手塚治虫のエロチックなイラストを掲載した文芸誌「新潮」(新潮社)12月号が完売し、重版されることが10日、明らかになった。初版は通常の1.5倍となる1万1500部を刷ったが、各地の書店やネット書店で売り切れが続出し、5000部の重版を決めた。19日以降、順次書店に並ぶ予定。
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「手塚治虫のエロティカ」と題した12月号の特集では、未公開イラストの中から厳選した29点を巻頭カラーグラビア16ページで、初公開。これらのイラストは、2014年3月、手塚の仕事場で、死後一度も開けられていなかったロッカーから発見され、その数はおよそ200点に及ぶ。なまめかしいネズミが体をくねらせる絵などが描かれ、関係者は「独特のエロチシズム感覚と、メタモルフォーゼ(変身)への深い関心がうかがえる」とコメントしている。絵柄から1960年~70年代に描かれた「習作」とみられ、発表する意図はなかったと思われる。
同誌の特集は、「エロティシズム」という切り口で、学習院大学の中条省平教授による解説「メタモルフォーゼの魅惑」、作家の筒井康隆さんによる「手塚治虫のエロス」、長女のるみ子さんのエッセー「密かな父の享楽に触れ…」なども掲載し、手塚の作品世界を多角的に検証した。
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