広瀬すず:100作目朝ドラヒロインは必然 強運引き寄せる「完璧主義」と「負けず嫌い」

100作目の朝ドラ「なつぞら」のヒロイン・広瀬すずさん (C)NHK
1 / 2
100作目の朝ドラ「なつぞら」のヒロイン・広瀬すずさん (C)NHK

 4月1日から放送される2019年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「なつぞら」で主演を務める広瀬すずさん。10代半ばから第一線で活躍し、人気若手女優の筆頭に挙げられる広瀬さんが今作で担うのは、節目の100作目の朝ドラヒロインという大役だ。昨年の大みそかには「平成最後」の紅白歌合戦で紅組司会を担当。「なつぞら」でも放送中に平成から新元号へと切り替わるなど、広瀬さんは時代にさえも愛されているような印象を受ける。自身の強運ぶりについて「巡り合わせの運だけは異常に強いんですよ。この時代に生まれたことに感謝だなって」と話す広瀬さんに、「なつぞら」スタートを目前に控えた心境を聞いた。

あなたにオススメ

 ◇人気女優の登竜門を次々とくぐり抜け… 原動力は「悔しいという気持ち」 

 1998年生まれで現在20歳の広瀬さん。2012年に人気女優の登竜門ともいわれる雑誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」に選ばれると、13年に連続ドラマ「幽かな彼女」(フジテレビ系)で女優デビュー。14年には、やはり人気女優の登竜門とされる結婚情報誌「ゼクシィ」(リクルート)のCMガールや全国高校サッカー選手権大会の応援マネジャーを務め、15年には是枝裕和監督の映画「海街diary」で銀幕デビューを果たし、細田守監督の劇場版アニメ「バケモノの子」では声優に初挑戦。特に「海街diary」の演技は高い評価を受け、わずか16~17歳にして女優としての地位を確立した。

 その活躍は翌16年も続き、3月公開の「ちはやふる」で映画単独初主演。厳しい演技指導をすることで有名な李相日監督がメガホンをとった映画「怒り」では、渡辺謙さんや宮崎あおいさん、妻夫木聡さん、綾野剛さん、松山ケンイチさんら、名だたる共演者に交じっても存在感を失わず、難役を演じ切った。また是枝監督と再びタッグを組んだ17年公開の映画「三度目の殺人」の演技で第41回日本アカデミー賞で最優秀助演女優賞に輝いた。

 広瀬さん自身が言うように運も多少は味方したとは思うが、ここまで築いてきたキャリアは同世代として飛び抜けている。運も実力のうちとはよく言ったものだが、100作目の朝ドラヒロインという大役を引き寄せたのは広瀬さんの実力だ。女優としての原動力は「悔しいという気持ち」で、「もともと、負けず嫌い、完璧主義なところがあるので、やり遂げないと気が済まないというか、そういうところは男っぽい。悔しいって気持ちが結構バネになります」と語っている。

 ◇ハードな撮影も「ずっと楽しい」 今後も「せっかくだから」の精神を胸に…

 朝ドラの撮影では1日50~60シーンのリハーサルを行うのはざら。それでも広瀬さんは「ずっとフラット」といい、「まだ、大変だなって思ったりもしないですし、逆にこんなに楽しいんだって、聞いていた話とはちょっと違うというか(笑い)。一日中、お芝居をさせてもらっている、毎日がすごく楽しい」と笑う。

 「今まで朝ドラのヒロインをやられてきた皆さんから『大変だった』って話を聞いていたので、覚悟しておこうって思ってはいた」と言うが、「確かに朝から晩まで撮影はあって、毎日、現場にいるので、周りに『大丈夫?』『寝られている?』って心配されたりもするんですけど、『本当に大丈夫そうだな』って言われるくらい、撮影がずっと楽しい」と頼もしい発言も。

 どんなにハードな撮影現場であろうと「楽しめる」というのも広瀬さんの強み。以前に出演した作品で共演した先輩俳優から「せっかくだから楽しみなよ」とアドバイスをもらったことが転機になったといい、「すごく都合のいい言葉でもあるんですけど、その言葉にすごく救われた」と振り返る。

 「それからは『せっかくだからやらせてもらおう』とか『せっかくだから楽しもう』って思うようになりました。もちろん、役や作品の重さを感じなくていけないなって思うんですけど、感じすぎると自滅するので、せっかくなら、この巡り合わせの強い運を持っているからこそ、今回も楽しませてもらおうって」と前向きに語っていた。

 「なつぞら」は100作目の朝ドラで、脚本家の大森寿美男さんのオリジナル作。広瀬さん演じるヒロインの奥原なつは1937年、東京生まれの設定。大空襲を生き延びるものの、両親を戦争で失う。兄・咲太郎(さいたろう)、妹・千遥(ちはる)と別れ、父の戦友だった柴田剛男に一人引き取られ、北海道の十勝地方に移り住む。柴田家の家業である酪農を手伝う中、持ち前の明るさを取り戻し、北海道移民1世である剛男の父・泰樹から、開拓者精神とともに人生で大切なことを学んでいく。全156回を予定で、4月1日からNHK総合で毎週月~土曜午前8時ほかで放送される。

写真を見る全 2 枚

テレビ 最新記事