作家の古川日出男さんが「平家物語」を現代語訳した「平家物語 犬王の巻」(河出書房新社)がアニメ化されることが6月12日、明らかになった。劇場版アニメ「犬王」として製作され、「夜明け告げるルーのうた」「ピンポン THE ANIMATION」などの湯浅政明さんが監督を務め、「ピンポン」「鉄コン筋クリート」などのマンガ家の松本大洋さんがキャラクター原案を手がける。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「アンナチュラル」などの野木亜紀子さんが脚本を担当。野木さんが劇場版アニメの脚本を手がけるのは初めて。2021年に公開される。
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「犬王」は、南北朝~室町期に活躍し、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王の実話を基にしたミュージカルアニメになる。犬王は、同時代を生きた観阿弥、世阿弥の父子と同様に三代将軍足利義満の愛顧を受けて、ひいきにされていたと伝えられる。後進である世阿弥には多大な影響を与えたといい、死に関しては「紫雲が立った」と記述する書も残る。数々の名作を描いたらしいが、作品はいっさい現存していない。
私が書いたのは芸能についての小説だ。芸能とは歌であり演奏であり、感情、感動である。私は文字だけでその物語化を成し遂げようと試みた。今回、それらは一冊の本の内側から解き放たれる。すなわち音が、声が、色彩が。それから感情が、もちろん感動が。その監督やその脚本家やそのキャラクターの設計家や、音楽家や、その他その他によって、それらはついに放たれるのだ。
歴史にはわずかにしか書き記されていない、「犬王」という猿楽師を大胆に解釈された古川さんの物語。野木さんの脚本。松本さんのイメージ。これは面白くなるしかないですね。楽しみにしていてください!
湯浅監督はじめ作品に関わる人間が楽しんで作ることができたら、きっとすごいアニメーションになると期待しています。僕も邪魔にならないように、少しでも力になれたらうれしい。
古川さんが著した「平家物語 犬王の巻」を読んだときの高揚と切なさをどう脚本に落とし込むのか、地の文からどう世界をすくい上げるのか、難しくもやりがいのある仕事でした。アニメ表現は無限であり実写の何倍も出来上がりの予想がつきません。松本さんのキャラクターと湯浅監督が織りなす「犬王」がひたすらに楽しみです。
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