ちいかわ
第233話 黒い流れ星・後編(12)
1月7日(火)放送分
岩本ナオさんの人気マンガが原作の劇場版アニメ「金の国 水の国」が1月27日に公開される。同作は「サマーウォーズ」などのマッドハウスが制作し、同スタジオの次世代エースとも言われる渡邉こと乃さんが監督を務める。同作の公開を記念し、渡邉監督、「サマーウォーズ」などの細田守監督と共に作品を世に送り出してきたスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサー、「ソードアート・オンライン」などで知られる伊藤智彦監督というマッドハウス出身者のスペシャル鼎談(ていだん)が実現。1972年の創業以来、数々の名作を手がけ、名クリエーターを輩出してきたマッドハウスのすごさを語った。
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齋藤プロデューサーは1999年にマッドハウスへ入社。同社の元社長である丸山正雄プロデューサーに師事した。同期には「進撃の巨人」などの荒木哲郎監督、「映画大好きポンポさん」「劇場版空の境界 第5章」などの平尾隆之監督、「この世界の片隅に」などの松尾亮一郎プロデューサー、「ラブライブ!」シリーズの生みの親の一人と言われる平山理志プロデューサーらそうそうたるメンバーがそろっていたという。伊藤監督は、2001年に入社し、「時をかける少女」「サマーウォーズ」で助監督を務めた。
伊藤監督は、マッドハウス時代を「僕がいた頃は、節操がない会社というか。乱暴なところから出てきたものがたくさんあった。そのマインドがなくなっていないといいなという気持ちはありますね」と振り返った。「パプリカ」「妄想代理人」などで知られる故・今敏(こん・さとし)監督や、「四畳半神話大系」などの湯浅政明監督もマッドハウス制作の作品を手がけており、「なぜそんな人たちが一斉にこの会社に集まっていたかというと、アウトサイダーを許容できる会社だったからです」とスタジオの魅力を語った。
齋藤プロデューサーは「アウトサイダーを別の言い方をすると、梁山泊みたいな感じで、本当に豪傑たちが集う場所だったと思います。その吸引力は会社とか名前ではなくて、人だったと思うんです。丸山正雄という大きな惑星があって、そこにいろいろな恒星が集まってくる。そのクリエーターたちが、そこに集うことによって、またたくさんの才能が集まってくる。出崎(統)さん、りんたろうさん、杉井ギサブローさんというレジェンドから僕らのような新人が集う。その中で、真剣を超えた度数で作品を徹底的に作るんです」と、当時の制作現場を振り返った。
スタジオ地図で細田監督と共に手がけた「竜とそばかすの姫」について、齋藤プロデューサーは「僕らはコロナ禍の中で『竜とそばかすの姫』という作品を作りましたが、大変な中で助けを求めたのが、僕の同期や後輩たちだったんです。なぜそういう人たちに頼んだかというと、『ここまでやらないと作品にならない』『ここまでやらないと映画にならない』という見えないバーがあるんです。そのバーをマッドハウスで教えてもらったというか、自分でそのバーを作った。渡邉こと乃監督もそのバーを持っていると思います。これはほかのスタジオではできないこと。それは、ものすごく今の自分の財産になっています」と思いを語った。
渡邉監督は、伊藤監督や齋藤プロデューサーが当時感じたようなマッドハウスの熱量を今の制作現場でも感じているといい、「当時のような“めちゃくちゃ感”はうまく会社内に残っているような感じはあります。会社のためにというよりは、『監督のために』とか『この人がいるからこの作品をやる』というのが多いんですけど、その熱量がこの現場には残っているなと思います」と、多くのクリエーターを吸引してきたマッドハウスが持つ“人”の力を実感しているようだった。
「金の国 水の国」は、ガイドブック「このマンガがすごい!2017」(宝島社)のオンナ編で1位に選ばれた岩本さんのファンタジーマンガ。2014年に「月刊flowers」(小学館)に読み切りが掲載され、2016年にコミックスが発売された。敵対する二つの国で、金の国の姫・サーラと水の国の青年・ナランバヤルが偶然出会い、国の未来のために夫婦役を演じているうちに恋に落ちる……というストーリー。
アニメは、「BTOOOM!」などの渡邉さんが監督を務め、「プリティーリズム・レインボーライブ」「HUGっと!プリキュア」などの坪田文さんが脚本を担当する。俳優の浜辺美波さんがサーラ、賀来賢人さんがナランバヤルの声優を務める。
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