ダンダダン
第5話「タマはどこじゃんよ」
10月31日(木)放送分
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」シリーズの第2章「発進篇」が、24日から劇場公開される。「宇宙戦艦ヤマト」のリメーク版「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編で、「2202」は新キャラクターとしてガミラス帝国地球駐在武官のクラウス・キーマンが登場。名前の通り、作品の“キーマン”となるキャラクターを演じるのが人気声優の神谷浩史さんだ。神谷さんに「ヤマト」への思いや第2章の見どころを聞いた。
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――第1章「嚆矢篇」に参加して感じたことは?
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に関わらせていただくにあたって、前作「宇宙戦艦ヤマト2199」は全話拝見しました。もちろん、「2202」から見始めても十分に楽しめる内容になってはいますが、「2199」を見たことでキャラクターの関係性などを把握した上で作品に入ることができ、とてもプラスに働きました。
第1章「嚆矢篇」第1話の冒頭の戦闘シーンは“変態的”と言っても過言ではないくらいすごかったです(笑い)。相当こだわって制作されていることをひしひしと感じました。そもそも完全新作としてリメークした「2199」のさらにその続編を制作するというのは、かなりハードルが高いことをやっていると思うんです。その意気込みみたいなものが第1章では映像からも感じられたので、劇場まで足を運んでよかったなと思いましたね。
――歴史ある「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに出演するということで意識したことは?
誰もが知っている作品であったとしても、関わり方が他のアニメーションと大きく変わることはありません。ただ、やはり「誰もが知っている作品」ということ自体が、まず他の作品と大きく違うところではあるんです。ですから、僕より年齢が上の方は「ヤマト」のことをよくご存じで、上映前にもかかわらず、ここまで周りの方の反応が大きかったのは、今まで自分が携わってきた作品ではなかったことだったので、改めて「ヤマト」という作品の大きさを実感しましたね。ただ、アフレコに関しては、そこまで気負い過ぎることなくやっているつもりです。
――第2章「発進篇」のアフレコに臨むにあたって考えたことは?
第1章の時に(シリーズ構成と脚本を担当する)福井(晴敏)さんと羽原(信義)監督からキーマンというキャラクターについての話をうかがって、それを踏まえた上でキーマンという役の声を演じさせていただいています。僕個人としては、キャラクターの根幹に関わっている部分がブレないように演じていけば問題ないだろうと思っています。第1章をご覧になられた方なら分かっていただけるのではと思いますが、キーマン自体が何を考えているのかよく分からないんですよね(笑い)。具体的にこういうことを考えていますという明確な意図を持って演じるのが一番だとは思いますが、全てのせりふにおいてそれを成立させるのは難しいです。
もちろん、そういう意図が必要な場面に関しては監督や音響監督の方に確認した上で演じますが、そうではない部分に関してはおそらくこの方向だろう、というくらいのバランスで演じさせていただいています。キーマンの意図を細かく伝える必要はないと思って演じているので、ご覧になっている方が「なんだろう、コイツ?」と思ってくれていたら正解かな、と。
――第2章「発進篇」までキーマンを演じられてみて、最初に感じていたキーマンの印象と変化したところはありましたか。
今のところ、そんなにないですね。唯一、キーマンの上官であるバレルとの関係は気を付けなければいけないところかなと思っています。キーマンとバレルが2人きりで出ているシーンは、他とはちょっと雰囲気が違って見えるように意識して演じています。ただ、それは僕個人で判断している部分なので、果たして監督の意図と合っているのかは確かめていないんですけれど……(笑い)。
「ヤマト」という原作があって、福井さんのシナリオがあって、監督が画にして、それに僕が声をあてるというように、いろいろな要素でアニメーションは作られているので、そこは僕が足してもいい要素かなとは思っています。今のところ、キーマンは自分が想定していた人物像から大きくブレてはいないので、変化が見えるとしたら、この先もっとこの物語が展開していった時かな?と思っています。
――キーマンの人物としての魅力はどこにあると感じていますか。
正直あまりよく分からないですね。これはキーマンに限ったことだけではなく、作品に関わっている渦中において、このキャラクターにはどんな魅力があるのか、あまり考えないようにしています。そういうことを分かった上で演じてしまうと、自分はどうしてもあざとくしてしまいがちなので(笑い)。ただ、何を考えているか分からないミステリアスな部分に、魅力を感じている人は多いかもしれないですね。
――現在公開されている予告編の中に「よみがえった地球が美しい自然の裏でひそかに抱え込んだ闇」という、キーマンの意味深なせりふがありました。気になっているファンも多いと思いますが。
今回の「2202」が「2199」の続編であるということを象徴するせりふだと思っていただければ間違いないと思います。「2199」で起こった何か、その先に存在している地球が今こういう状態にありますよという説明のせりふです。その起こっている何かに関しては、第2章「発進篇」で明らかになりますので、ご自身の目で確かめていただければと思います。
――第2章「発進篇」の見どころや注目シーンは?
なんといっても予告編の中にもあったヤマト対アンドロメダという構図ですね。あれは燃えると思います。古代と山南が「衝撃に備え!」と互いに異口同音でどなり合うところがあって、アフレコではバラバラに収録しなかったんです。通常せりふがかぶってしまうところは、各々で収録してダビングの時にミックスしてバランスを整えるのが普通だと思いますが、あそこはやっぱり小野(大輔)くんと江原(正士)さんの2人の芝居の勢いというものを監督やスタッフさんが信じたんだと思います。
ベテランの江原さんと中堅の小野くんが対峙(たいじ)する構図。音圧で負けてしまうとどうしても弱く聴こえてしまうので、そこで負けないような音を互いに作っていかなければ、多分バラバラで録(と)り直しになっていたと思うんです。でも、テストを2回やって、本番でもそのまま同時に収録していたので、すごく印象に残っています。あとは、第2章のタイトルにもあるようにヤマトの発進シークエンスです。非常に緊張感がありましたね。どういう経緯でヤマトが旅立っていくかに関しては、皆さんが興味を持っている部分だと思いますので、ぜひ劇場で確認していただきたいですね。
――ファンにメッセージをお願いします。
第1章と比べると単純に尺が倍になっているので、そこに関してはきっとご満足いただけると思います。今回はテレビシリーズでいうと全4話分になります。長い尺をたっぷり使って、ヤマトが発進するまでの話をやっていて、なおかつ次のエピソードにつながるところまでを丁寧に見せていきます。ヤマトが旅立つまでには、こういう裏があったのかとか、こういうふうに葛藤してみんなが旅立っていったのかとか、みんなの頭の中で勝手に脳内補完されていたものが、一流のスタッフによってきちんと丁寧に描かれているというところが第2章の最大のポイントだと思います。「2202」のモチーフとなっている「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」を過去に見た方ならば、その答え合わせをしていただくというのも面白いかなと思いますね。
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