宮沢和史:日越ロックバンド「黒ック」らとジョイントコンサート ラストはステージ&客席一体で「島唄」合唱

日越ロックバンド「黒ック」などとのジョイントコンサートで「島唄」を熱唱する宮沢和史さん=撮影・野島康祐
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日越ロックバンド「黒ック」などとのジョイントコンサートで「島唄」を熱唱する宮沢和史さん=撮影・野島康祐

 歌手の宮沢和史さんと、日本で活動する日越ロックバンド「黒ック」らによるジョイントコンサート「HATSU」(駐日ベトナム大使館など後援)がこのほど、東京都千代田区有楽町のヒューリックホール東京で開かれた。日本で暮らすベトナム人ら約400人が来場し、出演アーティスト全員で宮沢さんの代表曲「島唄」を合唱。日越友好のひとときを刻んだ。

 「ロックで日本とベトナムを橋渡ししたい」との思いから、日本人とベトナム人の5人で活動を続ける黒ック。その実力を認める歌手の加藤登紀子さんから、宮沢さんに「一緒にやってみたら?」と話があり、ベトナムの若手人気歌手のホー・チュン・ズンさんとバオ・チャムさん、ロックバンドのチリーズを加えたステージの企画がまとまった。

 「島唄」は、宮沢さんがリードボーカルを務めた「THE BOOM」が1992年にウチナーグチ(沖縄弁)バージョンを、翌年にオリジナル(標準語)バージョンをリリース。太平洋戦争・沖縄戦(1945年)の悲劇を主題にした平和への祈りを琉球音階のメロディーラインに乗せ、150万枚の大ヒットを記録した。発売から30年、日本国内だけでなく、アルゼンチン、ブラジル、欧州、中国、台湾などでもカバーされ、時代と国境を越えて歌い継がれている。

 ステージでは、宮沢さんが「からたち野道」「風になりたい」の2曲を披露し、黒ックも「リデンプション」「越」など6曲をパフォーマンスして会場を沸かせた。大トリで三線を手にした宮沢さんが再びステージに登場し「島唄」を歌い始めると、他の出演者全員も左右に集合。ステージと会場が一体になった合唱で、ショーの幕を閉じた。

 宮沢さんはステージ後、取材に「30年ほど前、バックパッカーとしてホーチミンに行き、いい思い出を作った。出会った人たちは、みな優しくて、その時の縁を強く感じる。今回、ベトナム人の音楽を初めて聞いたが、クォリティーは高いし、歌唱力もある。ベトナムの音楽をもっと、日本人に聞かせてあげたい」と述べた。

 友人、知人と3人連れで来場した東京都内在住の会社員、ブー・ティ・フォンさん(26)は「黒ックの音楽は胸に刺さるので、大好きです。こういうステージはベトナム人にとっても素晴らしい機会だし、もっと多くの日本人に聞いてほしい」と語った。

 黒ックは昨年末から今年正月にかけ、ホーチミンとハノイなどベトナム国内3都市でライブツアーを行い、成功を収めた。今年末、再びベトナムに凱旋し、ツアーを行う予定。

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