藤田富:「ブレることはカッコ悪いことではない」 仮面ライダーアマゾンズが教えてくれたこと 

映画「仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判」に水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ役で出演している藤田富さん
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映画「仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判」に水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ役で出演している藤田富さん

 特撮ドラマ「仮面ライダーアマゾンズ」の完結編となる劇場版「仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判」(石田秀範監督)に水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ役で出演している藤田富さん。2016年4月のシーズン1の配信開始から丸2年以上、作品と役に向き合ってきた藤田さんは「悠はいろいろなことに影響を受けて、すごくブレたりするんですけど、ブレることがボクには逆にカッコよく見えて。ブレることはカッコ悪いことではないんだって悠が教えてくれたというか。いろいろな状況の中で迷ったり葛藤したり、必死に生きていくことが生き物らしいんだって教えてくれた」と振り返る。藤田さんに撮影の裏側を聞いた。

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 「仮面ライダーアマゾンズ」は、「仮面ライダー」シリーズ生誕45周年を記念し制作され、1974年に放送された「仮面ライダーアマゾン」のリブート(再起動)作となる。アマゾンの動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」で、16年4月にシーズン1がスタート。シーズン2も17年4月から配信された。

 劇場版では、人間によるアマゾン殲滅(せんめつ)作戦が佳境を迎え、この世に生存確認されている残り2体のアマゾンのうちの1体とされる水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ(藤田さん)は、アマゾン駆除組織「4C」によって追い詰められるも、悠の義妹の美月(武田玲奈さん)と共に謎の少女ムク(国府田聖那さん)に救われ、人里離れた切子村の養護施設「切子聖園」にかくまわれる。しかし、施設の実態は地下礼拝堂にいる「創造主」から人間の食料用の「アマゾン」を生み出す「アマゾン牧場」で……というストーリー。

 ◇どういう答えが出たらファンのみんなは納得するのか…

 劇場版は19日に公開された。現在の心境を藤田さんは「シーズン1が始まるときは、シーズン2とか映画があるとは思っていなくて。でもこここまで来られたってことが、すごくうれしくて。映画もどういう答えが出たらファンのみんなは納得するのかを考えながら、最後まで走り抜くことができた」と力を込める。

 今回、人間のタンパク質を好む食人本能があり、駆除対象だったアマゾンが、今度は人間の手で食料用に養殖されるという猟奇性に加え、悠と鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ(谷口賢志さん)が、スタイリッシュなアクションを一切排して自分の肉体のみで戦う。本能と本能、生と生の不格好極まりないぶつかり合い、ついに悠が“一線を越えてしまう”という衝撃の展開も用意され、見どころは多い。

 「悠と仁の生身のアクションは、ある意味、本当にやりたかったことではあったんですけが、でもキレイなアクションではなく、生き物同士、野獣同士が絡み合っているような感じで、普通に(鷹山仁役の)谷口さんが怖かったですね。実際に手もかまれましたし、アザが残るくらいで。そのぶつかり合いを本気でやったので、いいものができたんじゃないのかなって思いますね」としみじみ語る藤田さん。

 「ミスしてしまったときも感情が乗っていたので、そこは関係ないって続けました。そのままオーケーテークが出たので、決してキレイなアクションではなかったけど、生き物の本能と本能のぶつかり合いとしては、結果オーライだったかな」と満足そうな笑顔を見せた。

 ◇冷静ではいられなかった悠の“一線越え” 鷹山仁役・谷口賢志への思いと変化

 一方で、これまで全く人間を食らうことなく生きてきた悠が、物語の終盤に一線を越えてしまったことについては「シーズン1と2の悠の信念を覆すシーンだったので、今でも正直、食べてよかったのか、冷静に考えても答えは出なくて。でも悠は、そこで冷静ではいられなかったってことですよね」と複雑な心の内をのぞかせる。

 また劇中同様に、鷹山仁役の谷口さんとは不思議な絆、師弟関係があったという。「谷口さんと接して、演技をやらせていただくと、感化されて、いままで考えたこともなかったような自分が出る。自分が持っている力以上のものが出せたりして、いい役者さんってこういう人のことをいうのかなって、共演していて思いましたね。そういう役者さんと、もっと出会いたいと思いますし、いろいろなことを学んでいった結果、ボクもそういう役者になれたら」と理想を語る。

 さらに藤田さんは「役者を始める前は自分のことしか興味がなかった。自分がどうすればカッコよく見えるかとか、自分はどう生きていくのかってことばかり考えていたんですけど、アマゾンズを経験して、周りに目もいくようになったし、人と接するのが楽しくなりました。役を演じるにあたって、こういう人って確かにいるなって、他者に対して興味が湧くようになったというか、演じること、イコール人を知るということなのかなって思います」と屈託のない笑顔を見せていた。

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