百田夏菜子:劇場版アニメのヒロイン初挑戦の喜びと苦悩 アイドル、女優、声優と大活躍の現状は…

劇場版アニメ「映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ」でゾロリーヌ役を務める百田夏菜子さん
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劇場版アニメ「映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ」でゾロリーヌ役を務める百田夏菜子さん

 アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のリーダー、百田夏菜子さんがヒロイン役の声優を務める劇場版アニメ「映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ」(藤森雅也監督)が25日、公開される。百田さんは劇場版アニメでヒロイン役の声を務めるのは今回が初めてで、若き日のゾロリの母・ゾロリーヌ役を演じる。百田さんにヒロイン役の声優の感想や、アイドル、声優、女優と幅広く活躍する現状への思いなどについて聞いた。

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 ◇ヒロインとは“怖いもの知らず”な性格で共通 

 「かいけつゾロリ」は、“いたずらの王者”を目指すキツネのゾロリが双子イノシシのイシシ&ノシシと共に冒険を繰り広げる児童文学で、累計発行部数3500万部を突破している原ゆたかさんの人気シリーズ。劇場版アニメ5作目となる今作はシリーズ30周年記念作品として、ゾロリたちが過去にタイムスリップし、衣装に縫い付けられたトレードマーク「ZZ」の秘密が明かされる……という原点に迫るオリジナルストーリーが描かれる。脚本は劇場版アニメ「聲の形」や「夜明け告げるルーのうた」などの吉田玲子さんが担当。主人公のゾロリ役は山寺宏一さんが務め、主題歌を百田さんと山寺さんが担当している。

 劇場版アニメのヒロイン役に初挑戦する百田さん。役が決まったときは、「重要な役どころだと思っていなかったので、最初に聞いたときは、なじみがなさすぎて『えっ?』と戸惑いました。台本を読ませていただいたらとてもガッツリ出番があるから、すごくプレッシャーもありました」と明かすも、「ずっと本を読んでいた作品だったので、映画に参加できる喜びはものすごくありました」と笑顔で語る。

 とはいえ、本格的な声優業も初挑戦。本番の収録までは苦悩の期間だった、と百田さんは話す。「台本が上がってくる前は想像するしかなくて……。ゾロリのお母さんってすごく優しくておっとりしたイメージがあったので、実はこんなにアクティブだって分からなくて、ひとりでどんどん悩んじゃいました」という。そんな中、野沢雅子さんにアドバイスをもらう機会もあり、「今考えていることは一回全部捨てようって思ったんです」と吹っ切れるタイミングがあった。真っ白な気持ちで台本に向き合った百田さんは、「ゾロリーヌってアクティブで怖いもの知らずで駆け抜けていく。自分に近い部分もあるなと思ったら(役を)作りやすくなりました」と笑顔で語る。

 ゾロリーヌと自分とは、「怖いもの知らずなところ」が似ていると笑う百田さん。「とりあえずやってみようとか、こうって決めたら、手段を選ばないところが似ていると思いました。私も、決めたことは絶対やりたいと思うタイプだし。知らない人に初めて会っても、話しかけちゃったりとか、怖いもの知らずな部分があるんです。その人が誰でもまあいいやっていうところがあります(笑い)」と楽しそうに語る。

 アフレコでは、ゾロリの“気持ち”を大事にすることを心がけた。「アフレコはキャラクターの口に合わせてせりふを言うから、最初は気持ちよりも、声を合わせることに意識がいってしまっていたんです。でも、監督から『そのせりふはちゃんと(気持ちを)ゾロリにかけてあげて』とか、たくさんアドバイスをいただいて、やっぱりどんなものでも気持ちがこもってないと伝わらないのかなって。そういう部分では女優業に通ずる部分もあるな、と思いました」と語る。

 ◇多方面で活躍も「気持ちがついていけていない」と戸惑いも……

 演じたゾロリーヌは「すてきな洋服を作りたい」という夢を持っているが、自身は「スポーツ選手」が夢だったという百田さん。一時は新体操のクラブチームに入る未来を思い描いていたこともあったというほど本格的で、現在の姿に「あれ? こんな予定じゃなかったな、と思ったりすることもあります。今の状況はまったく思い描いていなかったので、不思議ですね」と笑う。

 声優のみならず、2016年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「べっぴんさん」にも出演し注目を集めるなど女優としても活躍中だが、こういった状況について、「世の中で起きていることに、気持ちがついていけていないことが多々あって。朝ドラのときもそうでしたが、もちろん(出演が)すごいということは重々分かっているけど、声をかけられる量が尋常じゃなくなったりしたときに『何が起きているんだろう?』みたいな……」と戸惑いの表情も。「今回も、山寺さんと主題歌を歌ったり、小さなころから読んでいた作品のヒロインをやっているとか、怖くてあまり客観視できていません」と打ち明け、「とりあえずまっすぐ仕事を全うするしかない。目の前のことだけ考えるようにしています」と心境を語る。

 一方、新しいことに挑戦したい気持ちも強い。百田さんは、今後の声優業については「難しさや大変さを身にしみて体感したので軽々しくは言えませんが、もし機会があったらまたやってみたいなと思います」と前向きだ。では、新たな次の野望は? そう聞かれると「アクション!」と、かつてスポーツ選手を目指していた百田さんらしい回答が飛び出した。「カッコいいなって。映画を見るのがすごく好きで、アクションシーンもすごく好き。殺陣(たて)もやったことがないので、興味があります」と思いのたけを語った。

 <プロフィル>

 ももた・かなこ。1994年7月生まれ、静岡県出身。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」でリーダーとして活動すると同時に、女優としても2016年後期の朝ドラ「べっぴんさん」の小澤良子役を演じるなど活躍。「映画かいけつゾロリ ZZ(ダブルゼット)のひみつ」ではゾロリーヌ役で劇場版アニメのヒロインに初挑戦。ゾロリ役の山寺宏一さんと今作の主題歌も担当した。

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