BLEACH 千年血戦篇:森田成一×折笠富美子×杉山紀彰 10年ぶりアニメシリーズへの思い

「BLEACH 千年血戦篇」の一場面(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ
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「BLEACH 千年血戦篇」の一場面(C)久保帯人/集英社・テレビ東京・dentsu・ぴえろ

 2001~16年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された久保帯人先生の人気マンガ「BLEACH(ブリーチ)」の最終章がテレビアニメ「BLEACH 千年血戦篇」としてテレビ東京系列ほかで10月10日から毎週月曜深夜0時に放送される。2004~12年にテレビアニメが放送され、4度にわたって劇場版アニメが公開された人気作で、テレビアニメが放送されるのは約10年ぶりとなる。「千年血戦篇」は原作の“最後”まで描かれることも話題となっている。放送を前に、主人公・黒崎一護役の森田成一さん、朽木ルキア役の折笠富美子さん、石田雨竜役の杉山紀彰さんに、約10年ぶりのアニメ化への思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇森田成一の一言で現場がピリッ!?

 --「千年血戦篇」の制作が決まった時の率直な感想は?

 森田さん 驚きが大きかったです。うれしさも当然あったんですけれども、物語の終わりが分かっていることもあって、恐怖感みたいなものが強かったです。最終話までやりきってしまうとこの先、黒崎一護を演じることがないのかな?と考えてしまったんです。

 折笠さん この10年で海外のイベントにも行かせていただいて、海外のファンの方々から「(千年血戦篇を)やらないんですか?」と聞かれることもあって「やれるといいよね!」と言っていたんです。最初に「本当に!?」と驚きが湧き上がって、発表の時の皆さんの喜びに私も心が震えたうれしさをとても覚えています。

 杉山さん 前回のアニメシリーズを放送している時、原作は続いているけれど、アニメは一区切りとなって、僕らも「最後までできたらいいですよね」と話していました。2年、3年とたち、難しいのかな?と思っていました。10年後になるとは、当時は思っていなかったですしね。制作されることになり、うれしかったのと同時に「雨竜役はキャストが変わってしまいますか?」と思わず確認してしまいました(笑い)。変わらないということだったので、頑張らねば!と思ったのが、すごく印象的でしたね。

 森田さん 僕も「変わるの?」と聞かれたことがありましたよ。「分からないですけど……」と言っていました(笑い)。新たなキャストも加わり、このメンバーで一丸となって今回のシリーズに突入できたことが非常にうれしいですね。

 --10年ぶりのアニメ再始動ということへの思いもお聞かせください。

 森田さん ゲーム「BLEACH Brave Souls」もあり、新しいファンも増え、皆さんが「BLEACH」を支えてくださっていたんです。海外でも人気ですしね。僕自身ゲームなどでもこの10年、一護を演じさせていただいており、すごく久しぶりというわけではないのですが、会話劇は久しぶりだったので、緊張する部分もありました。声が変わっているのではないかという恐怖もあったのですが、収録の中で調整していき、今は安心して臨んでいます。

 折笠さん 実際に「千年血戦篇」がアニメになって、一ファンとしては喜ばしいのですが「私、演じきれるのかな?」という気持ちが湧きました。多分、森田君や杉山さんも緊張という意味で同じことを考えていると思うんですけれど、キャラクターもパワーアップしていますし緊張感を持ちながら収録に臨んでいます。喜びと緊張が入り乱れている感じです。

 杉山さん 森田さんがおっしゃったようにゲームの収録はしていましたが、ほかのキャラクターとの掛け合いは、すごく久しぶりだったので、第1話の収録はすごく懐かしかったです。森田さん、松岡さんの声を聞いて、そうそう、あの頃こんな感じだったな……と当時のことを思い出しました。懐かしくて、うれしかったです。

 --収録の時、森田さんが涙ぐんだというウワサを聞いたのですが……。

 森田さん 涙ぐんだかな? ウソですよ。

 折笠さん また強がって!

 森田さん 最初の収録では、行木竜ノ介役の山下大輝君、斑目志乃役の瀬戸麻沙美さんと一緒に収録したんです。新キャストの方と一緒で、どうしよう!?となって(笑い)。若い2人なわけですよ。2人の演技をずっと聞いていて、ちょっと僕、思うことがあったんです。立ち上がって、調整室に「すみません。今の演技なんですけど……」と言ったら、空気が一瞬、ピリッとしたんですが、。「2人の演技と比べて、僕の演技っていらないベテラン感が出てませんか?」って聞いたんです(笑い)。

 杉山さん そっちなの!?みたいな。

 森田さん 2人がすごくフレッシュなんですよ。人間ベースの年齢でキャラクターを考えると、行木竜ノ介、斑目志乃と一護ってそんなに年齢が変わらないわけじゃないですか。でも、僕のいらないベテラン感が出ているかもしれない……と思ったんです。スタッフさんは大爆笑でした。そういうことがあったので、泣いたとしたら、悔し涙ですよ(笑い)!

