はたらく細胞BLACK:榎木淳弥&日笠陽子 「BLACK」にしっくり 挑戦も

「はたらく細胞BLACK」に出演する榎木淳弥さん(左)と日笠陽子さん
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「はたらく細胞BLACK」に出演する榎木淳弥さん(左)と日笠陽子さん

 人間の細胞を擬人化したキャラクターが登場するマンガ「はたらく細胞」のスピンオフが原作のテレビアニメ「はたらく細胞BLACK」が2021年1月9日からTOKYO MX、MBS、BS11ほかで順次、放送される。飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足など不健康の総合商社のような世界を舞台とした“大人”の「はたらく細胞」で、 榎木淳弥さんが赤血球(AA2153)、日笠陽子さんが白血球(1196)をそれぞれ演じる。榎木さん、日笠さんに「BLACK」ならではの挑戦、アフレコの様子について聞いた。

ウナギノボリ

 ◇「BLACK」にぴったり!?

 --原作の印象、キャラクターの印象

 日笠さん 「はたらく細胞」とはイメージが違いますよね。血だらけで、原作もベタが多いです。「BLACK」だけに(笑い)。戦っている印象です。声優人生の中で戦う役が多いんです。学生服よりも武器を持っていたり、よろいを着ていることが多いんですね(笑い)。「はたらく細胞」の現場の隣のスタジオで別の作品を収録したことがあり、「私も『細胞』に出たいよ!」と言っていたんです。でも、「日笠は……」って(笑い)。私は「BLACK」側なのかな? 自信になりました。しっくりきています。

 榎木さん 「はたらく細胞」と比べて、絵のタッチが激しく、取り扱う病気も大人向けです。ストレスを持っている人の病気ばかりですし、こんなに差があるのか!という印象でした。僕も自分の赤血球、白血球に無理をさせているので、日笠さんと同じく「BLACK」側です(笑い)。

 日笠さん ナレーションは津田健次郎さんだし。

 榎木さん 低音ですもんね。

 日笠さん 津田さんは朝ドラ、やっているんだぞ!

 榎木さん でも、みんな「BLACK」にぴったりですよ。

 日笠さん なんで私、「BLACK」なんだろ?

 榎木さん 出てますよ!

 日笠さん 出ちゃってます?

 --キャラクターの印象は?

 日笠さん 白血球は体に害をなす敵を倒して、体を守ります。淡々と敵を倒し、使命に忠実なタイプですね。無印と同じ服を着ているけど、全く別に見える……。

 榎木さん 服が入らないんですかね?

 日笠さん いろいろ大きいです(笑い)。

 榎木さん 新米の赤血球です。やる気があって頑張ろうとする性格は、「はたらく細胞」に近いのですが、「BLACK」な世界、仕事と分かりだしてから、働くとは?とつらさに気付き、自問自答しながら成長していきます。「はたらく細胞」は「働くってすてき!」という世界ですが、また違って……。現実的にはつらいこともあるので、働いている人に共感してもらいやすいかもしれません。

 ◇ギャグは空気感が大事!

 --アフレコの様子は?

 榎木さん コロナ禍のアフレコで、最少人数だったのですが、日笠さん、KENNさん、津田さんと一緒になることが多かったですね。

 日笠さん 津田さんが下ネタの時だけ女子に囲まれてアフレコしていました。誰も笑ってくれないので、つらそうでした。

 榎木さん 僕らだったら爆笑していたのに(笑い)。僕は、テストの時に日笠さんが笑ってくれるので、堂々とできました。本番は笑わないですよ。

 日笠さん ギャグは空気感が大事ですよね。

 --今作ならではの挑戦はありましたか?

 日笠さん 私は感情が表に出るキャラクターを演じることが多く、淡々としたキャラクターが珍しいんです。私自身は感情人間なので、合っているのかな?と不安になることもありました。PVを録(と)った時から「抑えめで」とディレクションがあったので、そこを意識していました。案配が難しくて、自分との戦いがありました。

 榎木さん この作品ならではないのですが、いつもコントロールしないように、予定調和にならないように意識しています。今回は「なまっている」と指摘されることもありました。

 日笠さん 一緒にお芝居をしていると、なまって聞こえてないんですけどね。

 榎木さん 違和感があって、なまっているように聞こえたのかもしれません。実際になまってしまうこともあるんですけど。東京出身なんですけどね(笑い)。

 ◇声優界に存在しない呼吸感 榎木淳弥の魅力

 --PVでは「命がある限り」というキャッチコピーが印象的ですが、これまで命を懸けた経験は?

