劇場版アニメ「メアリと魔女の花」(米林宏昌監督)などで知られるスタジオポノックの長編アニメ「屋根裏のラジャー」が制作され、2022年夏に劇場公開されることが12月8日、分かった。同スタジオの長編アニメは、2017年に公開された「メアリと魔女の花」以来、約5年ぶり。「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」などのスタジオジブリ作品に携わり、劇場版アニメ「二ノ国」を手がけた百瀬義行さんが監督を務める。
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「屋根裏のラジャー」は、A・F・ハロルドさんの児童文学「The Imaginary」が原作。ポプラ社からこだまともこさん訳の「ぼくが消えないうちに」が発売されている。人間の想像が食べられてしまう世界を舞台に、少女の想像から生まれたイマジナリという存在である“誰にも見えない”少年ラジャーと仲間たちが、大切な人の未来と運命を懸けた戦いに挑むファンタジー。ラジャーと仲間たちのシルエットが描かれたティザービジュアル、特報が公開された。
ハロルドさんは「この物語が本から映画へどう変化されていくのか、楽しみで興味津々です。そしてスタジオポノック作品だからこそ信頼しています」と話している。
百瀬監督は「“想像”を具現化するのは、とても難しい作業です。『見たことがないもの』を映画で見せるという高いハードルがある一方で、だからこそ、アニメーション表現としての面白みを感じ、挑戦の意識を持って作っています」とコメント。
「“想像の中から生まれた少年”と聞くと、一見、窮屈な印象に思われるかもしれませんが、その少年からの目線に映るのは実に広大で開放された世界です。ラジャーと《イマジナリの町》で暮らす仲間たちは、無邪気で純粋で刹那(せつな)的な存在ですが、この“想像たち”から見た世界を、閉塞(へいそく)感で描くのではなく、この時代を生きる私たちに力を与えてくれる、豊かな気持ちと解放感で満ちた映画にしたいと思います」と話している。
西村義明プロデューサーは「原作を手にしたのは『メアリと魔女の花』を作り終えた直後でした。誰もが経験したことのある人生のきらめき。愉快で、少し怖く、何より心が動きました。この文学を映画にできないだろうか。人間でも幽霊でもロボットでも動物でもない、『人間に想像された少年』の視点で私たちの今を捉える映画を作れないか。2年の間、考え続け、ラジャーの姿が立ち現れました。彼が伝えようとするかけがえのない何かに魅了されていきました」と説明。
「これは、想像の中に生きる少年ラジャーの物語です。誰にも見えないところで必死に生きる世界中の私たちの物語です。そして、あなたの横に愛も希望もいつも『いる』のだと、声高に言う映画です。百瀬義行という才能と、作品に関わる全クリエーターと共に、手描きアニメーション映画のその先を目指します。ぜひご期待ください」とメッセージを送った。
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