注目映画紹介:「3月のライオン 前編」 神木隆之介が桐山零を熱演 大人気将棋マンガを実写化 

「3月のライオン 前編」のワンシーン (C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
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「3月のライオン 前編」のワンシーン (C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

 羽海野(うみの)チカさんの人気将棋マンガが原作で俳優の神木隆之介さん主演の「3月のライオン」(大友啓史監督)の2部作の前編が18日、公開される。前編は原作にほぼ忠実に、主人公・零と川本3姉妹との出会いや零が引き取られた幸田家の面々との関係性などがテンポよく描かれている。一見物静かだが奥底に暴れる獣を飼っているような零を表現した神木さんをはじめ、原作愛が伝わってくるようなキャストの演技に注目したい。

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 映画は、ある日同じ下町に住む川本家の3姉妹と出会った零が、数々の対局と温かな人々との交流を通じて、棋士として、人として、ある覚悟を決めていく姿が描かれる。神木さんが主人公・桐山零を演じているほか、幸田家の長女・香子を有村架純さん、川本3姉妹の長女・あかりを倉科カナさん、次女・ひなたを清原果耶さん、三女・モモを新津ちせちゃん、零のライバルの二海堂晴信を染谷将太さん、A級棋士・島田開を佐々木蔵之介さん、同じくA級棋士の後藤正宗を伊藤英明さん、天才棋士・宗谷冬司を加瀬亮さんが演じるほか、豊川悦司さん、高橋一生さん、中村倫也さん、奥野瑛太さんらも出演。後編では3姉妹の父役で伊勢谷友介さんも出演する。

 神木さんがビジュアル面はもちろん、一見ひ弱そうだが芯が強く、実は心の中に獣を飼っている零をメリハリのある演技で見事に表現している。駒を持つ所作は「箸(はし)を持ってご飯を食べるぐらい自然になるまで」プロ棋士に指導を受けながら特訓したといい、自然で緊張感のある対局シーンを作り出す一助となっている。有村さんの本人のこれまでのイメージとはかけ離れた“悪女”役は新鮮だったが、クールだがときに荒々しく感情をむき出しにするキャラクターの人間臭さが伝わってきて違和感なく見ることができた。

 前編は、零が子供のころ住んでいた幸田家の面々、川本3姉妹、ライバルであり仲間でもあるプロ棋士たち、とさまざまな登場人物たちとの関係性が徐々に深まっていき、続く後編への期待が高まっていく。個人的には、まるでマンガからそのまま抜け出してきたような佐々木さんの島田開役にうならされた。前編は18日からTOHOシネマズ六本木ヒルズなどで公開。(河鰭悠太郎/MANTAN)

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