MD松尾のゲームヒットランキング:19年4月は「Days Gone」がトップ 「プロスピ」の延期が…

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが毎月のTSUTAYAでのソフト販売ランキングを基に市場の動向を振り返る。

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 2019年の4月は、昨年と比べるとかなり下げました。ソフト、ハードともにかなり厳しかった印象。大きな要因の一つに挙げられるのが、「プロ野球スピリッツ2019(プロスピ)」(コナミデジタルエンタテインメント)の延期です。昨年のこの時期は「実況パワフルプロ野球」(同)が発売されてヒットしていましたから、その分が今年は純粋に売り上げ減につながっています。予約ベースでは今回の「プロスピ」の方が上回っていたので、本来なら前年超えも狙えたはずなのに……という思いです。

 さてそんな19年4月のトップは「Days Gone」(PS4、SIE)でした。「Horizon Zero Dawn」(同)、「Bloodborne」(同)あたりと同程度の販売を予測していましたが、10連休となったゴールデンウイーク需要もあってか、よく売れました。特に20~30代のユーザーが多い印象で、海外ゲームより「BIOHAZARD RE:2」(PS4、カプコン)などの国産ビッグタイトルのユーザーが多い印象。ゴールデンウイークのまとまった時間にじっくり遊びたいという大人の需要を捉えたとみています。

 続いたのは「スーパードラゴンボールヒーローズ ワールドミッション」(NS、バンダイナムコエンターテインメント)。3DSで発売された前作を上回る売り上げで、こちらは昨年末に公開された劇場版アニメ「ドラゴンボール超 ブロリー」のヒットが貢献したといえそう。人気シリーズ「地球防衛軍」の外伝的作品の「EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN」(PS4、ディースリー・パブリッシャー)は、さすがにオリジナルからは下げています。

 特筆しておきたいのが「ファイナルファンタジー10/10-2 HD リマスター」(NS、スクウェア・エニックス)、「ファイナルファンタジー12 ザ ゾディアック エイジ」(同)のヒットです。スイッチでの発売ということで購買層を見てみると、これまでのFFシリーズのファンではない新規のユーザーさんも入ってきている印象。2週目以降の減退もPS版より緩いですね。一時期スマホゲームに行っていたユーザーさんが再び家庭用ゲームに戻ってきたと分析。まだまだロングセラーとして売れており、今後にも期待しています。

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1位 Days Gone(PS4)
2位 スーパードラゴンボールヒーローズ ワールドミッション(NS)
3位 EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN(PS4)
4位 SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE(PS4)
5位 ヨッシークラフトワールド(NS)
6位 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(NS)
7位 Minecraft(NS)
8位 New スーパーマリオブラザーズ U デラックス(NS)
9位 ファイナルファンタジー10/10-2 HD リマスター(NS)
10位 ファイナルファンタジー12 ザ ゾディアック エイジ(NS)
11位 ソードアート・オンライン -ホロウ・リアリゼーション-(NS)
12位 マリオカート8 デラックス(NS)
13位 Splatoon2(NS)
14位 ディビジョン2(PS4)
15位 スーパー マリオパーティ(NS)
16位 ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド(NS)
17位 チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!(NS)
18位 デビル メイ クライ5(PS4)
19位 スーパーロボット大戦T(PS4)
20位 ちょびっと版 Nintendo Labo: VR Kit(NS)


 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約550店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。1996年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。2002年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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