 ◇「任せる」をテーマに

 --「千年血戦篇」では雨竜の活躍も描かれます。演じる中で大事にしたことは?

 杉山さん 最初の物語の流れとしては、、明確にこれから雨竜にフォーカスが当たる……というわけではないので、一護の仲間というポジションを意識して、変に出しゃばらないように気をつけました。フォーカスが当たった時に、考え方を変えて演じたいと思っています。

 --折笠さん、森田さんが演じる中で意識していることは?

 折笠さん 考えすぎないようにしようと思っています。みんなを信じて、スッと入っていき、演じています。

 森田さん 「千年血戦篇」で一護を演じる時、「任せる」をテーマにしていこうと思っています。今まで一護は、先頭を切って戦っていて、ルキアや雨竜、茶渡、織姫に対して「お前たちは無理だ!」と言って、亀裂が入ってしまうこともありました。浦原さんから「黒崎さん、アナタはアナタの為に動いてください。自分で考えて決めていいんスよ。自分が本当にどう動きたいのかを」と言われて、一護はこれまでとは違う肩の(力の)抜け方をしたと感じています。「千年血戦篇」は、オールスターが集結して、戦っていきます。そうなってくると、ある意味では一護も一つのパーツになりますし、それぞれの戦いをそれぞれに任せていきます。一護は「俺は俺の戦いをする」となってくるので、僕自身も同じようにやっていこうとしています。10年たって、僕も人間として丸くなっていますし(笑い)。

 一同 (笑い)。

 森田さん キャスト、スタッフの皆さんで作っていこう!というのが「千年血戦篇」のテーマだと思っているんです。みんなに任せながら、僕は僕の仕事をしっかりとやっていこうとしています。それを一人一人ができれば、本当に素晴らしい「千年血戦篇」になるはずです。今一番、大事にしてることで、最後までこれを通していきたいです。

 -ーキャストのチームワークを感じることは?

 森田さん 7年半にわたって一緒にやってましたし、ほかのキャラクターの声を聞くと、一護の声が出てくるんです。耳が覚えていて、皆さんの声を聞くと、一気に10年前の感覚が戻ってきます。

 折笠さん ずっと皆さんの声を聞いていたから、原作を読んでいると、声が聞こえてくるんですよね。森田君もお話していましたが、今回、スタジオで皆さんの声を聞いた時、スッと戻ってくる感覚がありました。これこれ!と。安心しますね。

 杉山さん 森田さんをはじめ、長く一緒にやっていた皆さんの声、お芝居を聞くと、キャラクターを思い出すプロセスなしに、雨竜を表現できるんです。そうそう、こんな感じだったな……とすぐに出てきます。皆さんの声とお芝居を聞いて、一瞬で当時に戻ります。すごく不思議な感覚なんですけど。

 ◇森田成一&杉山紀彰は中高時代から“背中合わせ”

 --2004~12年放送当時の思い出は?

 森田さん 収録後、杉山君と一緒に電気店に行っていたよね。

 折笠さん パソコン、買ってた!

 杉山さん 朝の収録だったので、終わった後、お昼食べに行きがてら、ゲームコーナー行ったりしていましたよね。

 森田さん 当時はPSPを使っていたよね。毎週、ゲームを見に行っていたな……。

 杉山さん ご飯を食べた後、一緒に「モンハン(モンスターハンター)」をやったり。

 森田さん そう言えば、僕と杉山君は通っていた高校が背中合わせなんですよ。

 杉山さん 僕が通っていた高校の裏側にも高校があって、森田さんはそこに通っていたんです。

 森田さん 杉山君とは同い年なんですよ。お互い中高一貫で、同じ駅を使っていたので、どこかで会っていたかもね。、中高の時から僕らも一護と雨竜のように背中合わせだったんです。不思議な縁ですよね。

 --最後に改めて感じた『BLEACH』の魅力について教えてください。

 杉山さん いろいろな要素があるとは思うんですけれど、一つはキャラクターの魅力が大きな存在としてあると思います。格好よかったり、可愛かったり、怖かったり……など全て含めてキャラクターたちが奥深く、そしてスタイリッシュに描かれているんですね。キャラクターのファッションもすごくスタイリッシュです。物語はシリアスで、熱く、いろいろな魅力が相乗効果になっているんです。僕はそこがすごく大きいと感じています。

 折笠さん 格好いいの一言では収まりきらない魅力がありますよね。言葉や絵や心、哲学……いろいろな格好良さがてんこ盛りのような作品だと思います。たくさんあるのですが、言葉が思いに追いつけないです(笑い)。

 森田さん 二人が言ってるところももちろんそうだと思うんですけれど、付け加えるとすれば、ストーリーが大きな魅力だと思います。久保先生の頭の中には最初から最後まで全て構想があって、完全にできあがった状態でスタートしたんだと思うんです。最後の最後に、これは……と僕たち読者が気付くんです。あの驚きはすごいですよね。これ全部最初から仕組まれていたのか!?となる。完璧に構成されたストーリーがこの作品の魅力だと思っています。

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