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ドラゴンボールDAIMA:6年ぶりアニメシリーズ誕生の裏側 なぜ悟空を小さくした?

「ドラゴンボールDAIMA」の一場面(c)バード・スタジオ/集英社・東映アニメーション

 鳥山明さんの人気マンガが原作のアニメ「ドラゴンボール」の完全新作シリーズ「ドラゴンボールDAIMA(ダイマ)」が、フジテレビ系で10月から放送されている。「ドラゴンボール」の40周年を記念したアニメで、テレビアニメシリーズの新作は2018年3月に放送を終了した「ドラゴンボール超(スーパー)」以来、約6年ぶりとなり、原作者の鳥山さんが原作・ストーリー、キャラクターデザインを担当したことも話題になっている。なぜ、新たなテレビアニメシリーズが制作されることになったのか? 「ドラゴンボール」シリーズのエグゼクティブプロデューサーを務めるカプセルコーポレーション・トーキョーの伊能昭夫さんに聞いた。

 ◇鳥山明さんからどんどんアイデアが

 「ドラゴンボール」の原作マンガは「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984~95年に連載され、テレビアニメが1986年にスタートした。全世界のコミックスの累計発行部数は2億6000万部を超える。近年は、鳥山さん原案によるシリーズ「ドラゴンボール超」が、2015~18年に放送され、劇場版アニメ「ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー」が2018年、「ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー」が2022年に公開され、ヒットするなど40年以上にわたって世界中で愛され続けている。

 「DAIMA」は、ある陰謀によって小さな姿になった孫悟空たちが、大魔界を冒険する姿が描かれている。オリジナルストーリーということもあり、新キャラクターが多数登場し、先が読めない展開が大きな魅力の一つになっており、子供の頃、ドキドキしながら「週刊少年ジャンプ」を毎週読んでいた子供の頃を思い出すオールドファンも多いようだ。「ドラゴンボール」は約40年にわたって続く中で、新規ファンを獲得してきた作品でもある。これまで「ドラゴンボール」を見ていなかった子供もドキドキできるはず。

 そもそも、なぜ新たなテレビアニメシリーズが始まることになったのだろうか?

 「6年くらい前の話になるのですが、『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を作っている時、映画とはまた別の展開の新しいシリーズをやりたいという話をしたのが始まりです。映画を作っていましたし、先生にご負担をかけないように、がっつり作ってもらうのではなく、ちょっと見ていただこうと思っていて、どう思います?と投げかけたんです。進めていく中で、先生がすごく乗り気になっていたんです。当初の予定とは違ったのですが、先生と相談しながら、結局ほとんど作っていただくことになりました」

 鳥山さんから「大魔界はどんな場所なのか? 新キャラクターは……」などアイデアが生まれ、「DAIMA」の世界観が固まっていった。

 「こうやって一からシリーズを作るのは初めてでしたし、先生からすると面白かったんだと思います。映画よりも時間が長いですし、ストーリーについては何度もキャッチボールをしながら、時間を掛けています。実はストーリーが全て完成する前に、アニメの制作が始まっていました。それくらい頭をこねくり回していたんです。だから、週刊連載のマンガのようなドキドキ感があるのかもしれません」

 ◇親子で楽しめるアニメを

 約40年続いてきたこともあり、「ドラゴンボール」は、2世代、3世代に愛される作品になっている。テレビアニメとして放送することもあり、親子で楽しめる作品を目指した。

 「意識したのは大人になって子供がいる30代前半以上の世代です。親子で一緒に見ていただけるアニメにしようとしました。子供の頃、『ドラゴンボールGT』を見ていた世代なんです。そこも意識していて、『GT』のような新しいアニメシリーズを作ろうとしたのが、取っ掛かりになっています」

 「ドラゴンボールGT」は1996~97年に放送されたオリジナルストーリーのテレビアニメで、小さな姿になった悟空が大冒険を繰り広げるという「DAIMA」との共通点もある。大人の悟空も格好いいのだが、小さくなった悟空は、格好よさだけでなく、可愛さもあり、また違う魅力がある。「DAIMA」では小さな悟空が如意棒を駆使して戦うアクションシーンが見どころの一つになっている。

 「より広い層に見ていただくことが今作の大きなテーマでして、結果論ではあるのですが、悟空が小さくなることで入り口が広くなっている認識があります。まさか全員が小さくなるとは思っていなかったのですが、もちろん先生が考えられたことです。『GT』は“グランド・ツーリング(壮大な旅)”という意味があるのですが、『DAIMA』でも冒険を描こうとしています。悟空がどんどん強さを突き詰めていく『超』とは違う流れや形になります。悟空が小さいながら、如意棒を使って、跳んだり跳ねたりして戦う姿は、新鮮に見えるし、『超』とは違う魅力を見せることができます」

