ウルトラマントリガー:「ウルトラマンティガ」のインパクトを再び コロナ禍に笑顔を 坂本浩一監督の思い

「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」を手がける坂本浩一監督
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「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」を手がける坂本浩一監督

 特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズの新作「ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA」(テレビ東京系)が、7月10日から毎週土曜午前9時に放送される。1996~97年に放送された「ウルトラマンティガ」の「“真髄”を継ぐもの」として企画。「令和版ウルトラマンティガ」を目指すことも話題になっている。監督を務めるのは、「ウルトラマン」シリーズはもちろん、「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズを手掛けてきた坂本浩一さんだ。坂本監督は「ウルトラマントリガー」で「『ティガ』が当時、子供たちや世間に与えたインパクト」を再び表現したいと考えたという。また、コロナ禍に「みんなに笑顔を」という特別な思いがあった。坂本監督に「ウルトラマントリガー」に込めた思いを聞いた。

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 ◇「ティガ」の続編、リブートではない リスペクトを

 「ウルトラマントリガー」は、超古代の光の巨人伝説というコンセプトや シリーズ史上初めて描かれたウルトラヒーローのタイプチェンジなど「ウルトラマンティガ」の原点を踏襲。3000万年前、闇の力との戦いの末、悠久の眠りについていた光の巨人・ウルトラマントリガーが、光を継ぐ主人公・マナカ ケンゴと一体化し、地球の未来のため再び怪獣災害や闇の力に立ち向かう姿を描く。ボーイズグループ「祭nine.」のリーダー・寺坂頼我さんがマナカ ケンゴを演じる。

 「ウルトラマンティガ」は今年、放送開始25周年を迎えた。「ウルトラマンティガ」は、「ウルトラマン80」以来、約16年ぶりとなる国内地上波のテレビシリーズで、人気グループ「V6」の長野博さんが主人公のマドカ・ダイゴを演じたことでも知られる人気作だ。

 「僕の世代からすると“光の国のウルトラマン”が当たり前だったのですが、『ウルトラマンティガ』は“光の国のウルトラマン”ではない世界観で、タイプチェンジ、本格SFを取り入れるなど、とても魅力的な作品だと思いました。僕は早い時期から『ウルトラマントリガー』の制作に関わっていたのですが、僕が参加した時点では何かしら『ティガ』と関連した作品にするということしか決まっていませんでした。ほぼゼロ発進でアイデア出しから始まりました」

 坂本監督は「『ティガ』は人気作で、一つの完結した、完成された作品として存在する」と感じていたという。「ウルトラマントリガー」は「ウルトラマンティガ」のリブートや続編ではない。

 「続編とかリブートという形だと、蛇足になってしまうと感じました。ただ、『ティガ』が当時、子供たちや世間に与えたインパクトは大きかったと思います。その社会現象を再び起こしたいという意気込みが、『ニュージェネレーションティガ』というタイトルにも現れていると思います。そして、それが僕たちの理想でもあります。作品として『ティガ』の要素を含んでいるので、見ていただけるファンの方はいると思います。ただ、『ティガ』を見る機会が少ない今の子供たちにも、同じインパクトを与えたい、伝えていきたいと感じました」

 放送当時、「ウルトラマンティガ」を見ていた子供たちも大人になった。「これはこうだったよねと子供たちと2世代で楽しめる作品になればと思います」と幅広い世代が楽しめる作品を目指した。

 ◇夢と希望を与えられる光に

 先日、「ウルトラマントリガー」のオンライン発表会が開催された際、坂本監督、キャストの笑顔が印象的だった。坂本監督は「みんなを笑顔にしたいをテーマに掲げています」と話す。

 「もちろん明るい要素もありますが、過去の秘密とか、それぞれが背負った運命などシリアスな面も出てきます。ただ、今の時代はコロナの影響で世界が大変な時期で、この状況下でも見てもらって活力になる作品にしたいという思いがあります。作品を見て、何か感銘を受けたり、元気が出たり、そういうことがエンターテインメントには必要だなとすごい強く感じています」

 坂本監督は2011~12年放送の「仮面ライダーフォーゼ」を手がけたことがある。東日本大震災の年に放送された作品だった。

 「『フォーゼ』もみんなを明るくする『仮面ライダー』を作ろうという思いがありました。今回はやっぱり、みんなを笑顔にしたいんです。みんながマスクをしていますし、笑顔がなかなか見えないじゃないですか。その中で、みんなが笑顔になれるような作品にできればいいですね」

 「『ウルトラマン』55周年、『ティガ』25周年という大きな看板を背負っている作品です。『ウルトラマン』は、みんなに夢と希望を与える希望の光でもあります。『ティガ』の超古代の戦士、超古代の光という要素をうまく絡めていきながら、人々に夢と希望を与えられる光にしていきたい」と話す坂本監督。その思いはきっと子供たちにも伝わるはずだ。

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