“中年オヤジ”のテディベアが主人公の人気映画「テッド」を手掛けたユニバーサル・スタジオの最新作「スラムドッグス」(ジョシュ・グリーンバウム監督)が11月17日に公開される。ひどい飼い主に捨てられた“闇堕(お)ちワンちゃん”レジーが飼い主の急所を「噛みちぎってやる!」と復讐(ふくしゅう)を誓う……という大人向けのペットコメディーだ。日本語吹き替え版では、お笑いトリオ「ロバート」秋山竜次さんが主人公・レジーを演じるほか、タレントのマギーさんがヒロイン犬のマギー、声優の森久保祥太郎さんがレジーの救世主となる野良犬界のカリスマ・バグ、津田健次郎さんが心優しきセラピー犬のハンターを演じる。森久保さん、津田さんに作品の魅力や、互いの役者としての印象、自身の闇堕ちエピソードについて聞いた。
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森久保さん&津田さん 下品ですよね(笑い)。
森久保さん オファーをいただいて、マネジャーから「ワンちゃんの映画」だと聞いて、やった!と思ったんです。僕は6歳の娘がいるので「ワンちゃんの映画だったら一緒に見に行けるかな」と思って、台本を読んでみたら「これは無理だな」と(笑い)。下品なせりふが多くて、家でリハーサルしづらかったですね。「テッド」のスタッフの方々が手掛けた作品ということで、そういう面白さは十分ありつつ、振り切った下品さがあって。ただ、振り切っているからこそ、出来上がった作品を見た時に結構グッとくるシーンがいくつもちりばめてあるなと気づきました。よくできているなと。改めて見た時には感情が忙しかったですね。
津田さん 僕もお話をいただいた時は「きっとハートウオーミングな話なんだろうな」と思ったんですけど、台本を読むと「あれ? 違うな」と(笑い)。演じていても楽しかったです。グッとくるシーン、笑えるシーンが随所にちりばめられていて、すごくテンポも良くて、誰もが楽しめる作品ではないかもしれないですけど(笑い)、すごく楽しいものになっていると思います。
森久保さん 僕は、レジーの飼い主のダグのようにひどくはないですけど、たまに愛犬があんまりにもほえているような時は「うるさい!」と叱る時があるわけです。そういう時は、犬もこっちの気持ちや感情が分かっているんだろうなと。それに、犬たちは叱られても、無償の愛を僕らにくれているんだろうなと感じますよね。この作品を見ていても、改めて犬はすごいなと。主人公のレジーは、飼い主にひどいことをされているのに、純粋に「それでも僕は」と信じ続けていて、ほとんどのワンちゃんはそうなんだろうなと思います。
津田さん 僕も昔、犬を飼ったことがあるのですが、本当に家族という感じですよね。ワンちゃんは大体元気じゃないですか。その辺が猫とは全然違うというか。犬のいつも元気でいる、あのエネルギーはすごいですよね。
森久保さん バグは結構マシンガントークというか。本当に小型犬らしくて、表情もコロコロ変わるし、しゃべっているベクトルもしょっちゅう変わって、演じがいがありました。バグにもちゃんと人生のストーリーがあって「そういう過去があって今に至るんだ」と、深みのあるキャラクターだなと思いながら演じていました。
津田さん この作品は、くだらない、笑えるシーンがいっぱいちりばめられているんですけど、やはり吹き替え版となると、元々の英語のニュアンスをどう日本語に落とし込むのかと脚本家さん、翻訳家さんが本当に苦しんで、工夫されていると思います。そうしてできた台本をどう面白くやれるか?というのが、僕たちの頑張りどころだなと思いましたね。
森久保さん あれは最高ですよね。
津田さん 「ぼえぼえー」ってね。めちゃめちゃ面白いよね。
森久保さん あの表現の津田さんのアプローチがすごく面白かった。この作品の取材で「津田さんは結構アドリブを入れている?」という質問があったんですけど、僕も見ていてそう感じるぐらい「これはアドリブかな」と思うシーンが多くて。でも、アドリブじゃないですよね?
