地味にスゴイ!:毎日新聞の“リアル校閲ガール”がドラマを語る「認知度上がった」

毎日新聞校閲グループの(左から)谷井美月さん、、塩川まりこさん、斎藤美紅さん
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毎日新聞校閲グループの(左から)谷井美月さん、、塩川まりこさん、斎藤美紅さん

 石原さとみさん主演の連続ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ系、水曜午後10時)で「校閲」という仕事が脚光を浴びている。そんな中、毎日新聞の“リアル校閲ガール”の3人が、ドラマと校閲の仕事について語り合う座談会が、30日付けの毎日新聞朝刊で掲載された。

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 ドラマは、宮木あや子さんの小説「校閲ガール」(KADOKAWA)が原作。石原さん演じるおしゃれ好きの河野悦子が出版社に入社し、ファッション誌の編集部を希望しながら、校閲部に配属されてしまい、型破りな方法で仕事や恋愛に取り組んでいくコメディー。悦子から一目ぼれされる大学生・折原幸人を菅田将暉さん、悦子の後輩で、ファッション誌の編集部員の森尾登代子を本田翼さんが演じている。8日放送の第6話では13.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録するなど、高視聴率をキープしている。

 座談会には、斎藤美紅さん(2012年入社)、塩川まりこさん(13年入社)、谷井美月さん(16年入社)の若手校閲記者3人が参加。「校閲」という仕事について、谷井さんは「調べること自体は好きなのですが、時間に追われてプレッシャーがあるときはくじけそうになります。時間に余裕があるときは、宝探しのような感覚になることもあります」と苦労とやりがいを語った。ドラマについて、斎藤さんは「主人公が、どんなに面倒でも、結果的に誤りが見つからなくても、地道に調べる決意をしていました。「むだなこと」に誇りをもって仕事をする姿が描かれていて、うれしかった」と話し、塩川さんは「ドラマのお陰で校閲の認知度が上がり、知り合いに説明しやすくなりましたし、関心を持ってもらえてうれしいです。何気なく手に取る本や新聞の文字の向こう側に多くの見えない物語があることを少しだけ想像してみたくなる、そんな心に残るラストがいいですね」と期待していた。

 紙面ではドラマの小田玲奈プロデューサーのインタビューも掲載され、事前取材で20人の校閲者と会い、「皆さん、口をそろえて『私たちの仕事は地味なのでドラマになりません』とおっしゃる。でも、いろいろなエピソードがあることが分かり、テレビ的な絵の面白さを加えれば、ドラマになると確信しました」という。タイトルに「若者がよく使う『普通に~、地味に~』という言葉がやたら私の耳に残ったので、原作に「地味にスゴイ!」を加えました」という秘話も明かしている。ほかに、「毎日新聞校閲記者の持ち物」の紹介やドラマのあらすじに間違いを見つける「校閲クイズ」も掲載されている。

 ドラマは残すところあと2回。30日に放送される第9話では、幸人との関係がなかなか進展しない悦子は、憧れのファッション誌「Lassy」の校閲を手伝うことになるが、編集部で活躍する森尾を見て劣等感を感じてしまう。そんな時、同僚の貝塚(青木崇高さん)から、森尾が幸人へ思いを寄せていること聞かされ、恋にも仕事にも行き詰まった悦子は、校閲部員たちを驚かせるほど地味な服装で出社する……という展開。最終回に向け、悦子の仕事と恋の行方が気になるところだ。

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