DeNA、創通、文化放送などが、合同でオリジナルアニメを制作するプロジェクト「Project ANIMA(アニマ)」。DeNAが運営するマンガサイト「マンガボックス」や小説サイト「エブリスタ」などで、プロ、アマを問わず原作を募集し、2020年に3作品のテレビアニメの放送を目指すプロジェクトで、このほどMBSの参画が発表された。ブルーレイディスク(BD)やDVDなどが売れなくなってきたという声も一部あり、アニメ業界が変化する中で、なぜ企画を立ち上げたのか……。DeNAの上町裕介プロデューサーとMBSの担当者に聞いた。
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「Project ANIMA」では、DeNAが主幹事となり、創通が権利運用、文化放送がメディア展開を担当する。第1弾は、「SF・ロボット」をテーマに原作を4月15日まで募集している。「マクロス」シリーズなどの河森正治監督が参加し、サテライトがアニメを制作する。第2弾のテーマは「異世界・ファンタジー」で、「とある魔術の禁書目録」などのJ.C.STAFFが制作。第3弾は「キッズ・ゲームアニメ」がテーマで「ゆるゆり」などの動画工房が制作する。応募フォーマットは、小説、脚本、マンガ、イラスト、動画など。
サテライトなどはいずれもアニメファンなら知らない人はいないであろう有名なアニメ制作会社だ。MBSの担当者は、この座組に「本気度に驚いた」といい、上町プロデューサーは「しっかりした土壌の企画でなければ、応募するクリエーターに失礼」と話す。
深夜アニメは、毎クール40本以上の新作が放送され、似たような作品も多い……などという声もある。上町プロデューサーは「応募作を見ていると、ヒット作をなぞっているものもあります。なぞれば、いい作品が生まれるかもしれませんが、本質はそこなのか?とも思う。例えば、中学生の頃に最強のキャラ、ストーリーを考えたりしますよね。それが創作の原点だと思うんです。まだまだ意外な発想が眠っているかもしれない」と話す。
MBSの担当者も「アニメをずっと生業にしていると、経験を積んでいく強みはありますが、知らず知らずのうちに、好まれそう、ヒットしそうと右脳で考え、計算してしまうところもある。そういう方程式が崩れるタイミングが数年に一回ある。そもそも方程式が幻想なのかもしれませんが……。もっとわがままな妄想がダイレクトに伝わるものから、すごい作品が生まれるかもしれない」と考えているという。
「Netflix(ネットフリックス)」など動画配信サービスがアニメに注力するなど、アニメ業界は変革の時を迎えているとも言われている。同プロジェクトでは、2年後の20年にテレビアニメ3作品の放送を目指しているが、2年後にアニメ業界は大きく変化しているかもしれない。上町プロデューサーは「2020年以降のビジネスがどうなっているか分かる人はいないと思う」。MBSの担当者は「その辺りは、いい意味でざっくりしている企画」と話し、面白いコンテンツを作ることができれば、ビジネスモデルは時代の変化に合わせて柔軟に考えていくようだ。
全国で企画の持ち込み会も開催中。上町プロデューサーは「直接、企画を見ると熱量を感じる。中高生もいれば、60代の持ち込みもあります。想定くらいの数が来ている」と手応えを感じている様子だ。未知の才能、アイデアが発掘され、20年以降のアニメ業界を席巻する作品が生まれてくるかもしれない。
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