津田さん 全部台本に書いてありました。
森久保さん そうですよね。そこがすごいなと思って。いろいろな一言が、アドリブで入れたかのような感じで自然に入っていたので。
津田さん 一つ一つのせりふをすごく細かく作ってくださっていましたね。
森久保さん 最近、即興劇の舞台でも津田さんと共演させてもらったんです。僕は津田さんに対して、自分と近いタイプの役者なんだろうなと思っていたんですけど、その部分もありつつ、さらに良い意味での裏切りを持ってきてくれる人で、「そんな角度からもくるんだ!」みたいな。だから、読めない人ですね。そもそも、筋書きのない即興劇を津田さんと一緒にやることが決まった時点で、読めないな、怖いなと思ったんです。だけど、もしかしたら同じタイプ同士でうまくセッションできるかなと思っていたけど、きっちりいい意味で裏切られたので、やっぱり脅威だなと思いました。
森久保さん 割といろいろなことをきっちり構築して、バックボーンも考えて、という。それは劇団時代から変わらないことで、作品で役を演じる時も、即興劇の舞台でもそうしたいなと思うタイプで、きっと津田さんも同じなんじゃないかなって。
津田さん うん、基本的にはそうですね。
森久保さん ……と思っていたんですけど、変化球を、隠し球を持っていたという(笑い)。
津田さん 祥ちゃんは、本当に軽やかだなと思います。何をやるにしても、すごくスマートで華やかなんですよね。祥ちゃんが話していたように、いろいろなことを用意して、深掘りしてというのがもちろんあるんですけど、そこを感じさせないスマートさ、軽やかさが前面に出ているというか。そこが最大の魅力なんじゃないかなと思っています。どの場にいてもスタンスが変わらないので、本当に「祥ちゃんはマイペースだな」と思いますね。
森久保さん (笑い)。
津田さん 役者さんの中には、作品の世界観にグッと入り込む良さを持ってらっしゃる方もいますけど、祥ちゃんはストンと世界に入れる。そこがうらやましいところでもありますよね。祥ちゃんは年々マイペースになっているよね?
森久保さん そうかもしれないですね。
津田さん 昔からスタンスは全然変わらないんですけど、年々「こんなボケキャラだっけ?」というのがどんどん増えてきた。
森久保さん そうですね、年齢と共に。10代、20代の頃は典型的なB型で、周りに迷惑をかけるタイプのマイペースさが出ていたと思うんですけど、多少は人の気持ちも分かるようになってきましたので。
森久保さん ありますよ。それこそ10代、20代は鬱屈としていたというか。やっぱり若いし、早く認めてもらいたいというのがありましたよね?
津田さん 本当にそうですね。
森久保さん 当時の自分は、本当に八方手を尽くすぐらいの努力というか、こうありたい自分になるためにエネルギッシュに動いていたんですけど、なかなか結果が出なくて。認められたいとあがいていたから、10個ある願い全部がかなわないと苦しくてしょうがないっていうか。あれは病んでいたし、闇堕ちしていたんじゃないですかね。だんだんそれが、30歳を境に考え方が変わってきたんですけど。
森久保さん このままいっても何も変わらないなと思った瞬間ですかね。ベクトルが変わった。自分にばかり向いていたベクトルが別に向いた瞬間というのがあって、そこからマイペースの種類が変わってきた気がします。
津田さん 多分そうだね。僕も(闇堕ちしていたのは)20代ですね。芝居を始めてから10年ぐらいはずっと闇堕ちしている感じですかね(笑い)。
森久保さん 役者をやっていたらそうですよね。
津田さん なかなか認めていただけない中で、空回りがすごく多かったでしょうし、鬱屈としていましたね。
津田さん 開き直ったというか。人間は、どん底まで行くと開き直るんですかね。そうすると、視界が広がって「なんだ俺、もうちょっと自由にやっていいんじゃん」と。そこから祥ちゃんもマイペースになったんでしょうけど、僕もマイペースになりました。
森久保さん そう、津田さんもマイペースですよね(笑い)。ちなみに、タイムマシンで若い頃に戻れたら……みたいな話があっても、戻りたくないですね。
津田さん 戻りたくない。今で十分。
森久保さん 俺も戻りたくない。1ミリも戻りたくない(笑い)。
森久保さん いろいろな映画をオマージュしている部分があって、それこそ競合であるはずの犬映画まで取り込んでいるんです。その犬映画の俳優が本人役で出ていたり、日本語吹き替え版でも同じ声優さんを起用していたり、そういう面白さがあると思いますし、正直、結構やらかしていますよね(笑い)。犬たちが線路の上を歩いているシーンも「あの映画のパロディーかな」と(笑い)。映画好きの人はクスッとしちゃうんじゃないですかね。
津田さん お下品なコメディーに加え、ブラックユーモアも割と入っているんですよね。“犬愛”が強い作品なので、ダグのようなひどい飼い主に対して、映画で懲らしめてやろうみたいな強い思いも感じます。基本的には、何にも考えずに見に来ていただいて大丈夫ですし、ただ笑いに来ていただいて大丈夫な映画です。でも、思った以上に深いことも描いている。ただ笑いたい人も、物語を楽しみたい人も、いろいろな要望にお応えできるワンちゃん映画かなと思っております。
森久保さん 気軽に、油断して見に来たほうがいいと思います。
津田さん そうだね。何の気なしに、ぱっと劇場に入ってもらえると。
森久保さん その方が、おっ!となります。
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