注目映画紹介:「スイートハート・チョコレート」 池内博之、リン・チーリンがW主演 甘くてほろ苦い純愛物語

映画「スイートハート・チョコレート」のメインビジュアル 2012(C)MZ Pictures
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映画「スイートハート・チョコレート」のメインビジュアル 2012(C)MZ Pictures

 俳優の池内博之さんと台湾の女優であるリン・チーリンさんがダブル主演した日中合作映画「スイートハート・チョコレート」(篠原哲雄監督)が26日に公開される。映画は、北海道夕張市と中国・上海を舞台に、上海からの留学生と彼女を愛する2人の男の間に生まれた愛情と過酷な運命を描く。留学生のリンユエをリンさん、相手役の男性・木場総一郎を池内さんが、それぞれ演じている。第25回東京国際映画祭「アジアの風」部門で上映され、お蔵出し映画祭2014でグランプリを受賞している。

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 一面の銀世界が広がる夕張で、上海から来た留学生のリンユエ(リンさん)は、レスキュー隊員の星野守(福地祐介さん)と出会い恋に落ちる。10年後、上海に戻ったリンユエは、亡くなった守の遺志を継ぎ、チョコレート店を開店。同店のチョコレートは、食べた人を幸せにするという評判で人気を集めるが、リンユエは守が作ってくれた“特別な味”を忘れられないでいた。一方、守の兄貴分であり、リンユエに思いを寄せる木場(池内さん)もともに上海に渡り、一番の友人としてリンユエを見守り続けていたが……というストーリー。

 1人の男性を10年間も思い続けるというピュア女性を演じるリンさんは「レッドクリフ」やテレビドラマ「月の恋人~Moon Lovers~」でも有名だが、守と総一郎という2人の男性の間で揺れる繊細な心情を好演し、物語に深みを出している。夕張の雪と、新旧の街並みが混ざり合っている上海という対照的なロケーションがロマンチックさを醸し出す。さらに、久石譲さんが手がける情感たっぷりな音楽が、美しさや切なさ、はかなさといった風情をより一層引き立たせ、見る人の心に訴えかけてくる。今作はラブストーリーではあるが、リンユエと守、そして総一郎という3人の言葉で言い表せない信頼関係も描く。愛の形は千差万別で、そこには言葉や国境は関係ないものだと、改めて気付かされた。26日からシネ・リーブル池袋(東京都豊島区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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