深田恭子:アン・ハサウェイを尊敬「人間味のある方」

「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」の日本語吹き替え版でアン・ハサウェイさん演じる白の女王の声を担当した深田恭子さん
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「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」の日本語吹き替え版でアン・ハサウェイさん演じる白の女王の声を担当した深田恭子さん

 女優の深田恭子さんが、映画「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」(ジェームズ・ボビン監督、7月1日公開)の日本語吹き替え版でアン・ハサウェイさんが演じる白の女王(ミラーナ)の声を担当している。2010年公開の前作「アリス・イン・ワンダーランド」からの同役を続投することになり、深田さんは演じているアンさんのことを「同い年として尊敬しています」と語った。深田さんにアンさんへの思いや、自身には6歳年下の妹がおり、実生活では姉の赤の女王の立場だが、今作における姉妹のエピソードへの思いを聞いた。

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 ◇美しい姿で復帰したアン・ハサウェイに「驚きました」

 「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」は、ジョニー・デップさんが出演した10年公開の「アリス・イン・ワンダーランド」(ティム・バートン監督)の続編。前作の前日譚(たん)を描きながら悲しい過去に心を奪われたマッドハッター(デップさん)を救うため、時間をさかのぼるアリス(ミア・ワシコウスカさん)の冒険を描く。日本語吹き替え版は、深田さんのほか、マッドハッター役の平田広明さん、アリス役の安藤瞳さん、赤の女王役の朴ロ美さんも続投する。

 続編で白の女王の声をまた担当することになった深田さんは、演じたアンさんに対して、「年齢も近い(同い年)ですし、女優としても女性としてもすごく人間味のある方だなと思います。可愛い役も、『プラダを着た悪魔』(06年)のような役も、『レ・ミゼラブル』(12年)のような役も、とにかくいろんな役を演じられる方。素晴らしい女優さんであり、特に可愛さも持っているのはすてきだなと思います」と表現する。

 さらに、同い年だが「人生で経験している時間が全然違う……。彼女は結婚してお子さんもいらっしゃいますし、そしてまた、今回(出産後の)復帰も早かったので、驚きました。しかもとても美しい姿で復帰されたので、尊敬しています」とリスペクトしている。

 ◇収録は「とにかく楽しかった」

 声の収録の際には「自分が白の女王になったような、アンさんになったような気持ちで演じられた時間が幸せでした。苦労はなく、とにかく楽しかったです」と楽しみながら演じられたようだ。

 収録現場では「前作も見直して、動きや印象が違ったので、今回はより感情的にした方がいいのかという点を監督さんと相談しました。その際、『ワンダーランドの世界の人たちは時が止まっていて成長はしていない』ということもお聞きし、前作と同じテンションで大きく変えることなく演じました」と明かす。

 ◇妹といるときは「姉としてしっかりしなきゃ」

 今作では、赤の女王の頭がなぜあんなに大きくなってしまったのか、その原因となった姉妹の確執なども描かれる。実際には6歳年下の妹がいて、姉という立場の深田さん。演じた白の女王は妹なので立場は異なるが……。「私も妹がいるので“姉妹のシーン”は大切に演じたいと思い、特に感情移入してしまいました」といい、「姉は悪者みたいな感じですけれど、本当は頑張っているのに、妹ってズルい!みたいな。そう思うことはあります(笑い)」と実感を込める。

 実生活では姉として「家族の中で決めなきゃいけないことなどは私にまず聞かれますね。私のスケジュールで決められるので、よいところでもありますけれど。でも、やっぱりしっかりしていなきゃ、というのはあります」という。「妹がいるときは、お姉ちゃんでいなきゃという気持ちが常にどこかであります。私の友人はわりと年上の強い女性が多かったりするんですけれど、その方たちに自分がしてもらったことを妹だったり年下の友達にできたらなと思いますし。妹といるときは特に」と姉としての一面をのぞかせる。

 妹に対しては「上手に甘えるんですよ(笑い)。それでやっぱり頑張っちゃうんです」と苦笑しつつ、「甘え上手というか、悪気がないんですよね。年齢も離れているので」と話す。

 「それに対する妹さんの反応は?」と聞くと、「この作品の取材で、『妹は無邪気にちょっと甘えて、ちょっとずるいところがあるんです』という話をしていたら、その記事を妹が見つけて。でも、すごく喜んでいたんです(笑い)。『私のことを言ってくれてありがとう!』って。怒るのかなと思ったらうれしかったみたい」と意外な反応を喜ぶ。

 ◇姉妹のエピソードに共感

 今作の収録中は「赤の女王の幼少時代のエピソードがすごく心の中で大きかったんです。そこはどうしても妹よりお姉さんの方に気持ちがいってしまう感じでしたね」とつい姉の方に共感してしまったという。「白の女王がフワフワって可愛くしてるのに、じつはお姉さんに悲しい過去があったりして。私の場合だと、小さい時に妹が悪いことしても、連帯責任という点で姉の私も怒られてしまったり……」と思いを寄せ、「最近の姉妹のストーリーでいうと『アナと雪の女王』も見てましたが、やはり姉妹の関係に感情移入して見ることが多いです。今作にも誰しもが共感できるような部分があるんじゃないかと思います」と今作の一つの見どころとして姉妹の関係を挙げた。

 次回は、今作のテーマにちなんで時間にまつわるエピソードと休みの日の過ごし方や生き方などについて聞く。

 <プロフィル>

 1982年生まれ。東京都出身。97年、女優デビュー。2004年には、映画「下妻物語」で毎日映画コンクール女優主演賞を最年少で受賞したほか、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。2015年にはミュージカル「100万回生きたねこ」にて初舞台に挑戦し、活躍の幅を広げる。最近の出演作にドラマ「ダメな私に恋してください」(16年、TBS系)など。映画の最新作には「超高速!参勤交代 リターンズ」(9月10日公開)がある。今回、「アリス・イン・ワンダーランド」(10年)に引き続き、日本語吹き替え版で白の女王/ミラーナの声を演じている。

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