人気アニメ「ガンダム」シリーズの劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)のトークイベントが8月19日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、原作小説のキャラクターデザイン原案の美樹本晴彦さん、メカニカルデザイン原案の森木靖泰さんが登場。原作小説の担当編集だったKADOKAWAの井上伸一郎さん、アニメを手がける小形尚弘プロデューサーと共に、小説のキャラクターデザインの秘話を語った。
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「閃光のハサウェイ」は、1989~90年に富野由悠季監督が発表した小説が原作。美樹本さんは「マクロス」シリーズなでも知られているが、「ガンダム」シリーズとの関わりも深い。「実は『ガンダム』の仕事は『マクロス』よりも古いんです。アニメーションの仕事をする前にスタジオぬえに遊びに行っていました。『マクロス』が動き始めた頃、以前、描いていた『ガンダム』の同人誌を見ていただき、サンライズの玩具部門でメンコなどの絵を描く仕事をいただいたんです」と明かした。
「閃光のハサウェイ」のキャラクターデザインについて「富野監督とは直接やりとりしていなかった。よく覚えていないのですが……。『閃光のハサウェイ』以前、安彦(良和)さんが『ガンダム』から離れ、ピンチヒッターとして描かせていただいていた。アマチュア時代は、安彦さんの模写をしていたけど、プロになると、それはよくない。ただ、仕事なので堂々とできるんですよね。『ハサウェイ』は、その延長線上だけど、それまでの仕事とは少し違う」と感じていたという。
中でも難しかったのはヒロイン・ギギのデザインだった。「ギギは捉えどころがない。今も捉えられない。映画を見て、止まっている絵だけで作れるキャラじゃないと感じた。小手先の技でどうにかなるわけではなく、動いてなんぼ。自分にとっては酷でした。感情移入できないところもありますし。映画で芝居をして、表情が付いてこういうキャラクターなんだ……と魅力がよく分かった」と明かした。
ヒゲを生やしたブライト・ノアのデザインも話題になった。「ちょっと年を取った感じを出すために、小手先ですね。ブライトは、好きなキャラクター。寂しいポジションではあるけど、新鮮で好ましかった。いい形で描かせていただいた」と話した。
「閃光のハサウェイ」は、宇宙世紀0105年を舞台に、第二次ネオ・ジオン戦争で苦い別離を経験したブライト・ノアの息子ハサウェイが新型モビルスーツ・Ξガンダムを駆って、地球連邦政府に反旗を翻す姿を描く。アニメは「虐殺器官」の村瀬さんが監督を務める。全3部作。興行収入が20億円を突破するなどヒットしている。
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