第1回Kindleインディーズマンガ大賞:大賞に河野大樹さんの「ブス界へようこそ」 アマゾン初のマンガ賞

「第1回Kindleインディーズマンガ大賞」の審査員を務めた(左から)鹿島亮介さん、中川翔子さん、安田かほるさん
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「第1回Kindleインディーズマンガ大賞」の審査員を務めた(左から)鹿島亮介さん、中川翔子さん、安田かほるさん

 アマゾンが主催する初のマンガ賞「第1回Kindleインディーズマンガ大賞」の受賞作品が3月19日、発表され、河野大樹さんの「ブス界へようこそ」が大賞に選ばれた。賞金として、200万円が贈られる。優秀賞には、がちょん次郎さんの「異世界 AV撮影隊」、早坂啓吾さんの「不良が好きな先生」の2作品が選ばれ、100万円がそれぞれ贈られる。また、審査員全員が「大変感銘を受けた」という丸本チンタさんの「サヨナラもっちゃん」が、大賞に続く準大賞を受賞。100万円が贈られることとなった。

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 「第1回Kindleインディーズマンガ大賞」は、マンガ家が無料でAmazon Kindleストアに作品を公開できる「Kindleインディーズマンガ」の一環として、新たなマンガ家の活躍を応援することを目的に開催。今回は、2019年10月10日~2020年1月7日の期間、日本在住者を対象に、年齢、ジャンル、プロ・アマチュア問わず、作品を募集した。審査員として、タレントの中川翔子さん、コミックマーケット共同代表の安田かほるさん、代々木アニメーション学院マンガ科学科長兼講師の鹿島亮介さんらが参加した。

 アマゾンジャパン合同会社のジャスパー・チャン社長は、「日本で初開催となるKindleインディーズマンガ大賞で、最終候補作品に選ばれた皆様、そして受賞された4名の皆様、本当におめでとうございます。今回、優れた才能を持つ多くのマンガ家の皆様にご応募いただけたこと、またKindleインディーズマンガを通して、素晴らしい作品をお読みいただける機会をお客様にご提供できることを大変うれしく思います。引き続き、マンガ家の皆様を応援していきたいと考えています」とコメントしている。

 各審査員のコメントは以下の通り。

 ◇中川翔子さんのコメント

 魅力的な作品が多く、「これはすごい!」というマンガが飛び抜けて輝いていたり、素晴らしい出会いがありました。Kindleインディーズマンガ大賞は、今回が第1回ということで、日本にまだまだ才能が眠っているのを体感できた審査でした。インディーズならではの粗削り感もあったり、もっと読みたいという衝動もあったりと、たくさんの原石に出合えた感動があふれました! 現代は、いいモノは見つけられて評価される世界になっているので、ここから広がっていってほしいと願います!

 ◇ 安田かほるさんのコメント

 大賞の「ブス界にようこそ」を筆頭に力のこもった作品が多くよかったです。「ブス界へようこそ」は圧倒的な熱量が感じられ、テンションが高く思わずページをめくらせる作品でした。私たちが開催している同人誌即売会はインディーズマンガの総本山のようなものですが、今やさまざまなメディアの台頭により、メジャーとインディーズを分けることに意味がなくなりつつあると思います。その中で始まったこの第1回Kindleインディーズマンガ大賞。Kindleという電子書籍の媒体に特化した、既存のマンガ的表現を突き抜けるような作品を読みたいと思います。

 ◇鹿島亮介さんのコメント

 それぞれ魅力、センスが光る作品が多く、作者の「好き」「コレを描きたい」という強い思いが感じられて、とても悩みました。Kindleインディーズマンガの最大の魅力は、出版物につきまとう課題を気にせずに提供される点にあると思います。いわゆる「個の思い」を全力でぶつけることができるのが、インディーズマンガのよさだと思います。

 SNSや投稿サイトの展開により、数多くのマンガが読者の手元に届くようになったおかげで、読者側が自主的に、気軽に作品に出合う機会が多くなりました。その中で読者のニーズを感じ、それに合わせた作品を作り上げることが、これからの描き手に必要な力だと思います。大賞の「ブス界へようこそ」は、圧倒的な個性と絵力があり、インディーズマンガだからこそ出合えた作品です。ちょっと引いてしまいそうになる絵柄とテーマですが、読み進めるとその世界観に引き込まれてしまう面白さがありました。周りに勧めたい作品です。

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