佐野史郎:「マザコン役の頃とは違います」 認知症の母、愛人、妻に追い込まれる主人公に

NHK FMのラジオドラマ「FMシアター『桜を伐る』」の収録後に会見した佐野史郎さん
1 / 3
NHK FMのラジオドラマ「FMシアター『桜を伐る』」の収録後に会見した佐野史郎さん

 俳優の佐野史郎さんがこのほど、NHK名古屋放送局(名古屋市東区)で、NHK FMのラジオドラマ「桜を伐(き)る」の収録後に会見。認知症の母と愛人、妻に追い込まれていく初老の主人公・敏夫を演じる佐野さんは「『こういうドラマをやりたいんだよね』という、そんなドラマです。(自身も)60(歳)を過ぎ、30代にマザコンの役をしていた頃とは違います」とジョークを交えて語った。

あなたにオススメ

 同作は、NHK名古屋放送局が1985年から行っているラジオドラマの脚本募集企画「創作ラジオドラマ 脚本募集」で、2015年度に152編の中から最優秀賞を受賞した熊本県の松本光雄さんの脚本をラジオドラマ化。14日にNHK FMのラジオドラマ番組「FMシアター」で放送される。

 母の認知症をきっかけに、亡くなった父の愛人問題、自分自身の不倫など少しずつ家族の闇が見えてくる……という展開で、「トン、トン、トン……」と桜を切る不気味な音が響く中、主人公の心理をブラックユーモアたっぷりに描いていくサスペンス作。

 佐野さんは「今回のこのドラマの主人公に年齢が近いので共感できる部分もあります。破たんしている60代の夫婦が、それ(夫婦関係)を続けるってどういうことなのか考えさせられました。どう幸せに生きていくのか。今の時代を反映したドラマだと思います」とコメント。「サスペンスであり、ミステリーであり、ホラーでもあります」とアピールした。

 会見には、敏夫の妻・和子を演じる木内みどりさん、敏夫の母・ハツを演じる山田昌さんも出席。木内さんは今回の出演オファーに「飛び上がりたいほどうれしかった」と明かし、「私はラジオドラマが一番好き。流れてくる音に耳を澄ませて集中して、心で聴かなくてはいけなくて、宝がいっぱいあると思う」とラジオドラマの魅力を熱弁。

 さらに、木内さんはドラマについて「夫婦間に問題があっても人生の残りをどう生きるのか、自分なりに整理していこうとしている主人公たち。その矢先に、桜を切る音が聞こえてきて、急に過去の記憶がよみがえってしまう……。聴いた人によって受け止め方も違うと思う。人生にシナリオや正解がないのと同じで、そんなところが魅力だと思います」と話した。

 ラジオドラマ「桜を伐る」はNHK FMで14日午後10時~同50分に放送予定。

写真を見る全 3 枚

芸能 最新記事