武井咲：ファッションのこだわりは靴「特別なときに気に入ったものを履く」

　人気マンガを実写化した映画「テラフォーマーズ」（三池崇史監督）が公開中だ。女優の武井咲さんは、今作で伊藤英明さんが演じる主人公の小町小吉とともに火星行きの船に乗る秋田奈々緒を演じている。奈々緒はつらい過去があるものの天真らんまんで楽観的、負けん気の強いキャラクターで、武井さん自身も「負けず嫌いなところがあったりするので、そういう意味では似ているのかなと思いますけれど、奈々緒にはすごくはかなくて切ない過去があったからこその強がっている、すごく繊細な女の子」と役柄について分析する。武井さんに、奈々緒を演じる上で気を付けたことや衣装のスーツについて、また自身のこだわりについて聞いた。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　◇スーツはミリ単位で採寸

　「テラフォーマーズ」は貴家悠さん作、橘賢一さん画のマンガが原作で、コミックスは累計発行部数が1600万部を突破するなど人気を集めている。西暦2599年の火星を舞台に“ある生物”が異常進化を遂げた“テラフォーマー”と、昆虫の能力を持った15人の日本人の壮絶な戦いを描いている。奈々緒を演じるにあたって、武井さんは「繊細な心の傷だったり、小吉との信頼関係とかをどううまく演じたらいいのか、というようなことを考えながら演じていましたね」と派手なアクションに目を奪われがちな作品だが、役柄の心情も考えながら演じたという。

　「テラフォーマーズ」といえば独特のスーツ姿も印象的だ。スーツは「何カ月も前から採寸して、何度もテストを繰り返して、自分のサイズにぴったりにしてもらいました。どこもぴったりなサイズになっているのでスタイリッシュな仕上がりです。体のラインなど、よりスタイリッシュに見えるようにみんなで試行錯誤して、本当に何ミリとかの世界にこだわりました」という。着心地は「ぴったりなので、窮屈ではありますし、動きにくいところは確かにあるんですけれど、ビジュアル的にはすごくリアルな世界観が作れたんじゃないかなと思います」と気に入っている様子。

　はっきりと体のラインが出てしまうので、採寸してから体形が変わらないように気を付けたことは？　「そんなに大きく変わることは普段ないので、普段から気を付けている範囲内ですけれど、ただスーツを着るときは怖いというか、『太ってないかな……』という心配はありました（笑い）」とちゃめっ気たっぷりに答える。

　そんな武井さんがプロポーションとか健康を維持するためにやっていることは「ジムには行っていますね。筋トレとか歩いたり、走ったり」といい、また「水を飲むようにしています。1日なるべく2リットルになるように」と明かす。水の種類にこだわりは特にないというが、「飲むばっかりだと逆に体の中に水分がたまってしまうので、なるべく代謝を上げるようにお風呂につかることを心がけたり、全身運動をするようにしたり。筋トレをしたときはたんぱく質をとったりします」と気を付けている。

　◇運動は楽しいと思える範囲でコツコツと

　また、心の余裕も大事だといい、「おいしいものを食べたいときに食べる。心に余裕というか、あまりストイックになりすぎないということも、自分の中で一つのこだわりですね」と笑顔で語った。

　こだわりがあっても決めつけないのが信条という。「何か決めると、（生活が不規則なので）できなくなってやめてしまうので、それよりもできることを少しの時間で続けていくことが大事だと思います」と語る。

　例えば「ジムも毎日行こう、週4日行こうと決めたら、できない日もあったりするので、自分の体調に合わせて、今日は歩こうとか、30分のところを10分にしておこうとか、今日は元気だから筋トレしよう、次の日に筋肉痛が来たら、筋肉痛がなくなるまで、その部分は休ませようとか。運動することが楽しいと思える範囲内でコツコツ続けていこうと」と考えている。

　また、「短期間でやせてもリバウンドが早いと思うので、それよりも維持する意識と代謝を上げるということ、やせるというより、（体形を）締めるということに意識を持ってやっていますね。何より、運動などが時間がなくてできなくても、睡眠を優先した方が一番美容に効くと思います」と自身の考えを真っすぐな瞳で語った。

　◇女性らしくいられるためのハイヒール

　ファッションでのこだわりは、「靴ですね。洋服が好きなので靴はすごく大事にしています。靴が私の（ファッションの）モチベーションだったりするので」と語り始めた。

　「ドラマが続くときとかはスニーカーとかになっちゃいますけれど、本当に気分転換で女性らしくいられるために、今日はハイヒールを履いてみようとか、パンプスを履いてみようとか。レディーな気分のとき、そういう洋服を選んで、それに合わせて靴を選んでみたり。フラットなものでも革のローファーだったり。靴をまず大事にして、いつもきれいにしていて、特別なときに気に入ったものを履くというのが、自分のモチベーションになるし、気分もすごく上がるので、靴は大事なポイントですね」と目を輝かせる。

　自身では50足くらい持っているといい、「フラットなものが多いんですよね、革靴やローファーなどが多いので、たまにはハイヒールを履きたいなと思うんですけれど」と好きなものについて話し始めると止まらないようだ。

　次回は、映画「テラフォーマーズ」の撮影秘話や女優の仕事について聞く。

　＜プロフィル＞

　1993年12月25日生まれ。愛知県出身。2006年8月、「第11回全日本国民的美少女コンテスト」でモデル部門賞とマルチメディア賞を受賞しデビューのきっかけをつかむ。2007年、雑誌「セブンティーン」の専属モデルとしてデビュー。「櫻の園─さくらのその─」（08年）で映画初出演。「アスコーマーチ～明日香工業高校物語～」（11年、テレビ朝日系）で連続ドラマ初主演を果たす。続いて、3部作の映画「るろうに剣心」（12、14年）の神谷薫役で幅広い層から支持される。三池崇史監督作品は「愛と誠」（12年）以来の出演。 その他の主演作は「今日、恋をはじめます」（12年）、「クローバー」（14年）など。最新作は16年1月期のフジテレビ系ドラマ「フラジャイル」。「テラフォーマーズ」は全国で公開中。また映像配信サービス「dTV」では映画の出演者のほか、林遣都さんらオリジナルキャストも登場するドラマ「テラフォーマーズ／新たなる希望」が配信中。