連続ドラマ「向かいのバズる家族」(読売テレビ・日本テレビ系、木曜午後11時59分)で主演を務める内田理央さん。ドラマは、SNSを巡る家族の崩壊と再生を描く作品で、内田さんはある日突然“バズった”ヒロイン・篝(かがり)あかりを演じている。「普通の女の子がひょんなことからバズってしまうって話だから、そこはみんなが共感できるようにと心掛けていますね」と話す内田さん。昨年放送の話題作「おっさんずラブ」では「楽しくお芝居をするってことを学んだ」といい、「だから、今はすごく楽しくやっています!」と充実感をにじませる内田さんに話を聞いた。
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ドラマのタイトルにも含まれ、今回の作品を語る上で欠かすことのできない『バズる』『バズった』といったワードが「私の中で浸透したのはここ1~2年」と明かす内田さん。「これが『炎上』ってなると悪いイメージですけど、『バズる』ってどっちつかず。いい意味ではあるのかなって思ったりもするんですけど、どっちに転ぶのか分からないっていう恐怖を感じます。例えいい意味でバズっても、絶対にそれを悪くいう人は出てくるので、それがネットの怖さかな」と印象を語る。
内田さん自身、バズる、炎上するの温床にもなりうるツイッターやインスタグラムを日常的に活用はしているが……。「自分はバズったことはないんですけど、ネットでの失敗はちょいちょいあって」と苦笑い。
「フォロワーが増えれば増えるほど、ちょっと載せた水着写真に対して『水着なんて着させられて可愛そう』って意見が出たり。自分が好きで着ているのに『それって何の心配?』って思ったりも。あとは、何の気なしに描いた絵を載せたら『内田が病み始めた』って言われたり。思いもよらない反応があるから、私が伝えたいことはちゃんと伝わっていないんだって悔しい思いをすることはありますね」としみじみ。SNS活用にあたり「昔より注意するようになった」とも話していて、「そうすることによってつまらなくはなっているのかなって思いますけど」と複雑な思いを抱いているようだ。
これまで、どちらかというと後輩OL役のイメージのあった内田さんが、今回はカフェの店長を演じている。「キャピキャピしていたり、ちょっと嫌な女って立ち位置が多かった中で、あかりは、裏の顔は持っているんですけど等身大というか普通の女性で、かつ店長でっていうのは自分の中でもイメージはなかった」と本人も感じている。
あかりは「普段は笑顔の多い優等生であるんですけど、ダークサイドを抱えたギャップのあるキャラクター」で、「家での自分、仕事場での自分、好きな人の前での自分が全部違っていて。でも、これってみんな思い当たる節があるんじゃないのかなって。電話の声のトーンが一段階上がってしまったり、母との会話では逆に下がったり。そういう“あるある”みたいな、自然とできてしまうギャップを私は感じながら、細かく演じています」と話す。
「すごく特徴のある女の子ではないので、その分、難しさはあるんですけど、なんか仮面をかぶっている、無理して笑っているっていうのは理解できる部分ではあるし、いい人に思われたくて、ずっとニコニコしていたりとか、分かりますね」と共感を寄せていた。
あかりのような二面性は「私はあまりない」といい、「こんなことをやっちまったって隠さずに見せてしまうので、恥ずかしい、触れられたくない過去ってあまりなくて、自分から言ってしまう、話してしまうタイプ。そういった意味では今の私はきっとあかりの10年後なんですよ」といった持論も。「昔は私も自分で自分のギャップに苦しんだ時期はあって、周りに勇気を出して言ってみたら、人様にはどうでもいいことだったりした。隠している意味がなかったというか、そこから自分のことを隠さなくなりましたね。だから、あかりも10年たてばきっと笑って言えると思う」とアドバイスを送っていた。
内田さんは特撮ドラマ「仮面ライダードライブ」で本格女優デビューしてから今年で5年を迎える。役を演じることへの気持ちの変化を聞いてみると「すごくありますね」と回答が。「最初は頑張らなくてはいけない、期待に応えなくてはいけないっていう思いが強くて。周りに迷惑かけたくないからせりふを覚えて、下手って思われたくないから一生懸命、抑揚をつけてってあったんですけど、『おっさんずラブ』で楽しくお芝居をするってことを学んだので、今はすごく楽しくやっています」と笑顔を見せる。
もちろん、今後も「お芝居は続けていきたい」と力を込めつつ、「声(声優)のお仕事はずっと興味があるものなので、いつかはやりたいなって思っています。今までやったことがなくて、自分からやりたいって言ってこなかったんですけど、もともとアニメ好きっていうのもあるので、声の仕事は憧れというか、携わりたい。いつかやれたらなって思っています」と語っていた。