った方のこと、自分と向き合うこと、そういうことしっかりやってくれという言葉を伝えました。
――山口さんからの言葉は?
城島さん:謝っても謝り切れないと申しました。山口が引き起こした要因は酒のせいではなく、彼自身のせい、人間としての甘さ、弱さ、今回不起訴になりましたが罪に関しては消えることはない。記憶にはずっと残ることだと思っています。メンバー自身もしっかり向き合っていきたい。メンバーの彼に対する甘さもあったのではないかと思っています。
――東山紀之さんがお酒のことで注意したことがあると言っていますが、皆さんは?
城島さん:現場で酒のにおいして、ロケがうまく進まないこともあった。46歳だからあえて言わなかった。仕事が終わったあとに「(仕事がうまくいかず)今日はごめん、申し訳ない」と言ってくることもあった。メンバーそれぞれ、もっと彼とぶつかり合って注意していればよかった。
松岡さん:彼が言っていたのは「昔から、何度も何度も同じことをしてしまった。それで迷惑かけてきたこともある」と。そういうことを言われるとまた「次もやるな」と僕らは思うので、どうしたらそういう方向にもっていかないようになるのかと。
正直、僕らは山口はアルコール依存症だと思っていた。でも、診断書にも依存症と書いてない。そうやって書いてくれたら僕らも助かるが、それは彼の甘さが原因だった。
――TOKIOとしての活動、どうするのがベストだと思いますか。
城島さん:自分たちで言えることでないというのが本音。それぞれいただいている仕事を責任持ってやっていかなければならない。4人はプロとしての責任もある。誠心誠意きちんと応えて信頼回復に努めたい。もう一度一生懸命やっていくしかない。
松岡さん:プロとしてお仕事をしっかりやること。仕事をいただけているうちはしっかりとやる。それを見て4人のままで「TOKIOじゃないね」と言われたら、しっかり考えていきたいと思います。
長瀬さん:本人も自分の甘さに気づいている。信頼が欠けてしまっているというのも事実。信頼できるように、彼はやらなくてはいけないことをしっかりやっていってほしいなと思いますし、自分たちの個々の仕事をやらさせていただいていることもありますので、今はその仕事を一生懸命やるということを考えています。
国分さん:大きな事件がありながら、TOKIOとして継続するという仕事もある。4人でしっかり前を向いて歩んでいく。4人がやっていく仕事、僕たちがあれこれ言う権利はない。山口に対しても冷静ではない。4人でも(意見は)割れている。長く続いてきたからこそ、辞表を受理したとしても(山口さんは)頑張ってきたやつだと思っている。どんな形であれ、彼が自分と、被害に遭った方とどう向き合うのかに責任があると思っている。
――2月に起こった事件をメンバーに話していなかったことについては?
城島さん:2月のときに友人を呼んで、時間が流れて、いろいろあったがわれわれに言わなくてはいけないことに本人が気づいていなかった。事情聴取や手続きある中で事務所に話がいって、怖かった、不安な部分もあったとわれわれには言っていた。だからといって、(話をしないのは)それはないだろ、と。時は戻るわけではない、なんともやるせない気持ちになったのは事実。会見の口調などを見ていても、隠ぺいしようとしていたというようには思えませんでした。
――3月に聴取が始まってからもまったく報告がなかったんですね。
長瀬さん:冷静に(事実を)のみ込めていない自分がいたのでは。怖くて言えなかったと言っているのも耳にした。そういう精神状態で仕事をしていて、メンバーである自分たちが異変に気づけなかったのか、悔しい思いがあります。
国分さん:番組収録で4人で着替えているときにマネジャーから初めて聞いた。なぜ教えてくれなかったのか。相談できるような空気を作れなかったということもあったのかな。
松岡さん:事務所、メンバーになぜ言えなかったのか。気づかない間にそういう空気を出してしまっていたのか。会見では捜査中で(詳しいことは)言えなかったと言っていたが、「起きたら(女性たちはもう)いなかった。帰ったあと、そのままにしていた。ある日突然刑事さんが2人来て、3回事情聴取を受けた。その時点で事務所はメンバーに言ってくれなかったのか……恥ずかしい話、僕もクエスチョンです。(事実を隠した)そういう気持ちでテレビに出ていたのか。逆の立場なら僕にそのメンタルはないです。