デジモン:愛され続ける理由 名曲「Butter-Fly」の存在 キャラクターの魅力

「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」のビジュアル(C)本郷あきよし・東映アニメーション
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「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」のビジュアル(C)本郷あきよし・東映アニメーション

 アニメやゲームが人気の「デジモン」シリーズ。テレビアニメ第1弾「デジモンアドベンチャー」が1999年にスタートして20年以上がたつ。今なお愛され続け、新作劇場版アニメ「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」(田口智久監督)が公開中だ。テレビアニメ第1弾などのプロデューサーを務め、新作ではスーパーバイザーを務める東映アニメーションの関弘美さんに「デジモン」が愛され続ける理由を聞いた。

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 ◇歌い続けられる「Butter-Fly」

 1997年6月に発売された携帯ゲーム「デジモン」は「たまごっち」のようにキャラクターを育成し、通信対戦でキャラクター同士のバトルを楽しめるのが画期的。小学生を中心に大ヒットした。テレビアニメ第1弾が1999~2000年に放送され、後に「サマーウォーズ」などを手がけた細田守監督の劇場版アニメ「ぼくらのウォーゲーム!」も話題になった。

 その後も「デジモンアドベンチャー02」「デジモンテイマーズ」などが制作され、2015~18年に「デジモンアドベンチャー tri.」が展開されるなど、息の長いコンテンツとして親しまれている。

 関さんは「デジモン」が愛され続けている理由として大きく二つのポイントを挙げる。一つは、テレビアニメ第1弾のオープニングテーマで、新作劇場版でもオープニングテーマとして流れる故・和田光司さんの名曲「Butter-Fly」の存在だ。

 「放送が終わった後もカラオケで歌い続けられる曲になった。聴くとあの頃を思い出すんですよね。音楽の力は大きいです。当時、主題歌の候補曲をレコード会社から提出され、挿入歌になった『brave heart』や『Seven』も最初の候補にあったのですが、一番いいと思ったのが『Butter-Fly』。疾走感があって、盛り上がる」

 新作劇場版を手がけた田口監督は「Butter-Fly」の魅力を「もちろん曲自体にも勢いがあるし、子供心に口に出したいような言葉も詰まっています。抽象的な歌詞だからこそ、いろいろ想像の余地がある。具体的ではないがゆえに、みんなの心の形にハマっていくような、幅がある曲だと思います」と語った。

 「Butter-Fly」は、20代半ば~30代後半のデジモン世代にとって今もカラオケの定番曲になっているという。「デジモン」は名曲と共に愛され続けている。

 ◇“選ばれし子どもたち”、デジモンの魅力

 関さんがもう一つポイントして挙げるのが「キャラクター」だ。

 「“選ばれし子どもたち”は、誰か一人が自分に近い存在だったり、正反対だけど憧れたり、視聴者とシンクロできたのかもしれません。パートナーのデジモンに対しても、こんなモンスターがそばにいてくれたら……という存在にしようとしました」

 デジモンは鳴き声などではなく、人間と同じ言葉をしゃべり、子供とコミュニケーションをとる。仲間だったり、親のようだったり、子供のようにも見える不思議な存在だ。

 「シナリオを作る時、しゃべらないモンスターではなく、何かしらコミュニケーションをとれるモンスターにしたかったんです。アグモンが登場することは決まっていましたが、それ以外のモンスターは自由に選べました。子供たちの性格を考える時、デジモンとの組み合わせを自由にできたことも大きかった」

 デジモンのデザインは、子供向けのアニメとしてとがっていた。デジモンをデザインしてきたデザイナーの渡辺けんじさんにインタビューした際、「子供向けでは今までにないようなデザインになった。初めからぶっ飛んでいた」と語っていた。

 関さんは「私も最初に見た時、アメコミ風のタッチで、ちょっと怖いと思った。でも、この子たちが、面白い声でしゃべれば、可愛く見えたり、好きになってもらえるかな? とも思ったんです。声優のオーディションでは可愛い声、聞いたことのない声の人を選びました」と話す。

 デジモンに声が吹き込まれることで印象が大きく変わり、キャラクターがより魅力的になった。

 新作「LAST EVOLUTION 絆」では、大人になった“選ばれし子どもたち”の心の成長が描かれ、「Butter-Fly」も流れる。まさに「デジモン」の魅力が詰まった集大成のような作品に仕上がった。名曲に感動したり、キャラクターの絆を感じるはずだ。

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