歌舞伎俳優の尾上松緑さんと中村萬太郎さんが27日、愛知県警察・中警察署の一日警察署長と一日警察官に就任し、名古屋市内の複合商業施設「LACHIC(ラシック)」で、防犯イベントを行った。2人は警察の制服姿で、一日警察署長となった松緑さんは「私、何度か東京で職務質問をされる側になったことがあります。そんな私がこういう栄誉ある制服を着させていただくのは本当にありがたいこと」とジョーク交じりに明かして、集まった観客を驚かせた。
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松緑さんは職務質問を受けた際を「街を歩いていたときに『君、身分証を見せて』というような感じで……」と振り返り、「どちらかというと怪しく思われるんでしょうか」と苦笑い。制服姿について「制服の中でも特別なものですから、責任を感じます」といい、「微力ではありますが、名古屋でも東京でも(防犯に)協力できることがあれば、やっていきたい」と話した。
また一日警察官となった萬太郎さんは「昨日まで、僕も警察署長だと思っていたんですが、警察官だった……」と肩を落とし、「次は署長として呼んでもらえるよう頑張ります」とちゃめっ気たっぷりにコメント。制服を着て「犯罪を許さないぞ!という気持ちになりますね」と表情を引き締めていた。
松緑さんと萬太郎さんは10月1~25日に御園座(名古屋市中区)で歌舞伎公演「第四十九回吉例顔見世」に出演する。2人は「連獅子」で共演する予定で、松緑さんは「萬太郎さんとしっかり踊るのは初めてのような気がしますので、非常に楽しみ。大変な踊りですから、これから一生懸命けいこをして息を合わせて踊りたい」とコメント。萬太郎さんは「兄さん(松緑さん)の胸を借りて臆することなくぶつかっていきたい」と意気込んだ。
この日の防犯イベントは「特殊詐欺被害防止キャンペーン」と題され、2人は、ラシック1階の特設ステージで、振り込め詐欺や架空請求詐欺などの被害に遭わないための予防策などをPR。中署の広報啓発キャラクターで歌舞伎俳優をモチーフにした「歌舞錦役者(かぶきんやくしゃ)」も登場した。