NHKは8月26日、大雨災害発生時にアナウンサーが視聴者に行う「命を守る呼び掛け」のノウハウや文言についての会見を行った。水害が相次ぐ中、地域の防災・減災に活用できるよう、同局は計38の呼び掛けを特集ページで公開。作成に携わる同局の横尾泰輔アナは「地域の皆さん一人一人がいずれ使っていただけるようになるといいです」と呼び掛けた。
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災害発生が予想される場合や緊急時に視聴者が避難行動をとるように、アナウンサーはさまざまな呼び掛けを実践している。その文言は、被災者や災害の専門家、避難情報の専門家の意見を反映させ、改善を重ねたものだ。
特集ページでは、大雨に対応する呼び掛けを「雨が強まる前」「雨の降り方が強まったら」「非常事態を伝える」「自治体・気象庁からの情報」というカテゴリ別に紹介している。
横尾アナは、2011年の東日本大震災の臨時ニュースを担当。東京のスタジオから視聴者に向けて避難を呼び掛けた経験が「原点」といい、「津波が到達するまでに、時間的猶予がありました。それにもかかわらず多くの犠牲者が出てしまいました。それ以来、どのように情報を伝えれば人は逃げるのか、どんな言葉なら背中を押すことができるのか、ということを考えています」と明かした。
現在公開されている呼び掛けについては「決して完成しているわけではありません。今後、進化させていって、将来の災害に備えていきたいです」と語った。
林田理沙アナは、災害報道の心構えとして「今、この状況でどう呼び掛ければ、一人でも多くの方が命を守る行動をとっていただけるかということを一番大切にしています。大事なのは『あなたに逃げてほしい』と心の底から思って伝えることです」と明かした。
その上で「災害で命を落とす方がいらっしゃるのは本当に心が痛いです。皆さんが手遅れになる前に、水害時に適切な行動をとれるように、いざという時に呼び掛けを使っていただきたいです」と語った。
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