この「ホットスポット 解説」ページは「ホットスポット」の解説記事を掲載しています。
ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、1月12日午後10時半から日本テレビ系で放送される、バカリズムさん脚本、市川実日子さん主演の連続ドラマ「ホットスポット」を紹介する。
ひょんなことから何度も人生をやり直すことになった平凡な主人公の奮闘と周囲の人々を描き“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”をうたった「ブラッシュアップライフ」で国内外で数々の賞を受賞したバカリズムさんが、2年ぶりに日テレの日曜ドラマ枠に帰ってきた。今回の「ホットスポット」は、ひょんなことから宇宙人と遭遇した、市川実日子さん演じる主人公と周囲の人々を描いた“地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー”だ。
舞台は、日本が誇る富士山の麓にある山梨県のとある町。ビジネスホテルに勤めるシングルマザーの主人公・遠藤清美(41)は、ある日、交通事故に遭いそうになったところを“地球外生命体”に命を救われる。絶対に他言できないはずが、清美は地元の幼なじみ・葉月(鈴木杏さん)と美波(平岩紙さん)にうっかり話してしまったことから、平凡だった日常がちょっぴり変わり始める……。
タイムリープものだが、日常系だった「ブラッシュアップライフ」や、OLの派閥争いだが、ヤンキーバトルものだった「地獄の花園」などと同様、バカリズムさんの持ち味ともいえる“非日常の中の日常”“日常の中の非日常”が堪能できる作品だ。
少し(S)不思議(F)な設定、シチュエーションを骨格に、仲良しグループのコミカルな会話劇が血肉という構成は、人気を博した「ブラッシュアップライフ」と同じつくり。今回も、清美&葉月&美波の“幼なじみトリオ”や、清美&由美(夏帆さん)&えり(坂井真紀さん)の“同僚トリオ”のトークについつい頬が緩むだろう。
もちろん最大のポイントとなるのは、清美と“宇宙人”とのやり取りだ。詳細は避けるが、“地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー”の名にたがわぬ展開で、“宇宙人”という要素自体も、見ている側としてもさまざまな想像を掻きたてられるパワーワードなだけに、2話以降にも期待が持てる。
大ヒットした「ブラッシュアップライフ」は、タイムリープを繰り返して出世していくコメディーと思わせておいて、終盤に友達を待ち受ける悲しい未来を回避するために奮闘するというサプライズの骨太展開があって、素晴らしい大団円へと導かれた。今回の「ホットスポット」は果たしてどんな展開になるのか、サプライズはあるのか。“バカリズム版未知との遭遇”を最後まで見守りたい。