話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、丸戸史明さんのライトノベルが原作の「冴えない彼女の育てかた♭（フラット）」です。アニプレックスの神宮司学プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　－－作品の概要と魅力は？

　2015年1～3月に第1期が放送された「冴えない彼女の育てかた」の続編となります。約2年を経て、ようやく本年の4月から、2期が放送開始となっております。

　作品概要ですが、主人公の安芸倫也がとある女の子と運命的な出会いをしたことをきっかけに、その女の子をモデルにしたゲーム作りを思い立ちます。その女の子は、目立たない普通のクラスメートの加藤恵。そんな恵をメインヒロインにしたギャルゲーを作るべく、金髪ツインテールの幼なじみで人気同人サークル作家の澤村・スペンサー・英梨々を原画担当、学年一の優等生で実は人気ライトノベル作家の霞ヶ丘詩羽をシナリオ担当、最終的に倫也の従弟の氷堂美智留が音楽担当として加わり、サークル「blessing software」の活動が始まる。このような内容となっております。

　ちなみに今回も原作の丸戸先生が全話の脚本を手がけており、さらに亀井（幹太）監督が全話数のコンテを担当しております。1期よりいろいろな意味でパワーアップしたアニメ「冴えカノ♭」、引き続きお楽しみください。

　－－アニメにする時に心がけたことは？

　1期は、一人でも多くの方々に、「冴えカノ」という作品と登場キャラクターたちを好きになってもらえるよう、原作サイド、アニメ制作陣には、キャラクターたちの魅力を徹底的に描いていただきました。重い話は、見たくないという方々もいらっしゃるかと思いますが、今回はあえて、キャラクターたちが成長していく姿を描くことを大事なポイントにしています。

　－－キャラクターを魅力的に見せるために工夫していることは？

　詩羽の黒スト描写、ヒロインの太ももなど、1期でも好評だった描写は、今回も健在です。亀井監督の性癖は筋金入りなので……。重めのドラマ展開を邪魔することなく、絶妙なバランスでフェチ要素をちりばめていただき、大変感謝しております。亀井監督に一生ついていきます！　ちなみに、4話で着けていた詩羽の下着の件、“白”の案もあったのですが、結果シャツから透けて見える“黒”の案が採用されています。

　－－作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは？

　毎週放送に合わせウェブ限定で公開している次回予告ですが、1期同様、丸戸さんに書き下ろしていただいています。1期の時も大概、尺が長かった＆関係各所から「1期のころよりも短めにお願いします」と言われていたため、今回も原稿をお願いする際、「何とか30秒で収めてほしい」と丸戸さんに懇願したところ、「30秒なんかでは書けない」と丸戸さんにマジギレされました。とある話数では、むちゃな予告原稿の収録を敢行した結果、監督と音響監督にマジギレされました。今回の予告動画制作は、波瀾（はらん）万丈でしたが、ファンの方々から良い評判をいただけたのが、唯一の救いです。

　－－今後の見どころを教えてください。

　今週、いよいよ6話の放送です。今回で英梨々回のクライマックスを迎えます。5話で倒れる前に英梨々が描き上げたイラストを6話で見ることができます。

　5話作中で英梨々が悩み、試行錯誤しながらようやく描き上げたイラストですが、このイラストを描かれた深崎（暮人）さん自身もこのイラスト作業中、非常に悩み、何度も闇落ちを経験した上で描き上げた渾身（こんしん）のイラストとなっていますので、お楽しみに！！

　深崎さんファンからは、「アニプレックスが深崎さんを殺しにかかっている」と言われているそうですが、アニプレックスだけでなく、丸戸さんも共犯です。6話以降、「冴えカノ♭」は怒涛（どとう）の展開に入りますが、特に8話は、最も重要なエピソードとなります。

　初めて丸戸さんのシナリオを拝見した時、恵があまりに可愛すぎて、倫也に殺意が芽生えました。ぶっちゃけますと8話の登場人物は倫也と恵だけです。2人だけのアフレコ収録は、7時間を超えました。松岡（禎丞）さん、安野（希世乃）さん渾身の演技、ぜひご覧ください。

　－－ファンへ一言お願いします。

　いよいよ2期も終盤戦。現状、つらい展開が続いていますが、最後は「くすっ」とできる話をご用意しています。1期でご好評いただいたキャラソンに関しても、まだお披露目できていない状況なので、こちらもご期待ください。

アニプレックス　プロデューサー　神宮司学