米林宏昌監督や西村義明プロデューサーら、スタジオジブリ出身者が多く在籍するスタジオポノックの短編アニメ集「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」(24日公開)の完成披露プレミア試写会が19日、東京都内で行われた。3編の短編映画で構成されているが、西村プロデューサーは「本当は4本あって、一つは高畑勲監督が作ろうという話があったんです」と、本作に今年4月に亡くなった高畑監督が参加する構想があったことを明かした。
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西村プロデューサーは続いて「僕たちの師匠(高畑監督)が今年亡くなってしまって、本当に残念です……」と話し、「手厳しい方でしたけど、すごく応援してくれる方ですし、米林監督、山下明彦監督、百瀬義行監督、みんな、高畑監督の背中を見て育ってきて、高畑監督はこの3本の中に生きているんだろうなと思っています」と故人をしのんだ。
西村プロデューサーと高畑さんは頻繁に会っていたそうで、「『人間死んだらどうなるか』という話をしていました。(高畑監督は)『日本人は“草葉の陰から見守る”という言葉がある』んだと。だから高畑さんも、この会場でこっそり見ているかも」と語っていた。
イベントには木村文乃さん、鈴木梨央さん、米林監督、尾野真千子さん、篠原湊大くん、坂口健太郎さん、百瀬監督、田中泯さん、山下監督、エンディングテーマ「ちいさな英雄」を歌う木村カエラさんも登場した。
「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」は、同スタジオの短編アニメーションプロジェクト「ポノック短編劇場」第1弾。「カニーニとカニーノ」(米林監督、18分)、「サムライエッグ」(百瀬監督、16分)、「透明人間」(山下監督、13分)の3編と、オープニング&クロージング(計7分)の映像で構成されている。
「カニーニとカニーノ」は米林監督初のオリジナルストーリーで、カニの兄弟の大冒険を描いたファンタジー。木村さんが主人公のカニーニ、鈴木さんが弟カニーノを演じている。「サムライエッグ」は、卵アレルギーを持った少年シュンとその家族が懸命に生きる姿を描く。尾野さんがママ、篠原くんがシュンの声を担当。坂口さんも出演している。「透明人間」は、見えない男の孤独な闘いを描いたスペクタクルアクション。オダギリジョーさんが透明人間、田中さんが盲目の男の声を担当している。
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