多数の仮面ライダーたちが「デザイアグランプリ」というゲームでそれぞれの願いをかけて競い合う特撮ドラマ「仮面ライダーギーツ」(テレビ朝日系、日曜午前9時)。第29話(4月2日放送)と第30話(9日放送)は、ライダーの一人、ナーゴ/鞍馬祢音の衝撃的なバックボーンが明かされる“シリアス回”となった。祢音を演じる星乃夢奈さんに撮影の舞台裏や、話題になっているキューン(水江建太さん)との関係性について聞いた。
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鞍馬財閥の社長・鞍馬光聖(笠原紳司さん)の娘で、“セレブインフルエンサー”として活動していた祢音。だが第29話で、敵のベロバ(並木彩華さん)により、光聖の本当の娘“あかり”は、誘拐事件に巻き込まれすでに命を落としていたという衝撃の事実が暴露された。娘を失って絶望した光聖は、デザイアグランプリを支援する代わりに「私が理想とする娘・祢音が生きている世界」という願いをかなえてもらっていた。つまり祢音は、光聖の本当の娘ではなく“作られた存在”だった。
視聴者からは「結構なかなか重めなシリアスな回」「脚本エグ過ぎ」「過去一番の衝撃回だった……」といった声が相次いだが、星乃さんも台本をもらうまでこの設定は知らされておらず、「本当にびっくり……衝撃的でした」と振り返る。
「この設定についてはまったく聞いていなくて。両親に大切に育てられた一人娘とばかり思っていたので、台本をいただいたときは衝撃を受けました。監督も『台本を作る段階になって、こんなことになっていると知った』と言っていました(笑い)」
第29話、第30話を担当した杉原輝昭監督は、祢音にスポットが当たった第4話(2022年9月25日放送)も手掛けていた。
「監督からは撮影前に『久しぶりにちゃんと(星乃さんの)お芝居を見るから、成長してるか楽しみにしてるから』と言われて。うれしいですが、“頑張らないと”と思いました。でも、これまで仮面ライダー以外のお芝居のお仕事でも、割と素の自分に近い天真爛漫(らんまん)な役柄ばかりだったので、これほどシリアスなお芝居をしたことがなくて……。これは考えるだけじゃダメだ! 役作りを見直そうって思いました」
人為的に“作られた存在”という衝撃的な事実を知り、絶望する祢音の心情を表現するため、星乃さんが行ったのは「孤独になること」だった。
「本当の記憶を取り戻したお母様には突き放されたり……。祢音の絶望は、私にとっても未知の世界だったので、この悲しい気持ちには少しでも近づかないとダメだなと思って。祢音の心情につながるように、その期間はなるべく誰とも連絡を取らずに、孤独に過ごして、気分を落としました。こんな役作りをしたのは初めてでした」
そんな役作りも功を奏して「監督にも成長を見せられたと思うし、『頑張りました!』と自信を持って言える回になりました」と充実感をにじませる。だが一部「悔しさ」も残っているという。
「あるシーンで、本当は流したかったタイミングで涙が出なかったんです。ドンピシャのタイミングでコントロールするのは難しくて。監督は『それ俳優みんな言うんだよ。カット掛けた俺が悪いみたいじゃん』と言ってくれましたが、ちょっと悔しかったです……」
祢音といえば、サポーターのキューンも話題になっている。祢音と対面したときの対応や、手紙のやり取りから、少々陰湿さが垣間見えるキューン。登場すると、視聴者からは「残念イケメン」などといった声が上がっている。
「でも、第29話、30話を見て、キューンへの見方がみんなガラリと変わるんじゃないかな。自分の殻を破って成長してくれたキューンに祢音は救われたので。(見方が)変わってほしいなと思っています(笑い)!」
第30話は、心身共にボロボロになった祢音がキューンに支えられながら、主人公のギーツ/英寿(簡秀吉さん)たちの前から去り幕を閉じた。今後の展開について聞くと「2人きりで一緒に消えちゃって。仮面ライダーに戻るのか、私も正直分からないんです(笑い)。でもどんな形になるにしろ、応援していただけるとうれしいです!」とアピールした。
最近、同じ東映の撮影現場に、以前から親交のある人がやって来た。3月にスタートしたスーパー戦隊シリーズの新作「王様戦隊キングオージャー」(テレビ朝日系、日曜午前9時半)で、カマキリオージャー/ヒメノ・ランを演じる村上愛花(えりか)さん。村上さんとは昨年、ABEMAのドラマで共演していた。
「『キングオージャー』に愛花ちゃんが出演するって知ったときはDM(ダイレクトメッセージ)で『(東映の撮影現場)お会いできるの楽しみにしています!』って送りました。そしたらその2日後くらいに、現場でバッタリお会いして! ぎゅーってハグしてくれました(笑い)!」
「(村上さんとは)テンションが近いところがあって。会うと、いっぱい話してくれるお姉ちゃんみたいな存在。まだ現場でお会いしたのはその一回だけなのですが、近くにいらっしゃるのはすごくうれしいです!」と声を弾ませた。
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