海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の吉高由里子さん主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に、さわ役で出演している野村麻純さん。さわは、第12回「思いの果て」(3月24日放送)で初登場すると、出会って間もないまひろ(吉高さん)を慕い、“恋バナ”にも興味津々と、“グイグイ”といく姿も話題となった。以降も親交を深め、第15回「おごれる者たち」(4月14日放送)では、一緒に石山寺を訪れる様子(いわゆる石山詣)が描かれた。野村さんが、さわとしての日々を語った。
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さわは、自分を生んだ母のことをまひろの父・藤原為時(岸谷五朗さん)が世話をしていたことから、まひろと出会い、友人関係へと発展。父親や今の家族とはしっくりいってないためか、愛情に飢えた、一風変わった娘だ。
同役をオーディションで射止めた野村さん。台本を読んだ時点での印象は「これまでの『光る君へ』にはいない登場人物」だった。
「さわは感情でぶつかるし、浮き沈みも激しいので、台本を読んだだけではどうつながりを持たせたらいいのか、最初は不安がすごくありました。それでも、撮影に入る前、入った後と、監督をはじめ、いろいろな方と話をしていく中で、さわは本当に素直で、感情がすぐ顔に出ちゃうし、思ったことを口に出す、本能のまま生きている人だと思えたら、意外とすんなり演じることができました」
そんな野村さんから見たさわは「ちょっと面倒くさい女」。「『似ている』と言いたくない気持ちはものすごくあるのですが、近しいところはあるのかな、と思ったりもして」と笑う。
一方で、グイグイいけるさわの人懐っこさに対してうらやましさもあるという野村さんは、役を演じながら「私はまひろの味方でいたいし、まひろも私の味方でいてほしいとずっと思っていました」と告白する。
「さわ自身の感情の振れ幅は大きいのですが、その中でもまひろのことが大好きで、信頼している気持ちと、自分が家で感じている、根底にある疎外感と、まひろの味方でいたい、自分の居場所にしたいっていう気持ちはずっと抱いていました」
第15回では、さわとまひろの距離がグッと近づくような場面があった。石山寺へと向かう途中、立ち寄った河原で“将来”を語り合った2人。野村さんも個人的に大好きなシーンに挙げる。
「横並びで、『私たち、このままずっと夫を持てなければ、一緒に暮らしません?』とさわが提案して、まひろが“う~ん”と少し考えてから『それはまことによいかもしれません』と答えて、ずっと仲良しでいようねっていうシーン。野外のロケで映像もきれいで、涙が出るくらい幸せになれた瞬間でした」
たどり着いた石山寺では一転、そこで出会った藤原道綱(上地雄輔さん)の“夜這い”をきっかけに、さわは感情をこじらせ、まひろに冷たく当たってしまう。野村さんによると、それは愛情に飢えたさわの一種の“かまって”で、「本当に面倒くさい女なんですよね」と笑っていた。
改めて、まひろ役の吉高さんの印象も聞いた。
「本当にチャーミングで、面白くて。さわがまひろに甘えるのと同じように、私も吉高さんの懐の深さに甘えて、さわと同じようにグイグイといかせていただきました(笑い)。演技のことから、トイレにいくタイミング、『嫌いな食べ物なんですか?』という些細な質問まで、全て受け止めてくださって、全部返してくださって。本当にさわがまひろを慕うように。私も吉高さんに対して、勝手に安心感を覚えて、信頼していましたし、どんなことでも吉高さんが受け止めてくださるから、『なるようにれ』ってお芝居しました」
最後に野村さんは、吉高さんにグッと心をつかまれたという“イケメン行動”を教えてくれた。
「さわの感情が爆発して泣きじゃくるシーンがあるのですが、いろいろな角度から撮るので、最後のほうは泣き疲れてしまって、自分で涙をぬぐことすらしなかったのですが。カットがかかったあと、吉高さんが親指で涙をぬぐってくださって、『もうすてき! 大好き!!』ってなりました」