俳優の内野聖陽さんが、来年3月に2週連続で放送されるNHKの特集ドラマ「どこにもない国」で主演を務めることが1日、明らかになった。終戦後、旧満州に取り残された150万を超える日本人の帰国を実現に導くため、我が身を捨てて奔走する主人公・丸山邦雄を演じる内野さんは、「ことさら勇者でもない、なんでもない市井の人間が織りなす一大冒険物語になるように、リアルに生々しく、深い思いを持って演じ切りたいと思っております」と意気込んでいる。
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ドラマは、ソ連占領下の旧満州が舞台で、国家から見捨てられた同胞を故郷へ帰すための男たちの命がけの戦いと、それを支えた妻たちの愛を、中国ロケも交えて壮大なスケールで描く。強い意志と愛情で子供たちを守り抜く丸山の妻・万里子を木村佳乃さん、丸山から誘われ同志となり、行動力と資金力で脱出行を支える新甫八朗を原田泰造さんが演じ、蓮佛美沙子さん、満島真之介さん、片岡鶴太郎さん、萩原健一さんも出演。脚本は内野さん主演で2007年に放送されたNHK大河ドラマ「風林火山」の大森寿美男さんが担当する。
内野さん演じる丸山は、政治学を学ぶため大学卒業後、米国に留学し、研究者を志すが、軍国主義下の言論統制に嫌気が差して、満州に新天地を求めて、鞍山にある満洲製鉄に勤務。終戦後は同胞の窮状を見かねて、満州脱出を計画する……という役どころ。
また丸山は、名著「ユートピア」に感銘を受け、理想の実現のためにたゆまず努力することを信条とし、内野さんは「日本が敗戦したころ、満州でこんなにも悲惨な状況が起きていたことを私は知らなかった。そしてその惨状を救うべく立ち上がった男たちがいたことも」と明かしつつ、「大きな歴史のうねりや大国の前で、個人の力は小さいかもしれないが、行動に出た丸山という男の正義感や意志力、そして、夢や理想に、とても元気をもらえる作品だと思います」と話している。
特集ドラマ「どこにもない国」は、NHK総合で2018年3月24日、31日午後9時から放送。
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