黒沢清監督:トロント国際映画祭に出席 「緊張しました」

映画「ダゲレオタイプの女」の会見に登場した黒沢清監督(右)とタハール・ラヒムさん
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映画「ダゲレオタイプの女」の会見に登場した黒沢清監督(右)とタハール・ラヒムさん

 映画「岸辺の旅」「クリーピー 偽りの隣人」などで知られる黒沢清監督の最新作「ダゲレオタイプの女」の会見が15日、東京都内で行われ、黒沢監督と主演の仏俳優タハール・ラヒムさんが登場した。8日(現地時間)からカナダで開催されている「第41回トロント国際映画祭」に同作品が出品され、映画祭に参加してきた黒沢監督は「緊張しました。(約1000人ほど入る)会場は満席に近かった」と笑顔を見せ、「初めて一般の方にこの作品を見ていただいたのですが、(観客が)笑ってくれる場面があり、驚きました。そういうつもりで作っていなかったので。でも、これは“好意的なサイン”だと思いました。(キャラクターと)観客が同調して笑いが起こることはあるので」と明るく話した。

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 初来日したラヒムさんも黒沢監督と同映画祭に参加しており、「私も、何で笑っているのか分からなかった」といい、「北米の方は、ホラー映画を見ていて、怖いシーンがあると笑うそうです。上映後の質問の時間では、的を射た質問や好意的な質問をたくさんいただけたので、受け入れてもらえたと思い、いいサインだと思いました」と振り返った。

 映画は、オールフランスロケ、日本人以外のキャスト、全編仏語となり、黒沢監督が海外に初進出した作品。物語は、世界最古の写真撮影方法「ダゲレオタイプ」を軸に、芸術と愛情を混同した写真家の父の犠牲になる娘と、“撮影”を目撃しながらも娘に心を奪われていく男の、美しくもはかない愛と悲劇が描かれる。

 ダゲレオタイプを軸とした物語を構想していたという黒沢監督は「チャンスがあれば撮りたいと思っていました。実現できるか分からなかったけど、完成することができ、(フランスでの撮影などは)夢のような時間でした」と振り返った。また、「最初はホラー映画として考えていました」と明かし、「最近のJホラーにはなくなりましたが、四谷怪談のような男女の恋愛も描かれた作品が日本にはあります。フランスで作ることになり、若い男女のラブストーリーを書き加えました」と話した。そして「日本人が撮ったとかはどうでもいいこと。最新のフランス映画だと思って楽しんでいただきたい」とアピールした。映画は10月15日公開。

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