 日笠さん 過呼吸で倒れたことがあります。作品に入り込んで、キャラクターが発狂するようなシーンで、目の前が黒くなって、倒れてしまい、気付いたらスタジオの会議室でした。その後、やります!!とやり直しました。過呼吸で倒れるのは2回目だったんです。余力を残さず叫んでしまうのかもしれません。息を吸いすぎちゃうのかな?

 榎木さん 僕もクラッとすることはあります。寝不足なのかな? 台本チェックに時間がかかるタイプで、30分のアニメ1話分の台本を読むのに3時間くらいかかる。一言に30分くらいかかることもあります。どういう気持ちなんだろう?と考えてしまうんです。それで、寝不足になってしまう……。毎日じゃないですよ。

 日笠さん 榎木君とがっつりメインキャラクターとして絡むのは初めて。不思議な人なんです。

 榎木さん 単発での共演は何度かあるんですけどね。あの時……と言ったら日笠さんは覚えていない(笑い)。

 日笠さん 榎木君は場になじむんです。

 榎木さん 存在感がないんですよ(笑い)。

 日笠さん 榎木君と共演させていただいて、衝撃だったんです。声優界に存在しない呼吸感というか。こうくるのかな?と予測するけど、榎木君は予測とはまた違うところにいくんです。面白いし、そりゃ売れるわ!って(笑い)。今後もさらに活躍する方なんだろうな……。素晴らしいんです。

 榎木さん ここ、しっかり書いてください!

 日笠さん 主役では特に個性がすごく出る。カメレオンタイプなのかな。榎木君、私のことも褒めてよ!

 榎木さん 日笠さんは作品によって、デフォルメした芝居だったり、自然なお芝居だったり、変わるんですよね。「BLACK」はデフォルメした方で、作品の空気観に合わせてリアルが変わる。作品によってリアルは違いますが、作品に溶け込むんです。僕は頑固なので、全部リアルにしてしまうんですけど。すごいなあ……って。それと、どの現場でも愛されているんですよね。途中参戦でも最初からいたみたいだったり。

 日笠さん ずうずうしいんですよ。2クール目の参加でも第1話からいたような顔しています。

 榎木さん 人柄って芝居に出るものですよね。あ、僕の日笠さんに対する発言は全部カットしましょう(笑い)。

 日笠さん 何でカットなのよ! 自分の時は「書いてください!」って言ったのに。

 ーーちなみに、健康、体調で「BLACK」なところはありますか?

 榎木さん 逆流性食道炎になったので、心配になって人間ドックに行ったけど、数値は全て健康で、胃が荒れているくらいでした。意外といけるのかな? 寝不足なんですけどね。安心しました。

 日笠さん 基本的に元気ですね。20代の時は喉を少しでも痛めたら病院に行っていました。今は、気持ちが元気だったら、何とかなるかな?大丈夫だろ!と思うようになっています。あと、8時間くらい寝ています。今日は10時間くらい寝ました。寝過ぎかな? 自粛期間中は、より健康になるようにサプリを大量にとるようになりました。

 --最後に2020年の振り返りと今年の抱負を教えてください。

 榎木さん あっという間の一年でした。自粛期間もありましたが、けいこをしたり、いろいろな作品を見る時間もありました。なので仕事に関しては、実りある一年だったかなと。来年も楽しくやっていきたいですね。練習もしたいです。

 日笠さん 榎木君、舞台を見てみたいな。すごく映えそう。

 榎木さん たまにゲストとかでやっていますが、体を使った芝居をもっとやってみたいですね。

 日笠さん 私はこれまでお仕事で“東京から出られない声優”だったのですが、去年は海外に行く予定がたくさんあったんです。海外なお仕事をしたい!と言っていたことが実って、去年は行けることになったけど、全部中止になって……。“東京から出られない声優”の名をほしいままにしています(笑い)。生活スタイルが変わった一年でもあって、今までがむしゃらに走り続けて、止まったら終わる……みたいに思っていましたが、自粛期間があり、意外といけるのかな?と気付いたところもありました。これからも走り続けていきますが、もっと周りを見てもいいのかもしれませんね。

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