広瀬すずさんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」に、6月3日放送の第55回から“モモッチ”こと森田桃代役で出演している伊原六花(いはら・りっか)さん。朝にぴったりなフレッシュさで、「なつぞら」に新風を吹き込んでいる。それもそのはず、伊原さんは本格的に女優活動を始めて1年ばかり。“節目の100作目”にふさわしく、次々と歴代の朝ドラヒロインや個性豊かな“手だれ”が投入されている同作において、圧倒的に新鮮味があり、ファンが従来の朝ドラに求める“若手女優”のイメージとも合致。早くも「ブレークの予感」が漂っている。
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伊原さんは1999年6月2日生まれ、大阪府出身の20歳。バレエ経験や子供ミュージカルへの出演はあったものの、彼女が注目されるようになったのは、大阪府立登美丘高校ダンス部での活動で、キャプテンとして部を牽引(けんいん)、“バブリーダンス”の名の下、さまざまなメディアに取り上げられた。今から約2年前の話である。
その後、伊原さんは昨年3月に高校を卒業すると、本格的に女優活動を開始。同年7月期に放送された連続ドラマ「チア☆ダン」(TBS系)などを経て、あれよあれよと今回「なつぞら」で朝ドラデビューを果たしてしまった。
その間にも、CM出演や水着姿も披露した写真集の発売、さらに歌手デビューと多方面で活躍。女優としても実写版「明治東亰恋伽」で初の主演を務め、今月には2冊目の写真集も発売と、ちょっとした“シンデレラガール”といった感じで、ステップアップを続けてきた。
朝ドラの楽しみの一つに挙げられるのが、ヒロイン含め、オーディションで選ばれるような手あかのついていないフレッシュな若手を“発見”すること。かつては「あさが来た」の吉岡里帆さん、「ひよっこ」の佐久間由衣さん、「半分、青い。」の奈緒さん、そして「なつぞら」の「北海道 十勝編」では、そのポジションを柴田家の長女・夕見子を演じた福地桃子さんが担っていたが、物語の主な舞台が東京へと移ると、出番が減少。代わって登場したのが、福地さんよりさらに出演作が少ない伊原さんで、まさに絶好のタイミングであったといえる。ちなみに、伊原さんのドラマデビュー作「チア☆ダン」には福地さんも出演していた。
絶好のタイミングといえば、フレッシュな若手を求める視聴者の潜在的な“飢餓感”も無視できないだろう。以前は「若手女優の登竜門」とも位置づけられていた朝ドラだが、徐々にその色合いが薄れてきているのは否めない。「まんぷく」の安藤サクラさん、今回の「なつぞら」の広瀬さん、次の「スカーレット」の戸田恵梨香さんと、オーディションではなく、キャスティングによるヒロインが続いていることもあるのかもしれないが、要はワクワクするような出会いがまだまだ足りないのだ。
そういった意味でも期待したいのが伊原さんだ。今のところ演技面でも周囲と比べて見劣りするような部分はなく、すっと作品に溶け込むことに成功。見ている側が応援したくなるような、朝ドラらしい親近感や愛らしさも備えている。
伊原さん演じるモモッチは、東洋動画でセル画の彩色を担当し、会社ではヒロイン・なつの隣の席。以前、伊原さんは「私が演じる森田桃代ちゃんは、おしゃべり、うわさ話が大好きな女の子です。なっちゃんと出会って心動かされ、共に成長していきます。会えたらホッとして、心が軽くなるような親友、相談相手としても寄り添えたらなと思っています」と語っていたが、モモッチが数々のブレーク女優を生んだ“ヒロインの親友枠”というのも見逃せない。やはり「予感」は間違いなさそうだ。
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