 「DAIMA」では、オープニングの前に「ドラゴンボールとは……」とこれまでの悟空の活躍を解説する映像が流れる。「ドラゴンボール」は、時代によって絵柄が変化しているが、この解説では、懐かしの絵柄が令和のアニメとして描かれている。既存のファンは懐かしくなるし、新規ファンにも優しい構成になっており、間口を広げようとしていることが分かる。

 「先生から、そもそもドラゴンボールを集めて、強い敵に立ち向かっていく……というこれまでのストーリーを知らない人もいるんじゃないか?という話になりました。初めて見る人でも見られるようにしました。悟空の成長も見せて、小さくなったと分かりやすくしようとしたところもあります」

 子供でも楽しめるようにしたが、「子供っぽくしたわけではありません。もちろんキャラクター、ストーリーの魅力をしっかり表現しないといけません。親に子供と一緒に見たいと思っていただきたいので、イメージも大事にしようとしました。」とも話す。大人も子供も楽しめるバランスが絶妙だ。

 ◇“繋がり”が見える

 「DAIMA」は、原作マンガの魔人ブウ編の後の物語であることは分かるが、「ドラゴンボール」はさまざまなストーリーが展開されていることもあり、物語との繋がりが、ファンの間で話題になっている。これまで明言されていなかったが、伊能さんは「先生ご本人がストーリーを手掛けておられて、地続きであり、魔人ブウ編とつながっているのは事実です。それがもう事実であり全てです」と話す。

 “繋がり”を感じるところも多い。「DAIMA」では、界王神やナメック人、魔人ブウなどのルーツが明かされている。毎回のように“繋がり”が明かされ、驚かされるところもある。

 「『DAIMA』が『ドラゴンボール』の中でどういう位置の作品だろうと気になるとは思いますが、『ドラゴンボール』のいろいろな繋がりを見せようとしています。我々が知らなくても、先生の中では繋がっている部分があると思いますし、狙っているわけではなく、そこも見せようとしています。私が一番腰を抜かしたのが、『耳がとがっているのは全て大魔界の住人』というところです。先生の中では、前から薄らとあった設定だと思うのですが、そうだったんだ!と驚きました。先生の中では、『ドラゴンボール』の世界がしっかりあって、作品によってフォーカスするところを変えているんです。無理やり設定を作っているわけではありません。仕掛けも大切で、原作のマンガがない状態で始まったアニメですし、マンガのような“引き”はかなり意識しています」

 「DAIMA」は「ドラゴンボール」の“らしさ”を守りつつ、これまでにないアニメシリーズを作ろうとしている。挑戦的な作品になっていることは間違いない。

 「長く続いているので、極端に外すことはないのですが、ずっと同じことをやっていては飽きられてしまいます。そのさじ加減が難しいところです。これまでも結果的にやってきたことですが、皆さんが考えるイメージを担保するために全部変えるのは難しい反面、新しい挑戦も続けていかないといけません」

 ◇「ドラゴンボール」の今後の展開

 「DAIMA」は世界に向けて配信されている。配信サービスの普及によって、世界中で同時期に同じアニメを見られるようになったが、「ドラゴンボール」では初めてのことだった。

 「どのくらいの反響があるのか分からなかったのですが、配信を見据えて、ワールドワイドな同時展開を考えていました。今作は国や地域によって捉え方が違うようにも感じています。基本はアニメ作品として捉えられているのですが、国や地域によっては、実写のドラマと同列に『ドラゴンボール』が並んでいるので、そこにどうやって打ち出していくのか?も気にしています。アニメという枠組みだけで考えているわけではないんです。それだけ広く受け入れられている作品であることをしっかり認識しないといけません。自分たちの固定概念を毎回変えていかないといけないのですが、実際にやってみないと分からないと今回感じています」

 「ドラゴンボール」の今後の展開も気になるところだ。アニメだけでなく、ゲームやグッズ、マンガなどさまざまな展開がある中で、どこに向かっていくのだろうか? 伊能さんは「アニメやゲームはそんなにすぐにできるわけではなく、やはり時間がかかります。準備をしながら、しっかり展開していこうとしています。さらに広げていきたい」と話すように、「ドラゴンボール」はまだまだ続く。50年、さらにその先も愛される作品になっていくはずだ。

 「DAIMA」は2月28日の放送で最終回を迎える。ドキドキの展開が待っているはずで、まだまだ謎も多い。

 「皆さんの期待に十分応えるアクションシーンもあります。クライマックスのバトルは、めちゃくちゃすごいです! ストーリーは、想像できるところも、できないところもあると思いますが、その通りになるかもしれませんし、ならないかも……。ええ!となるはずです。最初からもう一度、見直していただけると、より楽しめるはずです」

 最後に何か起きるのだろうか? 最終回に向けた「DAIMA」の展開が注目される。

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