鋼の錬金術師:実写映画の撮影終了 曽利監督「撮るべきものは撮った」 荒川弘“世界観”に満足

荒川弘さんによる実筆イラスト入りの映画「鋼の錬金術師」撮影ボード (C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX(C)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
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荒川弘さんによる実筆イラスト入りの映画「鋼の錬金術師」撮影ボード (C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX(C)2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会

 荒川弘さんの人気マンガをアイドルグループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さん主演で実写化した映画「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」(曽利文彦監督、2017年公開)が26日にクランクアップを迎えた。メガホンを取った曽利監督は「製作においてはこれまでの日本映画ではやったことのない撮影スタイルを取るなど、新たな日本映画の可能性を追求してきました。イタリアでの撮影から始まり約3カ月、キャスト、スタッフとともにリアルな映像については撮るべきものは撮れました」と自信を見せた。

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 「鋼の錬金術師」は、荒川さんが2001~10年に「月刊少年ガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載した人気マンガ。錬金術が科学のように発達した世界で、禁じられた「人体錬成」に挑んで失敗し、体を奪われたエドとアルの兄弟が、失った体を取り戻すために軍事国家の手先となり、「賢者の石」を探す旅に出る……というストーリー。コミックスは全27巻が世界21カ国で発売されており、シリーズ累計発行部数は全世界で7000万部を超えている。03年にMBS・TBS系でアニメ化されて人気を博し、劇場版アニメも製作され、09年4月~10年7月に新シリーズのアニメが放送された。

 撮影は、世界観の表現を追求し、街の建物などにかつて実際に錬金術師が存在した名残があるイタリアで6月にクランクイン。同地では準備期間を含め1カ月間かけて撮影し、その後、日本各地でのロケを経て今月26日にクランクアップを迎えた。今月5日には、原作者の荒川さんが現場を訪れ、監督、キャスト、スタッフにねぎらいの言葉をかけ、精巧に作られた衣装やセットを興味深く見入り、作品の世界感が見事に表現されていることに満足げで、現場に掲げてあった看板に直筆でイラストを描き、クライマックスシーンの撮影に挑む監督、キャスト、スタッフの士気を一層、高めたという。

 曽利監督は「あと私には作品を完成させる義務があります。これから一歩一歩作りあげて行こうと思っています。ファンの皆様には、原作やコミックのテーマ、魅力を込めつつ、実写だからこその“カタチ”をスタッフ、キャストで議論を重ねながら、作りあげたものとなりますので、ぜひ応援いただけたらと思っております」と完成に向けて気を引き締めていた。

 映画は、国家錬金術士のエドを山田さん、エドと幼なじみの機械鎧(オートメイル)技師・ウィンリィ・ロックベルを本田翼さん、軍の士官で“焔の錬金術士”と呼ばれるロイ・マスタング大佐をディーン・フジオカさんが演じるほか、松雪泰子さん、本郷奏多さん、内山信二さん、石丸謙二郎さんが出演する。

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